雑記帳(新居)

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全米オープン第4日(続き)

2009-09-04 12:30:00 | テニス
大激闘と大波乱。とてつもなく長い一日はまだまだ終わらない。

Shvedova def. (5) Jankovic 6-3, 6-7(4), 7-6(6)

Yari, Good job!!

凄い試合とは言えなくても大激闘。特に第2セット終盤から加速度的に白熱した。

Shvedovaが先に攻撃し、ヤンコビッチは拾い続けながら相手のミスを誘うか、相手の打球が甘くなったところで攻めに転じる。大筋でそのような展開だった。そして最後の最後はShvedovaの攻撃がヤンコビッチの守備を上回った。ヤンコビッチは守備的になりすぎているようにも見えた。最終セットタイブレーク6-6からのポイントは、まさしくこの試合を象徴するかのよう、Shvedovaの強打をヤンコビッチが拾い続けるものの、ついにはShvedovaがスマッシュでポイントを決めた。そしてやってきた最初のマッチポイントで、Shvedovaはサービスエースをたたき込んで試合を決めた。

ちょっとした予想外の事態をきっかけに、それがどんどんと大きな波乱の連続につながっていく。小さな雲の固まりがあっという間に猛烈な台風になるように。今季、このような展開が一体何度あったことか。そして、最後まで攻め抜いたほうに勝負の女神は味方するものだ。1試合だけの問題でなく、会場全体がそのような流れになるときが、確実に存在する。
第3セットの第11ゲームなど、そうとしか思えなかった。ヤンコビッチのサービスエースかと思いきや、Shvedovaがチャレンジ、1mmくらいフォルト。そして30-40からのブレークポイントで、Shvedovaの強打がネットに当たりヤンコビッチのコートに落ちた。

もう一つ改めて思ったことは、前哨戦の成績が全く当てにならないということ。前哨戦で好成績を上げた選手で残っているのは、ペネッタくらいしかいない。だから、前哨戦の成績を勘案して立てる予想が当たるはずもない。

Shvedovaについて、今年シャラポワとの対戦で一度見たことがあり、サーブがかなり強力という漠然とした印象があった。しかしこの試合については、フォア・バックとも重量級のストロークで攻めを貫いた。展開が単調とかネットにもっと出ればいいのにとか(ただしあまり上手くはない)、いろいろ思うところはあるが、まあ、そこまでできれば55位なんかのはずはない。

しかし、ヤンコビッチもどうしたものか…というか、下位の相手に苦戦することはしばしばあっても、いったん勝利へのチャンスをつかんだらそれを逃すことはまずなかった。

第1セットはShvedovaが終始リードで奪い第2セットも先にブレークしたのはShvedovaだったものの、このセットの中盤から、ヤンコビッチが拾い続けてプレッシャーをかけ、Shvedovaが結局ミスするという場面が増える。Shvedovaの4-2リードからヤンコビッチが3ゲーム連取で逆転。
第2セット第10ゲーム、ヤンコビッチのサーブ、5-4 40-0で3連続セットポイントとしながら逆転でブレークされ、11ゲームでヤンコビッチがすぐにブレークし、12ゲームでもセットポイントがありながら、またしても逆転でブレークされた。このセットは結局タイブレーク、合計8本目のセットポイントでようやく奪った。

第3セットも先にリードを奪ったのはShvedovaだった。そしてこのセットは第2セットとは逆に、第10ゲーム、第12ゲームと、ShvedovaにServing for the matchがあり、第12ゲームには6-5 30-0リードの場面さえあったものの、ヤンコビッチがいずれもブレークした。
そしてこのセットのタイブレーク、前半はShvedovaがポイントを先行するものの、ヤンコビッチが得意の粘りで逆転。そして6-4ヤンコビッチのリード、2連続のマッチポイントを握った。ところが1本目はShvedovaの強力なサーブでしのがれた後、2本目のラリーでヤンコビッチにらしからぬミス。このタイブレーク、ヤンコビッチには合計3本の変なミスがあった。そしてこの記事の最初に書いたように、最後はShvedovaの最高の形で2ポイントを取った。


