こばなし

日々のよしなしごと

教授

2006年01月13日 | 日記
卒業論文を大学の事務室に出す締め切り日だった。
きっとだいたいの人は、事務室に出したらそれで卒論から解放されるのだろう。
だがわたしの所属するゼミは特殊なので、まだ1月いっぱいは解放されない。
ゼミの教授が本の編集を手掛けていたりすることもあり、
我がゼミの卒論集は、本として出版してもおかしくないレベルに仕上げなければならない。
内容はもちろんのこと、誤字脱字、論文内の漢字の統一、改行箇所、日本語の使い方、参考文献の表示の仕方などなど…これをゼミ生全員分チェックしなければならないのだ。
大変だけれども、いつか本を出したいわたしにとっては、
きっと役立つだろうと考えている

教授は厳しいし、変人だ。笑 でもやっぱり優しい。
卒論に3年もかかってしまったわたしを、彼は誉めてくれた。

「がんばりましたね。大作です。日本語の使い方が素晴らしい」
「辞書をたくさんひきましたね? 読み手のことを考えて書いているのがわかる」

すごく嬉しかった。つまづいたときも、彼はあたたかかった。
たいていの大人は、きっとあんなことを簡単には言えない。

3年かかってよかったんだ。
最近はそう思えるようになってきた。
去年、一昨年と、わたしの成長には不可欠な時だったのだ

絵:「書く」平谷洋美