トバさんが痴ほう症で亡くなって4年たつのだろうか。
古い友人のリチャードが、新しい伴侶を見つけた。
ドローシーさんだ。
68歳になるリチャードにとって、彼女の存在は特別なのだろう。
リチャードには二人の息子がいる。
二人とも、リチャードを見下ろすくらいにでかい。
そんな家に泊めてもらったのは2011年の秋だった。
3人の巨人が暮らす家は、寒気がするくらい殺風景だった。
「新しい奥さんをもらった方がいいよ」と思わず彼に忠告してしまった。
余計なことだったかな、と思わなくもなかった。
しかし、その言葉が引き金だったのかどうかは知らないが、突然、アツアツの写真を送ってきた。
ようやく彼も落ち着いたのだろう。
前妻のトバさんにも会ったことがあるが、長い間、病気だった彼女をリチャードはよく面倒見ていた。
ひげ面の見かけによらず、心のやさしい男である。
残りの人生、ドローシーさんと仲良く暮らしてほしいと思う。
まずは、おめでとう、リチャード。
楽しく生きてほしい。
君の第二の人生だよ。