全米オープン第4日(追補)

2009-09-04 12:29:00 | テニス
この大会第4日は、とにかくいろいろなことが起こりすぎ、頭の中の整理がつかない。

Rodionova def (23) Lisicki 6-3, 3-6, 7-5

という結果なのだが、第3セットの第9ゲームでリシキにマッチポイントがありながら、そのマッチポイントの場面でリシキが足首のけがをしたらしい。それで、結局その後4ゲームを続けて落としたようだ。

一体サビーネはどこまでけがに悩まされるのか…
今季は彼女にとってブレークスルーになっているけれども、その一方で、肩の故障でたびたびツアー離脱を余儀なくされてきた。復帰した今大会も、チャールストンとかウィンブルドンのときに比べればサーブの速度を落としているし、一方でダブルフォルトも多い。それで今度は足首のけがだ。

その場面を映像で見ていないのでどれくらいの事態なのかよくわからないが、重大でないことを祈るしかない。

全米オープン第4日(その1)

2009-09-04 04:08:00 | テニス
M. Oudin (USA) def. (4) E. Dementieva (RUS) 5-7, 6-4, 6-3
実は、1回戦終了時点で、
「完璧に読みを誤った」
という予感はあった。2回戦で当たるにはきつい相手だ、程度の認識はあった。それにしても、Oudinにはウィンブルドンでヤンコビッチを倒した実績もあるのに、我ながら甘く見ていたとしか言いようがない。
ディメンティエワは、3月のインディアンウェルズからウィンブルドンの前まで、何をやっても勝てない時期がかなり長く続いたのだが、その頃の負けパターンと全く同じである。打っても打っても、打球に力がないのか完全に読まれているのか、簡単に返球される。デメのサーブに攻撃力を期待できるわけはないけれども、それ以上に問題なのはほとんどワイドばかりで速度もほとんど同じであること。だから相手の構えている通りの場所に打っている感じだ。特に第2セット以降は、デメが攻撃のチャンスを全くつかめないままミスさせられる場面ばかりが続いた。かといってなんとなくラリーを続けていても相手に思い切り攻撃されて終わりである。

第2セットの第3ゲームでデメが3回のブレークポイントを逃したあたりから試合の流れは決定的に変わった。そしてその直後の第4ゲームでOudinがブレーク。
第3セットの第2ゲーム、ディメンティエワのサービスゲームで40-15としながらその次のポイントでダブルフォルト、この後ずるずるとポイントを落としてこのゲームをブレークされた。第3セットはこの後両者ブレークを繰り返したものの、デメが追いつく場面は一度もなかった。全くそのときのビデオテープを見ているかのような展開だった。

Oudinはまだ17歳とのことだが、ストロークは相当のもので、特にフォアは強烈だ。その一方でバカ打ちするだけではなく緩い打球でペースを変える戦術も持っている。試合が進行するにつれてストロークで優位に立つ場面が増えて、ディメンティエワをベースラインからどんどん後ろに下げさせた。サーブはそれほど目立った印象はないけれども、この試合については大切な場面で最もいいサーブが決まっていた。91年以降の生まれの世代では、現在のランクではPavlyuchenkovaのほうが上だが、ものは一番いいだろう。通常の大会で名前をあまり聞かないのは、年齢制限とかで出場大会数を相当絞っているのかもしれない。

[1] Safina def Barrois 6-7(5), 6-2, 6-3
サフィナは依然として何ともちぐはぐな試合が続いている。特にダブルフォルトが15本と極端に多い。もともと好調時でもサフィナのサーブは荒れ球なのだが、最近はひどすぎる。なんかお約束みたいに第1セットのタイブレークを最後にダブルフォルトして落とす(これは、今大会の1回戦もウィンブルドンの準々決勝もそうだ)し、第2セットは奪ったものの第3セットはBarroisに2-0とリードを許していた。数字も展開も1回戦と全くそっくりだ。
ただし、繰り返しになるが、サフィナはこのような勝ち方がとても多いし、こういう勝ち上がりをするときのほうが強い。