昨日の課題は無事終わりました。
はいそこ、「なんだつまんねーの」とか言わない。
と言うわけで、昨日書くつもりだった「貿易ゲーム」について書こうと思います。
「貿易ゲーム」とは、その名の通り擬似貿易による学習です。
4~5人のグループに分かれ、更に2人組のグループを一つ作る。
2人組は「マーケット」つまり市場になります。
そして、他のグループはいわゆる「国」になります。
それぞれのグループには、一つずつ封筒が渡されます。
このゲームでは、その封筒に入っているものしか使わないと言うのが大原則。
自前の何かは一切使えません。
では、封筒には何が入っているのか。
うちのグループの場合は
○小クリップ6個
○定規一本(目盛り付)
○鉛筆一本
○はさみ二個
○紙一枚
○赤シール六枚
でした。
小クリップは一個100ドル・大クリップは一個1000ドル相当です。
そして、「3×7cmの長方形三枚で300ドル」などと言った価格が設定されています。
つまり、自分たちの持ち物で「製品」を作り、それを「マーケット」に売りに行き、最後にどれだけ利益が出せるかを競うゲームな訳です。
その他のルールは、
○先生が勝手に追加ルールを課すことがある
○暴力(戦争)は禁止
○他は何でもあり
と言うのがあります。
他は何でもあり。つまり、同盟組もうが取引しようが勝手なのです。
単に製品を作ればいいと言うゲームではないと言うことです。
驚くべきは帰化した奴が一名いた事ですけどね。
先生の予想を超えていたそうな。
グループは全部で5つありました。
それぞれ、A・B・C1・C2・Dとします。(うちはBです)
これらについて少し解説しておくと、
A→紙が少し・クリップ沢山・定規・分度器・鉛筆・はさみなど
B→さっき書いたとおり
C1・C2→紙が大量にある・クリップほぼ皆無・定規など無し
D→紙一枚と鉛筆一本のみ
と言う状況でした。
そして、製品の中でも高いのは「半円三枚」と「円形三枚」です。
勿論これらを作るのには分度器が必須です。
次に高いのは「正三角形三枚」だったのですが、これは工夫次第で定規と鉛筆さえあれば作ることが出来ます。
うちのグループに思いついてくれた奴がいました。
人材やノウハウの大切さが身にしみる……。
さて、ここまで書けば大体このゲームの意味が分かってくると思います。
要するに、
A→先進国(日本・アメリカ)
B→開発途上国(インド・中国)
C1・2→資源が豊富な途上国(アラブの産油国)
D→後発開発途上国(サハラ以南の国々)
と言うわけです。
更に封筒の中身について言えば、
クリップ→資本
はさみ→工場
鉛筆→工場
定規→技術
分度器→先進技術
紙→資源
赤シール→???
となります。(赤シールについてはまた後で。)
では、今回の授業ではどんなことが起こったか。
まずC2が大奮闘を見せました。
何をしたかと言うと、資源を提供してC2が販売する代わり、利益の一部をもらうと言う同盟をA国と結んだのです。
A国の難点は、人件費が高い事でした。
マーケットに売る際、人件費として200ドルが減らされるのです。
しかし、販売をC2に任せると、それが浮きます。
安い人件費で製品を作れるということですね。
次に、D国とC1が同盟を結びました。
互いの物資を共有する代わりに、最後の利益も山分けしようというものでした。
終わってからの振り返りで、C1の人が「よく考えたら山分けだと損しただけだったかも」と反省点を述べていましたが。
では、B国は何をしたか。
考えるべきは、はさみ二本の使い道でした。
一本は自分たちのために使うとして、後一本をどうしようかと考えました。
すると、D国が「貸してほしい」と話を持ちかけてきました。
その時はまだD国は同盟を結んでいません。
D国にしてみれば、製品を作るのにはさみは必要な物資です。
こちらもそれを把握していますから、条件を色々考えます。
それの最中、丁度先生からの追加ルールが発表されました。
「A及びBグループのみある情報が知らされる」
その情報とは、
「5分後に長方形の値段が下落する」
と言うものでした。
それを踏まえ、僕達が出した条件はこれです。
「元手として100ドル下さい。その代わり、はさみと長方形の型紙を貸します。そして、それによって利益が出たら、その内500ドルを下さい。そうしたら、はさみも型紙もあげます。ただし出せなかったら、全て返して下さい。」
汚い契約ですね。こっちにしてみれば、「長方形で500ドルの利益を出す事はほぼ不可能」と言うことを把握しているのですから、数分間はさみを失う代わりに100ドルを得られるわけです。
