DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(48)

2015-05-28 16:00:42 | ButsuButsu


生きるために、食べることは重要なことだ。

しかし、何を食べるかは、もっと重要なのかもしれない。

そこには、嗜好とか選択とかが働く。

人間の文化は、

何を、どのようにして、食べるのかで進歩を遂げてきた気がする。

例えば、「養う」という漢字は、「羊を食べる」と書く。

羊を食べることが、「家族を養う」ことを意味していた時代の名残である。

「割烹」の「割」は、「肉を割く」ことを意味している。

肉を上手に割いて調理するということは、皇帝に献上する上品な食事だったのだ。

したがって、食にこだわりを持たないのは、文化を知らないことでもある。



浦先生にゴチになったタイラギという貝も、見た目ではわからないほど美味だった。

これは、高級食材らしい。

「生きる」ということは「食べる」ということであり、この日常的な行為が人間に「文化」をもたらした。

だから、日本人が日本の文化を維持するためには、日本食にこだわりを持って食べ続けることだ。

そういう意味で、私はTPPに反対している。

画一的な食材や、スタンダードな調理法からは、うまい食は生まれないし、文化は向上しないからだ。

ほぼ毎週東京に来て外食を強いられている人間にとって、この地の食が私を文化から隔離し始めている。

困ったことだ。

私たちは、とても大切なことを失いつつある。