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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

彼女、お借りします 第246話 『育った家と彼女②』 感想:やっぱり和也と勝人さんを重ねて見るようになるよね、千鶴としては。

2022-08-03 09:53:09 | かのかり
いよいよ到着した千鶴の実家だけど、これは、本当に昔懐かしい昭和の日本家屋だね。

二槽式の洗濯機とか、タイルばりのお風呂とか、台所にある砂糖や塩の容れ物とか、いずれもそうとうレトロな代物。

スマフォのある風景からは隔絶されたもの。

平成を経て令和になった分、余計に昭和の時代的区切りが鮮明になる。

そんな床がギシギシたわむ家で、和也が遭遇したのが、勝人爺さんが、タクシーで人を送った先で見つけてきた、路傍?の石の数々とはw

なんだろう、これはやっぱり、石の神への信仰とか、作者は意識しているのかな?

『君の名は。』でもでてきた石に対する信仰。

一応、日本古来のもの、って言われているけど、あれに準じてるのだろうか?


まぁ、物語的には、その爺さんが見つけてきた石を抱えて庭に運ぶ和也の姿に、千鶴が勝人さんの姿を重ねていく、というのがポイントなのはわかるけど。

「困った人のためなら、不思議と力が湧くんじゃ!」

という勝人の言葉を和也に重ねているのは、完全に千鶴の主観だからね。

内面をめったに言葉にしない千鶴からすれば、珍しい出来事で、やっぱり、それは、彼女の心象風景を形作る実家に帰ってきたからこそ可能なもの、ってことで。

だとしたら、この先も、千鶴の心情を投射するものとして、この実家は、文字通り、思い出の箱、となるのかもしれない。

なんたって重度の奥手でツンデレ候補生の千鶴だから、言葉に出さないで伝える手段を見つけてこなくちゃいけなくて、作者や編集者も大変だなw


で、最後に和也が見つけたのが、勝人さんの遺影と、多分、千鶴母の遺影。

ということで、ようやくここで、千鶴の両親の話に移っていくのかな。

千鶴母がどんな人だったのか、というのはもちろん大事なことだけど、それ以上に、失踪した千鶴父がどんな人物だったのか、も、この先大事な情報になりそう。

千鶴からしたら、父が不在だったことが、もしかしたら男性に対するコミュニケーションを阻害している理由になっているかもしれないから。

その意味でも、祖父とどうにも雰囲気が似ている和也のことが気になってきた、ということかもしれないし。

ともあれ、まずは亡くなった千鶴母の話が気になる。

いきなりこの場で千鶴が語るのではなく、後日、和也が聞き出そうとする展開になるかもしれないけれど。
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