アマチュア無線局 JH0FHB

25年越しの14MHz SSB無線機の製作

50MHz AM/SSB受信機の復活を目指して その66

2017年09月22日 | 50MHz AM/SSB受信機

<Sメーター増幅回路の実験>
【2017.09.22】
その62」でSメーター回路の改善策について取り上げたのが、8月30日だった。
あっという間に20日以上が経過したが、本日までの経過を紹介したいと思う。
【トランジスタのhFEの変動】
トランジスタのhFE(直流電流増幅率)については、「その63」で取り上げ「その65」では測定治具の製作について紹介した。

トランジスタのhFEは、変動しやすいと言われているが測定治具の製作を機に検証してみた。
高温での変動
実験台になるトランジスタは、2SC839で室温23.8℃の部屋で測定したhFEの値は165だった。
ドライヤーで部品を加熱すること約30秒、hFEは195まで上昇した。
低温での変動
ホームセンターで市販されている「エアーダスター」で部品を冷やし、更に冷蔵庫の冷凍庫に部品を入れること約5分、hFEは150に低下した。
私が実験した2SC839のhFEは、高温では上昇し低温では低下する。低温の影響は高温に比較し少ないと言える。
上記の実験結果は、あくまでも私の手持ちのトランジスタ1個についての事で有る。
他のトランジスタは、試して見なければ分からない。
【トランジスタ1石の増幅器】
最初に試した回路が、下の図でエミッタ接地増幅回路と言われる回路である。
1石の増幅回路としては、最もシンプルなもので固定バイアス方式と言う。

この回路で増幅しようとする信号の周波数は10.7MHzで下図の「AMP」の位置に挿入する。

結果はSメーターの振れは良くなるが、LA1201の⑤ピンへ入る信号レベルが下がり、受信音が約8dB~9dB低下してしまう。(残念)
【ではどうすれば良いか】
下図の様に、2SC839のエミッタに抵抗(RE 1KΩ)を入れる事で受信音の低下は改善される。

受信音が小さくなる現象は改善されるが、今度は増幅度が小さくなりSメーターの振れは悪くなる。
そこで、2段目の増幅回路の登場となり、更に3段増目の増幅回路まで増設して良好な結果を得ることができた。
【ブレッドボードでの実験風景】


【固定バイアスは不安定と言われるが・・】
3段増幅回路の全てを固定バイアス方式で組んだ為、温度変化等による安定度が心配だ。
前述の通り、トランジスタのhFEは変動し易い。
私は、以下の検証を行った。
ブレッドボードごと冷凍庫に放り込んで、冷却して変化が無いか確認した。
更に、ドライヤーで加熱して変化が無いか確認した。
結果は、実用上問題が無いと判断できるレベルだった。
現時点では、未だ実験段階だが今までとは打って変わってSSB信号によってSメーターが快適に振れる様になった。
【小さな達成感と小さな喜び】
この受信機は約30年前に雑誌の製作記事を見て製作したことが始まりだ。
今となっては、その当時の製作記事も無くなってしまい設計者が誰なのかも分からないが、最初からSSB受信時のSメーターの振れには問題が有った。
何度も壁にぶち当たりながら自分で考え実験を繰り返し、記録をとり続けて漸くここに至った。
約30年の歳月を経て、一つの苦悩から解放されそうである。

次回は、この回路をユニバーサル基板上に製作して確認してみようと思う。
無事に動くといいのだが・・・

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