アマチュア無線局 JH0FHB

25年越しの14MHz SSB無線機の製作

50MHz AM/SSB受信機の復活を目指して その63

2017年09月06日 | 50MHz AM/SSB受信機

<Sメーター増幅回路>
【2017.09.06】
受信機のSメーターを、40dBμVemfの入力信号で「9」まで振らせたい。
その為に、下図の様にSメーター回路の手前にトランジスタを使った増幅器を挿入することを考えている。
これから一つ一つ実験を重ねて回路を考えて行くこととする。

【実験に使用する主なトランジスタ】
下の写真は左から2SC1815、2SC458、2SC945である。
各トランジスタの足は3本で、写真左の足がE(エミッタ)、中央の足がC(コレクタ)、右側の足がB(ベース)と呼ばれている。
このトランジスタの極性を覚える方法に、向かって左側の足から順にECBを「エクボ」と読む方法は有名である。


【トランジスタの構造】
今回の実験に使用するトランジスタは「NPN型」と呼ばれているもので内部構造は、下図の様にダイオードが2本入っている様な構造となっている。
テスターで順方向特性を確認すれば、トランジスタが生きているか死んでいるかの判断がつく。

上掲の内部構造を眺めていると、ダイオードが2本有ればトランジスタが自作できるのではないかと思えてくる。
それと、実際の動作で理解に苦しむのは、コレクタからエミッタに向かって流れる電流(コレクタ電流)はダイオードの逆方向に流れると言う事である。
この辺りの解説は教科書やネットで検索可能だが、私は今一つ明確なイメージが持てないでいる。
【直流電流増幅率 (hfe)】
hfe:コレクタ電流は、ベース電流の何倍か?と言う意味。
トランジスタ式増幅器の実験には、この値を知る必要が有る。
【hfeの測定】
私の使用するアナログ式のテスターは1988年に購入して以来、一度も故障する事も無く元気に働いており、このテスターにはhfeの測定端子が付いている。


このhfe測定端子を使用する為には、付属の専用のテストリードが必要なのだが見当たらない。
もしかしたら実家に有るのかも知れないが、これを機にhfeの測定方法を研究してみる事とした。
【hfeの測定方法】
アナログテスターのhfe端子に出力される電圧を測定してみると、DC4.65Vだった。
私は、この4.65Vの中の0.65Vと言う値に直感するものが有った。
それは、トランジスタのベース・エミッタ間の電圧である。
殆どのトランジスタのベース・エミッタ間の電圧は約0.6V~0.7V程度と決まっている。
0.65Vは、その中間の電圧である。
この0.65Vはベース・エミッタ間の電圧を意味するのではないか?
そこで私は、下図の様な回路を考えてみた。

ベース・エミッタ間の電圧0.65Vは、どんなトランジスタでも殆ど同じである。
(上図の0.65Vで示した部分)
電源電圧が4.65Vだった場合、上図のベースから上側の部分の電圧は4.65-0.65=4.0Vとなる。
この4.0Vの部分に400KΩの抵抗を入れると、この抵抗に流れる電流は4V÷400KΩ=10μAとなる。
この10μAがベース電流で、トランジスタを変えても10μAは変わらない。
ベース電流が10μAの時のコレクタ電流を測定して何倍かを計算した値がhfeである。
私は、2SC1815-Yを使って上図の回路を組んで実験してみた。
コレクタに挿入した1Ωの抵抗は、この抵抗の両端の電圧を測定する事でコレクタ電流を確認する為のもので有る。
【実験結果】
ベース電流は、前述の通り10μA
コレクタ電流は、1Ωの両端の電圧が1.9mVだったので1.9mV÷1Ω=1.9mA
hfe=1.9mA÷10μA=190
【アナログテスターでの検証】
実験結果では、この2SC1815-Yのhfeは190と出た。
メーカーのカタログ値では120~240となっているから、まあまあの測定結果と言える。
次に、長年愛用しているアナログテスター使って確認してみる事とした。
hfe試験用のテストリードが無い為、トランジスタのベース・コレクタ間に400KΩの抵抗を挿入して測定してみると、アナログメーターの針は190を指した。

この値は、前述の実験結果と一致する。
この値がどの程度正確なものかは分からないが、目安にはなるだろう。
今回の実験はブレッドボードを使ったが、hfe測定冶具を製作してみたく
なった。
トランジスタはソケットに差し込むだけの簡単なものにする。
できれば、NPNとPNPをスイッチで切り替えられる仕組みにしたい。
Sメータ増幅回路の製作なんて、まだまだ先の話である。

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