パンセ(みたいなものを目指して)

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学生さん世代の社会的問題に関する知力・洞察力について

2018年11月26日 09時37分45秒 | あれこれ考えること

毎月第4日曜日は新城軽トラ市
お決まりの買い物もあるし、なんとなくザワザワしてる感じが好きで
足を運ぶようにしているが、すぐには現場には行かなかった
その前に出かけたのは、新城市の文化会館小ホールで行われた「公共政策フォーラム2018in しんしろ」
大学生による政策コンペで「若者活躍社会の拡大」がテーマ
前日の24日は予選、日曜日は勝ち残った6チームによる決勝戦
プレゼンタイムは15分、その後審査員等から質問を受け答える時間が設けられている

勝ち残った6チームと発表テーマはは
専修大学石川ゼミ マイルドヤンキーが活躍するまちづくり
愛知大学鄭ゼミ 若者議会、その先へ!さらなる発展を試みる
明治大学木寺ゼミ Station S
日本大学中川ゼミ 討議型世論調査と小規模コワーキングスペースの創出 実証分析と経済実験による提案
愛知大学西堀ゼミ 小規模農業が地域を活性化する 新城市における農業の新しい働き方モデルの提案
北九州市立大学楢原ゼミ 北九州リンクールプランによる若者活躍社会の構築 愛知県新城市の若者議会から見えてきたもの

これらが「若者活躍社会の拡大」とどう結びつくかパッと見て想像できないし、正直なところさほど面白そうとも思えない
それでも自分が足を運んだのは、少しばかり意地悪い「確かめたいこと」があったからだ
それは「この世代の人間がどのくらいの知力・洞察力があって、人間が織りなす複雑な社会生活を捉えているか」ということ

一般的には「若者の政治離れ」が叫ばれている
今回このフォーラムに参加するメンバーはそうい人たちとは違う民度の高い人間と思われるが
このひとたちの思考の深さや広さ、柔軟性や論理性みたいなものが、自分の目からはどのように感じられるかを実感したかった

新城市では「若者議会」という16歳から29歳の若者が参加する組織があって、
そこに年間1000万円くらいの自由に使える予算を与えられて、
その使いみちを若者議会で検討したのち市長に提案して、ステップを踏んで実行に移す事になっているシステムがある
これが新城市の画期的な他市に誇る試みとされているようだが、へそ曲がりな自分には一方的に良きものとは考えられでいる
若者議会に与えられている予算が約1000万円だが、その若者会議を開催する費用が同じく1000万円くらいかかる
会議に1000万円使って1000万円の使いみちを考える
これはいくらなんでもバランスが悪すぎないか、、と思えてしまうのだ

若者議会に対して自分と同じような考えを持つ人は少なくない
しかし、そこで大きな声で反対の意見を言いにくい雰囲気があるのは「若者の政治参加の機会を奪うのは良くない」
という不文律のようなものがあるからだ
「若者には機会を与えて、若者にしかできない発想と実行力」に期待することは無駄ではないはずだ
それに若者議会は参加したメンバーのその後の生き方へ(社会との関わり)の良いきっかけとなる
だから、そういう機会はできるだけ与えるべきだ、、というのが表立って反対しにくい理由の一つだ

しかし、それは若者議会というシステムでしか実現されないか
もっと現実生活に根ざした普通の生活の中からは生まれえないものか
つまり若者にスイッチが入る瞬間はもっと別の方法でも提供できるのではないか、、と思えて仕方ない

そこで昨日の確認事項に話がつながる
この世代の人間(学生さん)たちはどのくらいの思考力をもっていて、果たして1000万円の予算を与えても良い存在か
それを確かめたかった

そこで結論、やはりというか、「若いということは、若い(若すぎる)」ということ
プレゼン技術や分析方法などは慣れがあって、どのチームもそれなりにこなしているように見えたが
肝心な「さてどうする」に部分になると一気に迫力は低下する
いやデータ分析し把握した現実すら少し違和感がある(自分にとっては)
彼ら(学生さん)の現実はある意味理想化した視点であるので、
より年上の人間の様々なことを経験したのち、しょうもない人間という存在の考察とか、惰性に流されやすく
見えも張りたい個人の人としての視点の欠如、、つまりは人に対する洞察力が欠けているように思えてならない

だから全体的にひ弱な提案となっている
もう少し別の言葉でいえば、昨日の提案は「他人ごとの批評家」のような一見賢そうな人間が行うものに近かった
そこには切実感がない、、
もっともこれらのテーマ自体が自分たちに生活に切実なものでなかったこともあるかも知れない
同じテーマでも市職員がなんとかせねば、、と考えるのと、学生さんがシミレーションのように学習の機会として考えるのとは大きく違う

このフォーラムに参加した学生さんは18歳から 22、23.24歳(?)
若者議会は16歳から29歳だが、現実は高校生が多いメンバー構成になっている
この世代の実力は民度の高いとされている中でも、だいたいこのくらいなんだ、、とわかると
今度はいくら若い人に機会を与えることが必要だとしても、いきなり1000万円の予算を与えるというのはちょいと無謀ではないかと思えてしまう

そこで、フト気づいたのが被選挙権のこと
衆議院議員、県会議員、市町村長、市町村議会議員は満25歳以上
参議院議員、都道府県知事は満30歳以上
という条件
これはなかなか現実的な考え方から生まれたものかもしれないということ
数学的な思考と違って社会に関する事柄の把握は人生経験を必要とする
25年、あるいは30年を経た人間が下す判断は、学生さんの判断よりは余計なものへの視野とか気配りが存在する
これがブレーキをかけて若者にはまどろっこしいと思われても、トータルではより良い結果を生み出すだろうとしたのは先人たちの知恵

若い人が若すぎるとか、高校生でもやたらと子供っぽく見えてしまうこの頃
会う人会う人が年下ばかりになりつつある現在
次の世代は彼らのものと思いつつも、、、心配事は絶えぬ日々が続く

ところで、昨日のコンペ、結果を確認せずに軽トラ市の方に移動
さてどこが勝ち上がったのだろう、、





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1 コメント

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感謝と怒り (傍聴者A)
2018-12-29 17:21:49
18年11月26日 学生さん世代…を読んで

次のことを知らされて幸せですが、市民のおそらく95%以上が、このことを知らないことに怒りを覚えています。
 大多数の市民が知らないことを盾にして、滅茶苦茶多額の、税金を使っているからです。

★次のこと
「若者議会に与えられている予算が約1000万円だが、その若者会議を開催する費用が同じく1000万円くらいかかる」
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