しあわせな誕生日

朝、顔を合わせるなり、
「あんたどうすんの！　もう24だよ！！」
とわたしよりも焦っている母。
母はとにかく、わたしに早く結婚してほしいらしい。
そして孫を心底可愛がりたいらしい。
そんなこと言われてもねぇ、
わたしが結婚したいと思える人は今のところ1人だけだし、
その人とはつき合ってもいないし、
まだ当分は無理ですから

母の用意してくれたお弁当を忘れ、怒りのメールを受ける。
日曜日に誕生日のS課長に寄せ集めCDをプレゼントする。
職場の更衣室で不二子Tシャツを自慢する。

職場の仲良しの人にだけ、こっそりと誕生日アピールをする。
すると羊羹をくれた人がいたので、笑ってしまう。
1個上の先輩がアンパンマングッズをくれて、感無量。

遠く離れた昔好きだった人から、メールが来た。
あまりにあたたかい文章で、
さらにはBGMがウルフルズの『いい女』だったので、
思わず涙が出た。
この人と逢えてよかった。

仕事後の待ち合わせまで時間があったので、本屋へ
角川文庫の、2冊買ったら必ずもらえるブックカバーが欲しくて、
どれを買うかで悩みに悩む。
パウロ＝コエーリョの『ベロニカは死ぬことにした』と『アルケミスト』で迷ったが、
結局『アルケミスト』と『ビギナーズ・クラシックス　古事記』にする。
鉄腕アトムのブックカバーを貰うのだ

同期の数人に、お祝いをしていただいた。
もらったプレゼントが、あまりにわたしのツボだった。
エスニックなお洋服に、アンパンマンのお茶碗とマグカップ、
お香にキノコ型芳香剤、お猿のしゃぼん玉に花束。
みんな素晴らしすぎるよ。

たまたまお店のクーラーが壊れていたり、
みんなが集まるのが遅くなったりといろいろあったけれど、
大変楽しくて、有り難くて、しあわせでございました
まさか歌まで歌っていただけるとは思わず、
恥ずかしさに死にそうでございました
こんなに豪華なお誕生日は、久しぶりでございます。
どうもありがとうございました

あの人は約束どおり、
唄を唄ってくれたかなぁ、なんて思う。
もしかしたら誕生日が過ぎたあとに思い出して、
慌てて唄ったりするかもしれない。
その図を思い描いて、ふふふと笑う。