アマチュア無線局 JH0FHB

25年越しの14MHz SSB無線機の製作

50MHz AM/SSB受信機の復活を目指して その45

2017年04月24日 | 50MHz AM/SSB受信機

どこから難解になるのか
【2017.04.28】
電気回路は、コイルとコンデンサが登場するとたちまち難解になる。
理解しようと思い、参考書やネットで調べても難解な数式が次から次へと出てきて戦意喪失。
オームの法則から出発した「電気回路の研究の旅」は、一体どこで分からなくなるのか?
私の経験から、今回はその一例を紹介することとした。
まずは下の図を見て頂きたい。


V1は周波数が60Hzで電圧が100Vp-pの正弦波交流で、閉回路にはL1のコイル(0.4H)とR1(200Ω)が存在する。
【比較的理解が容易な部分】
1.L1とR1には同じ電圧が印加される。
2.R1に流れる電流iR1は、オームの法則 E=I・Rにより算出できる。(iR1=0.5A)
【やや難解な部分】
3.L1はコイルなので交流に対しては誘導リアクタンスと呼ばれる、周波数に応じた抵抗作用(XL1)
が発生する。(XL1≒150Ω)
4.誘導リアクタンス XL(Ω)が分かれば、L1に流れる電流iL1はオームの法則 E=I・Rにより算出できる。(iL1=0.667A)
【難解な部分】
5.回路電流Iは、キルヒホッフの法則を当てはめるとiL1+iR1のはずだが、単純な足し算ではできない
 
さて、上記No1~No4までについて補足説明させて頂く。
1.L1とR1は並列接続なので、各部品の端子には同じ電圧が印加される。
2.R1に流れる電流iR1=E/R1なのでiR=100÷200=0.5Aとなる。
3.L1の誘導リアクタンスXL=2πfLなのでXL=2×3.14×60×0.4≒150Ωとなる。
4.L1に流れる電流iL1=E/XLなのでIL1=100÷150=0.667Aとなる。

上記の1~4の計算により、IR1=0.5A、IL1=0.667Aと言う結果が出た。
だとすれば総合電流I(A)は0.5A+0.667A=1.167Aではないのか?
だが、実際には総合電流は0.83Aになる。

これでは0.5+0.667=0.83?と言われたようなものでさっぱり分からなくなる。

何故、簡単な足し算では計算できないのか?
それは、抵抗R1に流れる電流とコイルL1に流れる電流に位相のズレが有る為で、以下の計算式に当てはめる。
I=√IR2+iL2         I=√(0.5×0.5)+(0.667×0.667)≒0.83A

簡単な説明で、面白そうな内容にするつもりが・・・
結局、冒頭に述べた「数式が次から次へと出てくる内容」になってしまった。
同じ疑問を抱いた方の参考になれば幸いでございます。

本稿続く・・・

コメント
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