パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

困ったものだ!

2008年06月29日 10時35分18秒 | Weblog
「面白かった。しかし、困った!」が 
広瀬 隆著 「持丸長者」幕末、維新編(ダイヤモンド社刊)

何に困ったかと言えば、出てくる人の名前とその素性
そして閨閥がなかなか覚えられないこと

結局、通して感じたのは
みんなどこかで繋がっている
という当たり前の事実

浅井長政、源頼朝、武田信玄、清和天皇などなど
よくもまあ調べ上げたと言うべきか
しかし、全部が全部この出身からの理屈で進められるのも
若干疑問は残らないでもないが、、、

確かに今までの歴史は政権の立場から書かれていた
江戸時代から明治など典型的だが
広瀬氏の言う様に、経済の立場から
そして庶民の立場からのものも重要視すべきだろう

勝てば官軍
この勝ったもの勝ち、みたいな
少し軽蔑の意味が含まれる言葉
これはその時代を生きた人たちの正直な感想で
明治政府の成り立ちやその運営が
教科書に書かれている程清潔であったり
理想に燃えていたものではないことを示す

つまりドサクサにまぎれて結構あくどいことを
(中央政府の情報をつかんで)
やって、バレなかったり運がよかったものが成功している

後になって、成功の秘訣はひたむきに努力した様に残されているが
今の政治の有り様を見ていると
正しい人間が真っ当に努力したというより
上昇志向の強い人間がいろんな手を使って
強引にその地位を手にした
と考える方がリアリティーがある

食品偽装、粉飾決算、人材派遣での人件費カット
それら法律に触れる様なことを
平気でできる人間が残念ながら一時的にしろ
その社会を動かす立場にいることができる

まじめだけでは、実はどの時代もトップまでは行けない
「水清ければ魚住まず」
悪事を行う様な人は、ある意味バイタリティーに
あふれているということなのだろう

年を重ねてくると物事はなかなか理想通りには行かず
神の見えざる手が調和を、、、等とは
容易に信じがたいが
それでも、基本的には普通の人が普通に努力して
普通に暮らしていける様になればと思うのだが
金という魔物に取り付かれてしまうと
そんなにお気楽には考えられのかもしれない
困ったものだ
コメント
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