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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

神のみぞ知るセカイ 女神編 FLAG 12.0 『初めて恋をした記憶』

2013-09-24 16:15:30 | 神のみ
女神編、大団円!
素晴らしい結末だった。

前に連載の時にも書いたけど、女神編の締めの部分は、ホントに良く出来てる。
今回のアニメ女神編の最終回も、それに劣らず良い出来だった。

( 連載時の最終回エントリー: 神のみぞ知るセカイ FLAG189 『初めて恋をした記憶』 )

っていうか、最後のライブの場面で、ちひろが女神たちの羽を目にするところが何ともね。
素晴らしいよ。
あの場面のために、ここのところの4話ぐらいがあったようなものだから。

あれは、直前の、桂木からいわれた「ちひろは関係ない」という言葉に対する、天からの、つまりはこの物語の作者からちひろに送った、一種の「救済」だよね。

ちひろが天使の羽を目にすることで、一体自分自身がこの数日何に関わっていたのか、そして、桂木がホントのところ何をしていたのか、瞬間的に理解出来た場面。

とはいえ、ちひろはそれで救済されたわけだけど、
一方の桂馬は、このちひろの一件で、心に、もの凄く重い傷を負ってしまった。

ちひろが示した、攻略ではないリアルの恋愛感情に触れたにも拘わらず、その恋心を攻略の途上という状況から、最悪の形で拒絶してしまったことが、桂馬の心のなかにブロックを生み出した。

つまり、身についた攻略グセから、リアルに恋愛感情を示してくれる相手を、それと知らずに傷つけてしまうのではないか、という疑念に囚われてしまった。

この桂馬の心の傷は、実は思いの外、重かったようで(あるいは、作者自身が、とても重いものと受け止めてしまったようで)、結果的に、原作の方は、この後、桂馬の心の傷を癒やすために、そもそもこんな「攻略をしなければならない状況」を生み出した過去に戻り、桂馬がゲーム攻略という枠組みそのものについて自問自答する、というような、想像以上の鬱展開に突入してしまっている。

簡単にいうと、この物語の舞台設定そのものの是非を問うようなメタなレベルにまで到達してしまっている。

正直、連載の方は、これ、どう畳むんだろうな・・・、というぐらい、アレな展開になってきてるわけだけど。。。

まぁ、最後は、桂馬自身が、この攻略からなるセカイを生み出すことに加担した、いわば、創造者の一部となることで、彼が今までしてきたこと自体を受け入れて、前に進み始める、ということになるのだろうと踏んではいるのだけど。

しかし、それにしても、桂馬に課せられた重荷が消えるわけではない。

・・・ということで、女神編の後の、桂馬はマジメにかわいそうなわけなのだが、しかし、そんな状況の片鱗だけを示して、女神編は大団円を迎える。

ちひろの救済、をエンドマークにして。

もっとも、これも前に書いたことだけど、ちひろは、歩美やかのんと違って女神ではなかったことによって、桂馬に対する独自のポジションを得ることができたんだよね。

そもそもユピテルの姉妹たちは、互いに牽制しあうポジションにあるわけだから。

あー、もっとも、女神編以後の展開を見ると、ユピテルの姉妹の中でも、天理=ディアナの位置づけが破格に上がってきているようにも思えるのだけど、これ、どうするのだろう。

そういう意味では、女神ではない点で、ちひろに近い位置づけなのはハクアのはずなのだけどね。女神編の後は、物語の舞台が過去に行ってしまったために、そもそもハクアも登場しない(ちひろと歩美は一瞬登場する)。

ハクアにももう少しリターンがあってもいいように思えるけどw

ともあれ、こんなふうに、その後の顛末をあれこれ考えることができるくらい、この女神編の物語は、この作品の中で特権的でものだった。重層的な意味合いを含んでいた。

その物語を、一期や二期と異なり、テンポよく12話で収めたのは素晴らしかった。
原作では端折られた、6女神がいかにして旧悪魔を成敗したかも簡単に描かれていて、原作のよい補完にもなっていた。

いやー、佳作だけど、いい最終回だった。

あー、それだけに、女神編の後の原作の展開がな。。。
もしも4期があるなら、むしろ、オリジナルで別ルートを目指して欲しいくらいw
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