
ダダオと合流して、鞆の津ミュージアムへ。
平日来館が10人にも満たない僻地中の僻地、福山市の鞆の津ミュージアムに溢れんばかりのお客さん。
展覧会の初日ですら20人程しか来てなかったのに、次から次へとお客さんが来てくれる。
本日は坂口恭平とのトークで予約が120人も入っているとの事。凄すぎる。
展覧会をやるのも文章も書くのも好きなんだけど、ものすごく苦手でどうやって見せればいいのかがまるでわからない。今回の展覧会はこれまでにやって来た事とアトム書房の調査発表なんですが、とにかく文字で説明しまくっていて、作品らしいものはほとんどありません。
読んで面白いのは、小笠原慶太が書いてくれた山下陽光の解説文で、これが無茶苦茶面白い。
最初に鞆の津ミュージアムが解説文を書いてくれたんだけど、これがちんぷんかんぷんで(笑)、これは展覧会出来ないんじゃないか?なんで呼ばれたのかわかんねぇぞと思い、小笠原慶太に書いてもらえないかと相談したら、長い時間をかけて書いてくれた。自分で気がついている部分と、まったくわからない部分と、まったく違うかもしれないと思う部分と全てがとてもよくて、展示の準備をする時に慶太が書いた解説パネルだけがキチンと貼ってあって、後は真っ白でなに一つ展示プランが決まらず、展覧会を延期しますか?と死ぬほどせかされて、どうにか文章ばかりを書きまくって展示出来た。
今までやってきたことの説明と慶太の解説に、さらにこちらで書き加えるだけの展示でコレが面白いのかどうかはまったくわからない。
遠くから来る価値があるのかどうかも正直に言ってよくわからない。
嘘でもいいから来て欲しいとか書かなきゃいけないんだろうけど、とにかく文字ばっかり書いてある展覧会だと思っといてほしいです。
メインがアトム書房の調査と発表なので、アートとかではなく壁新聞みたいな感じです。
アトム書房で一山当てるぜ!って気持ちも無く、もうひたすらアトム書房に飽きていて、次に何をやろうか?赤ちゃん産まれて移住して、
最新最先端、なんじゃこりゃ感覚ギンギンよりも、日々まったく変化のない田舎の日常が上手く説明できない面白さがあって、どこにスイッチ入れたらいいのかわかんない毎日です。
さてさて、これ位ハードルを下げまくって坂口恭平とのトークが始まりました。
とにかく坂口恭平との対話は苦手で何を話せばいいのかわかんないんですが、鞆の津ミュージアムがどうしても坂口恭平を呼びたいとの事で実現しましたが、いざ話が始まると、とにかく怒られるんすよ。
もう働きたくないから最小限度の暮らしをしたいと言ったら、ロハスロハス!と言われまくり、サカキョスイッチ入りまくりで、叱られてお叱りテンションで話してる内にテンション上がりまくって1人で落語みたいな噺がはじまって最高峰まで届く寸前に「あれ?何の話しだっけ?」とおりてくる。
まったく話が噛み合わず、何度もお互いポカーン&きょとんとなる。
司会のクシノさんはトンチンカンな質問とほったらかしで役割放棄レベル。
し
か
し
こんな感じでで展覧会もトークもまったく面白くないんじゃないの?と思うかもしれませんが、なぜか、この感じが結構面白いんですよ。
退屈が嫌いだから、どうにか客席を笑わせようとするとサカキョから、
すぐそうやって笑わせようとすんな!と怒られて、お前はいつもそうやって逃げるように違う事ばっかりやって、ファーブル昆虫記が虫をガン見してウンヌンかんぬん、ギャンギャンワァオワァオ、サカキョサカキョ、あれ、何だっけ?みたいな連続がなんだか気持ちよかったんすよ。
少し前は、サカキョスイッチが入ったら帰ってこないし、戻ってこないし、置いてきぼりで1人ポカンだったんだけど、ニューサカキョはキチンと帰ってくるようになってて、それが楽しかった。
サカキョいわく、山下陽光は見つけるのは凄いけど、それを展覧会やったり原稿書いたりするセンスはほぼゼロで、その辺りを勘違いした人が何でも出来ると思って依頼してくるんだろうけど、それは山下陽光の仕事じゃないとか、作ってる服や書いてる文字が時々凄く良いけれど、その程度のロハスみたいな感じでいいのか?とコレはかなり鋭い質問で、
確かにアナログ&誰がデザインしたのかわからない匿名っぽいものが凄く好きで意図的にそういうロゴや服のデザインをするんだけど、服の場合は生活とかなり密着しているので、妥協というよりもあっさりと、ソレを良しとしていて、文字やロゴなどにも同じ感じだけど、アートかアートじゃないか?
大竹伸朗っぽくないか?
都築響一っぽくないか?
赤瀬川原平っぽくないか?とかその辺りを猛烈に考えてそこから逃げる事ばかり考えてた時もあるけれど、今はかなりどうでもいいし、更新してないといけないんじゃないか?とかの呪縛もなくなって、似てても好きならいいんじゃないかと思えるようになってきた。
坂口恭平はそのロハスで元オリーブ少女だった呪縛と今も戦い続けていると言ってて、素晴らしかった。
表面のさらりとした部分での共通点はいくらでもあるんだけど、まったく違う部分が時折音を立ててガッチする事が何度かあって、ほとんどは退屈だし気の合わない二人のように見えるんだけど、実際はかなり良かった。話しわすれた事がたくさんあるんだけど、トークが終わった後にケイタに、まったく話が噛み合ってなくてよかった。二人がずっとわからない話を理解しないまま続けててもいいって思ったと言っててその辺りもよかったな~。
坂口恭平が命の電話をやっていた1年間で自殺者が2000人減ったという話が面白かった。
坂口恭平の本を読んで元気をもらって明日も仕事頑張るぞ!じゃなくて、仕事辞めても暮らせる勘違いや夢をみさせる方法じゃなくて、こんだけゲスい事をしたら暮らせるじゃん!という気づきにいきたいと思っていて、俺は今マグレで生活が出来ていると思っている。作った服が売れてそんなんで生活できるわけないけど、なぜか生活できている。
ココには少しのカラクリがあるんだけど、コレをマネしても仕方なくて、このようなやり方を見つける事と気づいて実践しまくるしかない。
坂口恭平ならできるけど自分にはできないという感じで読んでるからお互いによくない。
しかし、すべて実践しないといけないわけではないし、それに触れる事で元気になったり自殺をとめた人もたくさんいるからとてもよい。
手を上げて、やりますと宣言してアーティストになったりデザイナーになったりするのもいいけれど、現代はガン見している人の時代だと思ってるので、TwitterやFacebookやBlogをガン見して、自分の今居る場所の特徴を活かせる商売を考えついたら即実行。インターネットでしかできない事ならそこに少しの自分らしさを加えたら、もう生活できますよ!
ネズミの筆の話とトキオ婆ちゃんの徘徊タクシーの話がグングン進んで面白かった。
例え話のセンスが高円寺の坂口にソックリだとケイタが言ってて、
グーニーズやバックトゥザフューチャー、キン肉マンなど、突然出してくる感じはとてもよかった。

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