BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第16巻 感想

2018-11-01 19:54:02 | レイヴンズ
いつの間にか、16巻が出ていた。
1年に1冊って、作者、やる気あるの?と少しは悪態もつきたくなるところ。
それでも、読んでしまうところが、若干悔しいw
いや、いい話なんだけどね。。。

ということで、スペース、開けときます。














































まずは、本巻で、一応、前巻から始まった過去編というか、夜光編が終わったのだけれど、正直なところ、これ、必要だったのかなぁ、と。。。

必要だったのか?、というのは、

夜光のことを、ここまで書き込む必要があったのか?
ということ。
単純に、これは前日譚として、本編が終わってから「外伝」として詳細に書いてもよかったんじゃないの?という気がまずしてしまったこと。

まぁ、これは単純に構成の問題として、なんだけど。

それよりももっと疑問に思ったのは、うーん、そこまで陰陽の世界を、なんでもありにしちゃうと、あまりにも都合が良すぎて、はぁ? という気になってしまう。
カタルシスも何もなくなってしまう。

なぜなら、今回、作者は、かなりアクロバティックな「謎解き」をしてきたから。

つまり、春虎は、確かに夜光の転生だった。
これは、本編の最初からずっと言われてきたことで、実際、第1部最後で、明確にそうなったわけで、だから「夜光編」では、夜光の死は規定路線で、実際そうなった。

でも、その転生のところで、ものすごい、アクロバティックなことをしかけてきていて、なぜなら、その際には、飛車丸は、自分自身が「未来」の「夏目」の転生(でいいのかな?)であったことに気づいた、ということ。

つまり、春虎が「夜光II」であるのに対して、夏目が「飛車丸II」だったわけではなく、逆に、飛車丸の方が「夏目II」だったということ。

てか、これ、完全に時系列が入れ替わってしまってて、普通に考えたら、全然、意味わっかんねー、ってことになるところなのだけど、どうやら、これは陰陽の世界だからオッケー!ってことらしい。

というか、そのための「屁理屈」というか「小理屈」というか、とにかく理屈をつけるためにあったのが、実は過去編であり夜光編だったことになる。

つまり、陰陽師の至宝、超天才の夜光様の「お考え」がそのまま、このレイヴン世界の「真理」ということになった。

それは、結局のところ、この世界の「神」とは、時間を超越してあまねく存在するものであり、その意味で、過去も現在も未来もない。

そして、基本的に、泰山府君祭というのは、そのような神の世界(多分、隠世)と、この世をチャネリングするメディアなので、泰山府君祭を行っている際の天壇では、時間を超越して、魂の移動が可能になってしまう。だから、未来に誕生するであろう「夏目」の魂が、夜光の時代に現界したのが飛車丸だった、ということになる。

つまり、夏目と飛車丸は、もともと「同じ魂」の別時間バージョン。
ついでにいえば、夜光と春虎も「同じ魂」の別時間バージョン。

その意味では、そもそも春虎を「夜光の転生」と表現するのは正しくなくて、その言い方は、あくまでも夜光の側から見たものに過ぎない。

夜光の魂すら、泰山府君祭でチャネリングする先の「神の世界」にも「もともと」あったものが、たまたま、昭和10年くらいの時期に現界したものに過ぎない、と考えるべき。

つまり、レイヴンの世界では、神の世界に、たくさんの「魂」のストックがあって、それらが時代時代に現界しているだけのこと。

要するに「輪廻転生」ってことなのだけど、輪廻転生というと、普通は、今、人間だった魂も、来世では、虫とか魚になるかもしれない、って話だし、基本的には、前世、今世、来世、という感じに、時間の流れとしては、過去から未来に向けて直線的に流れている。

普通はそう思うのだけど、このレイヴンの世界では、輪廻転生の場合でも、人から人に転生している。
いやまぁ、飛車丸の場合は狐憑きだから、半分、獣みたいなものなのかもしれないけれど。

でさらに、時間の流れが直線的であることをやめるだけでなく、完全に過去、現在、未来が入れ替え可能になっている。
それを一応、陰陽道の、陰陽(インヤン)の入れ子の姿でオッケーにしてしまっている。

まぁ、それでほんとにいいのか?という気はするけれど、一応、そのような世界観を出すと、飛車丸が夏目の(過去における)転生、ということになる。

ということは、今回の16巻の最後ではまだ曖昧な描写で終わってしまっているけれど、多分、春虎の時代においては、夏目の姿をとった魂に、飛車丸の「霊体として時代をさまよう魂」が吸収された、ということになってしまっているのだろうな、とは思う。

要するに、飛車丸は消えて、夏目だけになった。
もっとも、夏目の魂に、飛車丸の記憶も組み込まれてしまったのかもしれないけれど。
それは、今の春虎が、夜光の記憶と春虎の人格を両方、持っていることに近い。

というか、そもそも、春虎を単なる夜光の「魂」的コピーにしないように、父親の泰純がとったのが、春虎という「今の時代」における人格をまずは育成しておこう、ということだったわけだから、ほぼ同じことが、夏目/飛車丸にも起きてしまった、と思えばいいということになる。

あー、しかし、ややこしい。

まとめると、春虎/夜光と、夏目/飛車丸の、セットになったということ。

そして、夜光の姿が、春虎の時代にはないのと同じように、飛車丸の姿も消えて夏目に一本化された。

となると、以前から想像していた通り、今回のエピソードで、多分、角行鬼も飛車丸同様、消えて、彼の代わりに、冬児が春虎の護法としての「鬼」になるのだろうな、と思ったり。

まぁ、角行鬼は、もともと霊的存在でしかないから、もはや生き死は超越しているのかもしれないけれど。なので、単に春虎のもとから去るだけかもしれないし、去り際に、冬児の魂にでも間借りする存在になるのかもしれない。

ただ、冬児の場合は、確か、八瀬童子の一つだったはずだから、角行鬼とはむしろ、因縁の間柄になるのかもしれないけれど。

ともあれ、過去編における、超天才の夜光理論によって、この世界は、泰山府君祭さえ使えば、時間を超越した魂転送が可能で、魂の移動だけでいえば、夜光→春虎、夏目→飛車丸、ということだったということ。

とういことで、晴れて、春虎・夏目組も、夜光・飛車丸組も、ともに夫婦になってめでたしめでたし!というオチになるのだろうなぁ。

ただ、となると、夏目の出生そのものの秘密がとても気になるし、最後に物語の鍵を握ることにもなるように思うのだけど。

そこまでやるかなぁ。


あとは、16巻の話で、将門公の神降ろしが結局、原因で、東京で霊災が生じているということだから、その修祓も、春虎・夏目組で対処できるのかどうか。

できないとなると、夜光がしたように、今度は、春虎が安倍晴明を呼び出して、夜光と同じように、未来の子孫へ転生、というようなことになるのだけど。。。。

あ、でも、いま、土御門に跡取りいないじゃん!
となると、その作戦は使えない、ということなのか。。。

じゃ、きっと、春虎・夏目組で平将門は修祓するんだろうな。

しかし、それにしても、アクロバティックすぎる説明で、ビックリ。

もちろん、ここまで書いた「小理屈」が全然違ってる可能性もあるのだけど。。。

ということで、次巻でこの物語は終わりかな。

となると、1年も待たさないでほしいけど。

ていうか、もうここから先は、大団円だけだから、物語としては一直線だから、作者も一気にかけるでしょ。

だから、まぁ、半年後くらいの、来春ぐらいまでには、17巻が出ることに期待w

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