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パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

六年生の感じること(あるいは彼の個性)

2020年01月17日 08時20分42秒 | 子どもたちのこと

木曜日は朝はあいさつ推進運動で小学校まで近所の子どもたちとデート
昼からは外国人を親に持つ子供の勉強の手伝い
朝は子どもたちは口が重く機嫌が悪いと実感しながらも
家に帰ると校門までの子供との会話を同居人に
つい話したくなってしまうから、それなりに楽しんでいる

ところが昼からの部は、一種戦いの様相となる
火曜日の低学年(1.2年生)の場合は、言うことを聞かないと言っても限度がある
ところが、6年となると我儘はそのパワーが数段違う
自分らを無視しているわけではないが、なかなか勉強のモードになれない
だから、ボランティアで参加している方が
「この子たちのことを考えると、ちょっとストレスを感じてしまった」
とこぼすのを聞くと、無理もないと納得してしまう

でも上手くいった日は晴れ晴れとした充実感が感じられるし
責任を果たした感覚になれるので、自分もその方も続けられているのだと思う

昨日、いつもの様に二人の男の子、一人の女の子を見ることになった
宿題をする事になっていたが、みんななかなか手を付けることができない
それぞれが勝手な話をしている
そこで気分の切り替えをするように、彼らにちょっと聞いてみた
「ラグビーの選手は髭をはやしている人が多いけど何故だと思う?」
自分の狙いは気分転換と「何故?」という問題意識をいろんなところに
持ってもらいたかったのだが、どうもこれは受けなかったようで失敗

それからどんな経緯でそうなったのか忘れてしまったが
三人の中ではちゃんとやればよくできる男の子が突然聞いた
「沖縄って知ってる?」
あまり深く考えずに答えた
「知ってるよ」
「ハクソーって知ってる?」
「ハクソー?土地の名前?知らないな」
「知らないの、有名なところだよ。スマホで検索してみて」

それでスマホで検索してみる
ハクソーと検索すると上の方に「ハクソー・リッジ」と出てくる
どうやら戦争映画のような動画も検索画面にでている
「これ?」
と彼に見せると
「そう、これ!この映画すごくいい映画なんだよ
 人を殺したくないと思っていた人が戦争に呼び出されて、自分は銃を持たないで戦って
 崖から落ちそうになって(?)いた傷ついた人を敵味方関係なく助けたんだよ」

この他もう少し細かく説明があったが残念ながら忘れてしまった
ただ、そのとき驚きを覚えたことははっきりと覚えている
彼はその映画を良いものと感じている
そこで示された人の命に対してどう向かい合うべきか、、とか
自分の信念と社会の関係をどう考えるべきか、、
そういったものを直感的に重要なものとして感じているようで、つい
「彼は子どもなのか大人なのか?
 6年生はこのようなことまで考えるものなのだろうか?」
と考えてしまった
と同時に、この感性を持っているのが彼の個性であるならば、
それを大事にしなくては、彼のためにも社会のためにもならない、、と自覚した

それで彼が本来持っていると思われる優しい面を伸ばすように
「君は全然ここでは勉強に集中できないけど、本当は良い感性を持っている
 それを活かさないと勿体無いよ」
と分別くさく言ってみたが、特に反応はなく
その言葉は彼の耳を素通りしただけのように思われた

でも、人の記憶は何が残っているかはわからない
忘れているようなことでもちゃんと心の奥に残っていることがある
彼が感じたヒューマニズムを、それで良しとする人間がいたということを
覚えておいてほしいと思うのだった

でも、昨日の勉強は、、、全然進まなかったな、、、

 

コメント (2)
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