僕の通う英会話教室でこんなことがありました。
そこの講師の一人であるアメリカ人の方が、
「日本では『青』と『緑』を同じに扱ってるってのは本当かい?」
みたいな(あくまでも、みたいな)ことを言いました。
「あ~、昔の方は特にそうですね」
と言ったのですが、それだけでは充分伝わるわけがありません。
そこで、日本にある「あお」と言う意味を含む漢字を幾つか挙げ、
「『青』と『緑』を混同している」
のではなく、
「『青』と言う範疇が広い」
ことをそりゃもう必死に解説しました。
まあ、何とか伝えられたのですが、問題は同じクラスの同じ年齢の人間二人が
「へー、知らなかったー」
みたいな顔をしていたことです。
そりゃあ、僕の挙げた漢字は普通使わないようなものもありましたし、それを知らんでも問題はありません。
しかし、問題は「青」に対する日本人の感性に対してその二人が疎かったことです。
日本人てのは色に対する感性が非常に鋭い民族です。
それなのに、これでは余りに勿体無い!
そこで、折角ですのでその時言った内容をここに書き直してみようと思います。
僕自身それ程色に詳しいわけではなく、むしろその漢字を知っていただけですので、それ程難しくはならないはずです。
最初に、「青」です。
要するに、最も一般的な青です。
「青」っつったらこれ。それぐらい分かりやすい色です。
「青」全般を指す広義な色でもあります。
英語で言うなら、「ブルー」ですね。分かりやすい。
次に、「藍」です。
これも解説は不要でしょう。要するに「藍色」です。
濃い青と言っては少し御幣がありますが、分かりやすい言い回しだとそうなります。
英語で言うなら、「ネイビー」ですね。
次に、「蒼」です。
「古色蒼然」とか「蒼穹」と言った言葉で使われます。ちょっとマイナーな色になりました。
「蒼穹」とは「青い空」と言う意味です。
つまり、「蒼」には「空の青」と言う意味が含まれています。
しかし、「蒼」は緑の要素も含んでいます。
「古色蒼然」は丁度それですね。
なので非常に扱いづらい色です。
抜けるような青い色であり、且つ落ち着いた印象を持つ、緑を含んだ荘厳な青い色でもあるわけです。
英語で言えば、最も適当なのは「スカイブルー」でしょう。少し疑問は残りますが。
次に、「碧」です。
「みどり」と読む場合の方が多いんじゃないでしょうか。しかし、「あお」と言う訓読みもあります。
まさに「青緑」ですね。単純にそうではありませんが。
「金髪碧眼」と言えばイメージしやすいはずです。
もしくは、「紺碧の海」でもいいでしょう。
英語で言えば、「エメラルドグリーン」が一番近いでしょう。
これが日本人の感性を伝えるのに一番分かりやすいのではないでしょうか。
段々マニアックになってきましたが、もう少し我慢してください。残り二色です
次に、「翠」です。
これはもう殆ど「みどり」ですね。
しかし「あお」と言う意味合いも残っています。
宝石の色を示すのに使われたりする漢字です。「翡翠(ヒスイ)」がいい例。
また、転じて「ヒスイ」のような青緑色も指します。
どちらかと言うと、山・草などの大地に関わるものを表すことが多いです。
英語では……もう分かりません。
最後に、「黛」です。
音読みは「タイ」ですが、訓読みは「まゆずみ」です。
「まゆずみ」とはその響きの通り、「化粧の時に眉を染める墨」のことです。
だから「黛」はほぼ黒いわけです。
しかし、「黛」の意味はあくまでも「青黒い色」です。
これにも「青」と言う意味合いが含まれています。
「黛青」と言う言葉があります。
これは、遠い山々の青々とした様子を表す言葉です。
目を閉じて、木々の生い茂った遠い山々を想像してください。
その色が、「黛青」です。
英語ではなんと言うか全く分かりません。
とまあ、六色書いてきたわけですが、これらは全て「青」の範疇に入ります。
解釈のしようによっては「緑」に入ってしまうものもありますが、一応「青」のポテンシャルは持っています。
これはあくまでも僕の知識の範囲内なので、本当はこんなものではありません。
もっと遥かに多くの「青」が存在します。
赤一つとっても、「赤色」「緋色」「紅色」「朱色」「丹(に)」など、沢山あるわけです。
そんだけ色に対する感性が深い民族なんですから、是非とも色を繊細に見てください。
色のプロフェッショナルでなくとも、それなりに味わい深いですよ。
ちなみに、これらをアメリカの方に説明するに際して何に一番疲れたかと言うと、これらの英語での表現です。
殆ど全部が「ブルー」ですからね。「黛」まで来るとどうしようもありませんでした。
日本人相手だと「目を閉じて想像してください」と言えるからまだマシなんですがね……。
そこの講師の一人であるアメリカ人の方が、
「日本では『青』と『緑』を同じに扱ってるってのは本当かい?」
みたいな(あくまでも、みたいな)ことを言いました。
「あ~、昔の方は特にそうですね」
と言ったのですが、それだけでは充分伝わるわけがありません。
そこで、日本にある「あお」と言う意味を含む漢字を幾つか挙げ、
「『青』と『緑』を混同している」
のではなく、
「『青』と言う範疇が広い」
ことをそりゃもう必死に解説しました。
まあ、何とか伝えられたのですが、問題は同じクラスの同じ年齢の人間二人が
「へー、知らなかったー」
みたいな顔をしていたことです。
そりゃあ、僕の挙げた漢字は普通使わないようなものもありましたし、それを知らんでも問題はありません。
しかし、問題は「青」に対する日本人の感性に対してその二人が疎かったことです。
日本人てのは色に対する感性が非常に鋭い民族です。
それなのに、これでは余りに勿体無い!