アコギですね。シビアですね。
ところがどっこい、俺達はバカだった。
時間制約を忘れていたんです。
「~分までに500ドルかはさみを渡せよ」
とでもしておけばよかったのですが、それを忘れていた。
結局、
「ちょっと待って」
と言われ続け、C1と同盟を組んだお陰で何とか500ドルの利益を作成。
それを支払って一件落着。
今回のゲーム最大の反省点です。
あれによる機会損失は計り知れない……。
もっとはやく先生(国際司法にあたる役割)に相談すればよかった……。
さて、赤いシールはなんだったのか。
言わばレアメタル、日本語で言うなら「希少金属」です。
それを製品に貼ると、なんと値段が五倍になりました。
ところがその情報はA国のみが教えてもらえたものでした。
しかも、裏ルールで「A国以外は貼っても無意味」とされていました。
これが意味するのは、「情報格差」です。
価値を知らないと、たとえダイヤでも石ころなわけです。
A国のみが赤シールの価値を知る事ができた。そうしたハンデの表れです。
格差について身を以て知りました。
「平等な市場」と豪語しつつも、その元手にはどうしようもない差が存在する。
裏ルールによって「A国以外は厳しく製品のチェックをする」と言うハンデもありました。
こんなので平等も糞もありませんよ。
結果もそれをよく表していました。
A→20000ドル以上
B→5000ドル弱
C1→3000ドル弱
C2→10000ドルちょっと
D→C1と同じ
ちなみに、振り返りの授業で先生が教えた他の工夫としてC1とC2の同盟がありました。
資源を独占し、それによって利益を得ると言う方法です。カルテルです。
現実世界で言うとOPECと言うことですね。
このゲーム、かなり奥が深いです。
来週には「累積債務貿易ゲーム」とやらをやるそうで……。
はいそこ、「なんだつまんねーの」とか言わない。
と言うわけで、昨日書くつもりだった「貿易ゲーム」について書こうと思います。
「貿易ゲーム」とは、その名の通り擬似貿易による学習です。
4~5人のグループに分かれ、更に2人組のグループを一つ作る。
2人組は「マーケット」つまり市場になります。
そして、他のグループはいわゆる「国」になります。
それぞれのグループには、一つずつ封筒が渡されます。
このゲームでは、その封筒に入っているものしか使わないと言うのが大原則。
自前の何かは一切使えません。
では、封筒には何が入っているのか。
うちのグループの場合は
○小クリップ6個
○定規一本(目盛り付)
○鉛筆一本
○はさみ二個
○紙一枚
○赤シール六枚
でした。
小クリップは一個100ドル・大クリップは一個1000ドル相当です。
そして、「3×7cmの長方形三枚で300ドル」などと言った価格が設定されています。
つまり、自分たちの持ち物で「製品」を作り、それを「マーケット」に売りに行き、最後にどれだけ利益が出せるかを競うゲームな訳です。
その他のルールは、
○先生が勝手に追加ルールを課すことがある
○暴力(戦争)は禁止
○他は何でもあり
と言うのがあります。
他は何でもあり。つまり、同盟組もうが取引しようが勝手なのです。
単に製品を作ればいいと言うゲームではないと言うことです。
驚くべきは帰化した奴が一名いた事ですけどね。
先生の予想を超えていたそうな。
グループは全部で5つありました。
それぞれ、A・B・C1・C2・Dとします。(うちはBです)
これらについて少し解説しておくと、
A→紙が少し・クリップ沢山・定規・分度器・鉛筆・はさみなど
B→さっき書いたとおり
C1・C2→紙が大量にある・クリップほぼ皆無・定規など無し
D→紙一枚と鉛筆一本のみ
と言う状況でした。
そして、製品の中でも高いのは「半円三枚」と「円形三枚」です。
勿論これらを作るのには分度器が必須です。
次に高いのは「正三角形三枚」だったのですが、これは工夫次第で定規と鉛筆さえあれば作ることが出来ます。
うちのグループに思いついてくれた奴がいました。
人材やノウハウの大切さが身にしみる……。
さて、ここまで書けば大体このゲームの意味が分かってくると思います。
要するに、
A→先進国(日本・アメリカ)
B→開発途上国(インド・中国)
C1・2→資源が豊富な途上国(アラブの産油国)
D→後発開発途上国(サハラ以南の国々)
と言うわけです。
更に封筒の中身について言えば、
クリップ→資本
はさみ→工場
鉛筆→工場
定規→技術
分度器→先進技術
紙→資源
赤シール→???
