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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第14巻 感想

2015-12-30 01:43:50 | レイヴンズ
待ちに待った第14巻。
春虎たちは倉橋と相馬の陰謀を阻むことができるのか。。。

ということで、スペース、空けときます。




















































いやー、面白かった。
いつものことだけど、ためにためた伏線を一気に収束させていくところは小気味いい。

まさに、第一部の鴉羽と夏目によるクライマックスとそっくりの疾走感!

ホント、素晴らしい。

それに、わかってはいたけど、十二神将がしっかり二分され、自らの倫理観によって、ちゃんと倉橋に楯突く選択したところはいいねぇ。

それにしても、まさか、山城が師匠たる倉橋と袂を分かつとは思わなかったけど。三善がいつしかいい指南役になっていたってことだよね。

で、十二神将組で一番シビレた場面は、やっぱり、宮地と弓削の決裂の場面だなぁ。
あそこは、弓削の不明な部分をきちんと指摘してやる宮地がよかったよ。

もちろん、普通に考えて、おい、弓削、そこで宮地に会いに行っちゃいかんだろ、って誰もが思うほど、弓削が迂闊なわけだけど。その迂闊なところを、餞別とばかりに諭すところがね。

まぁ、その結果、あれだけ単純に敵対し続けきた弓削と山城が、夏目たちを援護する側に回っても、全くおかしくない状況を作るのだから、作者は上手いよなぁ。

で、名場面は他にも幾つもあるのだけど、個人的に笑えたのは、蘆屋道満のヤンチャっぷりね。というか、まさか、あそこまで道満が怪物化して相馬に対峙するとは思わなかったけどw

それに、道満がそんなガンバリを見せた理由が、どうやら今では泰山府君(の一部?)となった、かつての仇敵というか術比べの好敵手であった安倍晴明、というのはね。

あ、これ、本巻では明確には語られていないけど、この前に出ていた番外編3の、最後に添えられた夜光編の中で、それとなく夜光が晴明と対話してきたという描写があったので、多分間違いないと思う。

しかし、荒御魂が神と同列というのはビックリしたけど、それによって、この作品世界の中での、神の位置づけが明確になってよかった。なにしろ、泰山府君が実は安倍晴明だった、ということもあるようだから、要は生霊のような存在が神に転じる、ということだよね。いやー、日本の神様って楽ちんだな。人からクラスチェンジできるのだからw
この辺りは、キリスト教やヒンドゥー教とはぜんぜん違うな。

まぁ、それはさておき。

そんな道満の献身的?ガンバリによって、ようやく、春虎と大友と冬児たちが合流。

で、再会の歓びを噛みしめる暇もなく、阿吽の呼吸で、春虎を夏目、そして飛車丸を逃がすために、盾になることを選択するんだから。

で、先に残った冬児たちのチームを見ると、いやー、鬼ばっかりw

しかも角行鬼まで残って。

で、これ、前にも書いたことがあるのだけど、この感じで行くと、ホントに最後の決戦場面で、春虎の両横に立つ護法は、角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になりそうだね。

先に後者の方から言うと、なんたって、今回明かされた最大の秘密は、夏目と飛車丸が同じ魂の持ち主だ!ってところで。

いや、それ読んだ時には、えええええええ??????   ってなったもんね。

文字通り、ワケガワカラナイヨ。

で、そのせいで夏目の泰山府君祭は失敗した、といわれてもね。。。

普通に考えたら、同一の魂、ということは、飛車丸が自分自身を未来の夜光の転生先である春虎に出会うまで封印したとしたのだとしたら、その一方で、飛車丸自身が、夜光のように転生の道を選んで夏目に転生していた、ということだものね。

で、多分、そのカギを握るのが、次巻の過去編で、とりわけ、夜光自身が試みた泰山府君祭が鍵なんだろうな。

よく考えれば、夜光がなぜ泰山府君祭を執り行ったのかは、作中でも謎のままだったよね。もしかしたら、そもそもその泰山府君祭自体が、飛車丸に対して行ったことなのかもしれない。で、その時に、魂が二つに分離されてしまった?

まぁ、このあたりのことについては、第一部の最後のところで、星詠みの力に目覚めた京子が、世界は一つではない、などと、いかにも平行世界が実は当たり前・・・みたいなことを言っていたから、本来は、飛車丸しか存在しない世界と夏目しか存在しない世界が重なり合ってる、なんていうか、量子的エンタングルメント?が生じている不思議で不安定な世界が、今の春虎たちの世界なのかもね。

となると、二つの魂が一つに収束して、この世界でのあり方として夏目が選択される可能性は高い。つまり、飛車丸が夏目の中に吸収される。結果として、飛車丸は消える。

で、そうなると、今度は角行鬼の方なのだけど、気になるのは、今回、彼はいつになく大ダメージを受けてしまっていて、いくら千年存在し続けた茨木童子とはいえ、神を降ろした相馬多軌子の力が流れこむ八瀬童子系の夜叉丸・蜘蛛丸を相手にするのはいかにも不利。

