やっぱり少しでも知識を入れていくと、美術館も楽しいものだ
名古屋ボストン美術館「清長、歌麿、写楽」錦絵の黄金時代を見に行った
知識を入れてというのは先日読み終えた「写楽 閉じた国の幻」
時代背景、絵師の特徴、絵の見方、同時代の人々と付き合い
それらを大まかに理解したつもりだったが
この展示会の主役は「清長、歌麿、写楽」
最初の清長という絵師は知らなかったが
この人の描く着物の柄の細かな事、それは呆れるほどだ
フト、このままのデザインで今発売したらどんなだろう?
と思ってしまった
後で詳しい人に聴くと彼の絵は今でいるファション雑誌、カタログの意味合いがあったそうだ
なるほど、納得!
歌麿は名前だけはよく知っている
美人画ばっかり描いて、、、と、少しばかり嫉妬(?)を覚えていたが
実際の有名な作品を見ると、どうしてどうして素晴らしい
江戸3大美人の絵はパターン化されているとは言え
明らかに個々の雰囲気の違いが滲み出ている
でも自分にとって一番のお気に入りは、美人画ではなく
忠臣蔵7段目と題された作品
男と女がぴったりと寄り添って、えも言われぬ艶っぽさがあった
柔らかい線とフォルム、どこかエロティックで
やっぱり凄い才能の持ち主
写楽、第一期の大首絵が傑作群
でもあまりにも有名過ぎて今までは本等で
サラッとしか見ていないが
実物を見ると、体温があると言うか、人間の息吹というか
確かにそこにいるのは人間!
と言う気になる
これと比べると先の二人はフォルムの美しさ、細部のこだわりの美しさに
重きを置いて、人間の表現までは達していないような気になる
もっとも、これらは比較の上だけだけれど
その美術館の帰り
土産物として購入したのは絵関連ではなく
「寂しい写楽」宇江佐真理 と言う小説と
「東州斎写楽」新潮日本美術文庫という本の2冊
しばらくはこの時代とおつきあいが続きそう