となります。(赤シールについてはまた後で。)
では、今回の授業ではどんなことが起こったか。
まずC2が大奮闘を見せました。
何をしたかと言うと、資源を提供してC2が販売する代わり、利益の一部をもらうと言う同盟をA国と結んだのです。
A国の難点は、人件費が高い事でした。
マーケットに売る際、人件費として200ドルが減らされるのです。
しかし、販売をC2に任せると、それが浮きます。
安い人件費で製品を作れるということですね。
次に、D国とC1が同盟を結びました。
互いの物資を共有する代わりに、最後の利益も山分けしようというものでした。
終わってからの振り返りで、C1の人が「よく考えたら山分けだと損しただけだったかも」と反省点を述べていましたが。
では、B国は何をしたか。
考えるべきは、はさみ二本の使い道でした。
一本は自分たちのために使うとして、後一本をどうしようかと考えました。
すると、D国が「貸してほしい」と話を持ちかけてきました。
その時はまだD国は同盟を結んでいません。
D国にしてみれば、製品を作るのにはさみは必要な物資です。
こちらもそれを把握していますから、条件を色々考えます。
それの最中、丁度先生からの追加ルールが発表されました。
「A及びBグループのみある情報が知らされる」
その情報とは、
「5分後に長方形の値段が下落する」
と言うものでした。
それを踏まえ、僕達が出した条件はこれです。
「元手として100ドル下さい。その代わり、はさみと長方形の型紙を貸します。そして、それによって利益が出たら、その内500ドルを下さい。そうしたら、はさみも型紙もあげます。ただし出せなかったら、全て返して下さい。」
汚い契約ですね。こっちにしてみれば、「長方形で500ドルの利益を出す事はほぼ不可能」と言うことを把握しているのですから、数分間はさみを失う代わりに100ドルを得られるわけです。
アコギですね。シビアですね。
ところがどっこい、俺達はバカだった。
時間制約を忘れていたんです。
「~分までに500ドルかはさみを渡せよ」
とでもしておけばよかったのですが、それを忘れていた。
結局、
「ちょっと待って」
と言われ続け、C1と同盟を組んだお陰で何とか500ドルの利益を作成。
それを支払って一件落着。
今回のゲーム最大の反省点です。
あれによる機会損失は計り知れない……。
もっとはやく先生(国際司法にあたる役割)に相談すればよかった……。
さて、赤いシールはなんだったのか。
言わばレアメタル、日本語で言うなら「希少金属」です。
それを製品に貼ると、なんと値段が五倍になりました。
ところがその情報はA国のみが教えてもらえたものでした。
しかも、裏ルールで「A国以外は貼っても無意味」とされていました。
これが意味するのは、「情報格差」です。
価値を知らないと、たとえダイヤでも石ころなわけです。
A国のみが赤シールの価値を知る事ができた。そうしたハンデの表れです。
格差について身を以て知りました。
「平等な市場」と豪語しつつも、その元手にはどうしようもない差が存在する。
裏ルールによって「A国以外は厳しく製品のチェックをする」と言うハンデもありました。
こんなので平等も糞もありませんよ。
結果もそれをよく表していました。
A→20000ドル以上
B→5000ドル弱
C1→3000ドル弱
C2→10000ドルちょっと
D→C1と同じ
ちなみに、振り返りの授業で先生が教えた他の工夫としてC1とC2の同盟がありました。
資源を独占し、それによって利益を得ると言う方法です。カルテルです。
現実世界で言うとOPECと言うことですね。
このゲーム、かなり奥が深いです。
来週には「累積債務貿易ゲーム」とやらをやるそうで……。