しかも、同じく八瀬童子の影響を受けた生成りである冬児は、多軌子の前では力を震えないハンデがある。となると、何らかの手段で、角行鬼が茨木童子としての力を冬児に授けて、冬児の存在をランクアップさせる、とかの暴挙にでるんじゃないかな、と。
なんか、ナメック星でパワーアップしたピッコロみたいだけどねw

ともあれ、その場合は、角行鬼も消えて冬児一人となる。

そうして、晴れて、春虎の護法が、夜光伝来の角行鬼と飛車丸ではなく、冬児と夏目になる。その三人で、多軌子と夜叉丸・蜘蛛丸に対して最終決戦を挑むことになる。

・・・なんて展開になるんじゃないかなw

ついでに言えば、月輪を宿した秋乃は霊界通信で、泰山府君祭たる安倍晴明とチャネリングしながら、春虎の後方から晴明のメッセージを伝える一方で、相馬一族の末席として、多軌子に降りた神を外すために、何らかの重要な役割を果たすのではないか。

いずれにしても、秋乃が意外と、春虎と多軌子の対決の調停役になるのではないかなと。

そうして大団円を迎えられるといいけど。。。

でも、最終的には、平将門公が降臨しちゃうのかね?
だとすると、なんとか、再び将門公を鎮める手立てが必要になるのだけど。
で、そのために、春虎と多軌子が共闘できるといいんだけどね。。。

でも、それは流石にお花畑過ぎるかな?(苦笑

まあ、何にしても、まずは夏目の存在の安定が第一なんだけどね。

それにしても、まさか、夏目にこんな秘密があったとは、というくらい、飛車丸と同じ魂でだから近づけなかった、という春虎の説明には頭が「????」となったのだった。

それ、流石にワイルドカードすぎるし、後出しジャンケン過ぎるだろうと思っていたら、あとがきで作者が、ちゃんとこのことは最初から考えていて、きちんと仕込んでいたという痕跡も残していたよ、といわれて、うーんと唸ったのだった。

でもまぁ、確かに、どうして物語の立ち上げである第一巻で、夏目は終始、北斗という式神で現れなければいけなかったのか、という疑問はあったわけで、何らかの仕込みのために行っていたはずと見立ててはいたんだけどね。

で、個人的には、夏目が実は北斗の生成りで、北斗のほうが実態だったんじゃない?とか前に書いていたわけだけど、いやー、まさか、飛車丸、すなわちコンが関わってくるとは。

もっともまだ北斗が全く関係ないわけでもないと思っているけれどね。
なにしろ、今回、夏目と飛車丸の繋がりまで開示してきたわけだから、次巻、なぜ二つの同じ魂が一つの世界にあるのか、という問いに答える段階で、もういくつかのギミックが仕込まれているはずだから。

でも、そこで、もしも土御門家の護法で永遠の存在?だった龍の北斗が飛車丸の思いの受け皿になって、北斗がその思いを受け止めて龍の生成りとして生まれたがの夏目だった・・・なんて説明がなされたら、もう感激なんだけどな。

でも、確か、夏目は捨て子で、両親が誰かわからなかったはずだよね。
となると、龍から授かった子、という、お伽話みたいなことが起こってもいいと思うのだけどね。

ともあれ、いやー、面白かった。
群像劇、サイコー!

ついでにいえば、道満の口から出る「呪」の説明は、短いけれど、千年を渡ってきた荒御魂の口上だということで、極めて説得力を持っていてすごかった。

というか、道満にしても、角行鬼にしても、安倍晴明を今の世に呼び寄せるというありえなさをなくすための存在として仕込まれていたとは驚き。

で、その仕込みっぷりはマジで凄いわ。
そうして、千年続いた腐れ縁を、現代で精算するという展開も説得力を持ちそうだから怖いw

あと、あれで大友が退場するとは思えないので、一次退場していた木暮とともに、あと、涼もあわせて、三羽鴉が頑張りを見せる場面にも期待。まぁ、それは次の次の巻になりそうだけど。

あ、そうそう、鏡が無理やり霊体を切り刻む?ことで倉橋の封印を解いていたけど、今回、倉橋が亡くなったから、天海や鈴鹿の額のバッテン封印も解除されたと思っていいんだよね?

ということは、少なくとも鈴鹿は次の次の巻で、第一巻なみの、ヤバイ神童っぷりを発揮するというのでいいんだよね?

いやー、てっきり、鏡が封印解除の術を身につけたから、鏡によって鈴鹿や天海の封印も解除されるのかと思っていたけど、術者が死んだのだから、消えるという理解でいいのかな、と。

まぁ、そうなると、あと二巻で終わり、ということかな。

第一部もそんな感じだったからなぁ。
さすがにそれ以上は、引き伸ばさないよね、この作者は。

ということで、あと二巻!楽しみだ!

まずは、次の過去編を早く!
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