普請道楽

建築家との普請の記録のためのブログ。
しかしすでに家も建ち、今では徒然なるまま感じたことを書く「日日雑記」であります。

アドレナリンを感じた日

2009-08-13 00:45:47 | ジテンコ
先週の日曜日、ついにジテンコ人生、初の公式戦に参戦した。



ツールド妻有、新潟は十日町を中心に山岳地帯を120キロ走る。
標高差の合計は、2000メートル!

ただでさえそれを走りきるのは、山岳地帯などほとんど経験のない僕にとっては、大変なことである。
しかし今回、なんと道に迷い20キロも余分に走ったのだった。
つまり山岳地帯を140キロ、ペダルを踏み続けたのである。

迷ったのは90キロ付近。
曲がり角には、大抵、人がたっているのに、なぜか僕の迷った地点には人はいなかった。
そこをただ道なりに進んだところ、これが間違っていた。
間違いに気づいたのは、下り坂をガンガンとばして10キロほど走ったあと。
かなり大きな交差点にぶつかったのだが、標識も人も、なーんにもない。
やってしまった・・・、とすぐに引き返す。
今度は上り坂を必死で引き返す。

コースに戻ったときには、すでに最後尾。
そりゃそうだ、20キロもロスってるんだもの。
ゴールまでは30キロ、しかもゴール締め切りまでは1時間あまり。
山岳では上りでは時速5キロくらいになってしまう。
いくら下りでかせいでも、ならしてしまえば、せいぜい平均時速は20キロ前後。
普通なら間に合わない。
しかし投げた終わりだと、そこからは、踏んで、踏んで、踏みまくった。

もうすでにこの時点で、激坂を幾つも超えてきている。
普通の状態なら踏める足は残っていない。
しかし体中を高濃度アドレナリンが駆けめぐり、なぜだかガンガン踏める。

ゴールまで残り20キロで、最後の激坂に挑む。
正直しんどいが、ここでヘタったら回収車に乗せられてしまうと意地で踏んだ。
登り切ると、大会運営ボランティアのお兄さんが、声をかけてくれた。
「ここから先は、屁みたいなもんです、ゴール、行きましょう!」

残り5キロ、ゲリラ豪雨に見舞われる中、下り坂をとばしまくる。
ここで水たまりにタイヤをとられ、落車。
路面に肩から激突、肘と膝を擦りむく。
それでも、すぐに走り始めた。
アドレナリンの大量分泌のせいか、痛みは全くなし、しかもすぐに血が凝固する。

そして奇跡は起きた。
締め切り時間の17時きっかり。
どしゃぶりの中、たった一人でゴールした。

まあ自業自得な訳だけど、このゴールは感動もんでした。
アドレナリンを体感し、誰の助けも借りず、独力で走りきった。
しかもどんな激坂であっても、一度も足を着かなかった。

大きな経験値と、小さな自信を手に入れた思い出深い1日であった。