物理的な要素からではレコードの音はCDにかなわないとされる
歪とか雑音のみならず、その他の要素もCDのほうがデータ的にも良く
CDの弱点と言われる高音域・低音域のカットは、そもそもその音は
人間に聞き取れないから問題ないとされる
でも、依然としてレコードの音のほうが良いと言い張る人もいる
その場合はいい音という基準ではなく、好きな音か否かに過ぎないと
結論付けられることが多い
最近の自分は圧倒的にレコードを聴くことが多い
それは、その方が好きな音というだけの事かもしれない
だがうまく言語化できないどこか違うところがそこにはある
感覚的な言い方になるが「ふわっとした雰囲気、音の熱っぽさ」
それがレコードからは感じられるがCDからは感じられない
この差は再生装置のレベルの違いから来ているかもしれない
レコードの方はちょいとプレーヤーにもフォノイコにもお金をかけている
CDの方はべらぼうに高くはないがそれなりの価格のプレーヤー
この金額の差がもしかしたら聴く時の印象に違いを与えているのかもしれない
でも、他の場所(素晴らしいオーディオ装置を揃えた喫茶店)などでCDを聴いても
やっぱりCDの音だな!とテンションが下がることがしばしばだ
バッハのマタイ受難曲などを始めとするレコードの面を替える無駄な手間も忘れて
その世界に没入するという経験は、CDでは残念ながら今のところない
レコードとCDの同じ演奏のものを持っているというのは、マニアにはありがちなことで
例外にもれず自分もいくつか重なっている
だがフルトヴェングラー指揮の「トリスタンとイゾルデ」
バッハの「音楽の贈り物」などはいくらCDが便利でもレコードを聴いてしまう
それは何かが違う!と感じるからだ
この感覚の違いは生活とか生き方に違いを生じさせるものではない
むしろほとんど影響はないだろう
でも何かに違いを感じるということは、実は何も感じないでいることよりは
些細な分野だとしても大切なことのような気がしている
まずは感じること
人は考えるよりも前に何かを感じる
感じることは想像以上に大事なことかもしれない、、と思ったりする