そこで、折角ですのでその時言った内容をここに書き直してみようと思います。
僕自身それ程色に詳しいわけではなく、むしろその漢字を知っていただけですので、それ程難しくはならないはずです。
最初に、「青」です。
要するに、最も一般的な青です。
「青」っつったらこれ。それぐらい分かりやすい色です。
「青」全般を指す広義な色でもあります。
英語で言うなら、「ブルー」ですね。分かりやすい。
次に、「藍」です。
これも解説は不要でしょう。要するに「藍色」です。
濃い青と言っては少し御幣がありますが、分かりやすい言い回しだとそうなります。
英語で言うなら、「ネイビー」ですね。
次に、「蒼」です。
「古色蒼然」とか「蒼穹」と言った言葉で使われます。ちょっとマイナーな色になりました。
「蒼穹」とは「青い空」と言う意味です。
つまり、「蒼」には「空の青」と言う意味が含まれています。
しかし、「蒼」は緑の要素も含んでいます。
「古色蒼然」は丁度それですね。
なので非常に扱いづらい色です。
抜けるような青い色であり、且つ落ち着いた印象を持つ、緑を含んだ荘厳な青い色でもあるわけです。
英語で言えば、最も適当なのは「スカイブルー」でしょう。少し疑問は残りますが。
次に、「碧」です。
「みどり」と読む場合の方が多いんじゃないでしょうか。しかし、「あお」と言う訓読みもあります。
まさに「青緑」ですね。単純にそうではありませんが。
「金髪碧眼」と言えばイメージしやすいはずです。
もしくは、「紺碧の海」でもいいでしょう。
英語で言えば、「エメラルドグリーン」が一番近いでしょう。
これが日本人の感性を伝えるのに一番分かりやすいのではないでしょうか。
段々マニアックになってきましたが、もう少し我慢してください。残り二色です
次に、「翠」です。
これはもう殆ど「みどり」ですね。
しかし「あお」と言う意味合いも残っています。
宝石の色を示すのに使われたりする漢字です。「翡翠(ヒスイ)」がいい例。
また、転じて「ヒスイ」のような青緑色も指します。
どちらかと言うと、山・草などの大地に関わるものを表すことが多いです。
英語では……もう分かりません。
最後に、「黛」です。
音読みは「タイ」ですが、訓読みは「まゆずみ」です。
「まゆずみ」とはその響きの通り、「化粧の時に眉を染める墨」のことです。
だから「黛」はほぼ黒いわけです。
しかし、「黛」の意味はあくまでも「青黒い色」です。
これにも「青」と言う意味合いが含まれています。
「黛青」と言う言葉があります。
これは、遠い山々の青々とした様子を表す言葉です。
目を閉じて、木々の生い茂った遠い山々を想像してください。
その色が、「黛青」です。
英語ではなんと言うか全く分かりません。
とまあ、六色書いてきたわけですが、これらは全て「青」の範疇に入ります。
解釈のしようによっては「緑」に入ってしまうものもありますが、一応「青」のポテンシャルは持っています。
これはあくまでも僕の知識の範囲内なので、本当はこんなものではありません。
もっと遥かに多くの「青」が存在します。
赤一つとっても、「赤色」「緋色」「紅色」「朱色」「丹(に)」など、沢山あるわけです。
そんだけ色に対する感性が深い民族なんですから、是非とも色を繊細に見てください。
色のプロフェッショナルでなくとも、それなりに味わい深いですよ。
ちなみに、これらをアメリカの方に説明するに際して何に一番疲れたかと言うと、これらの英語での表現です。
殆ど全部が「ブルー」ですからね。「黛」まで来るとどうしようもありませんでした。
日本人相手だと「目を閉じて想像してください」と言えるからまだマシなんですがね……。
好きじゃ。
あと、「藍」は「indigo」っちゅうのも
あるぞ。