芥(あくた)ブログ

日々のことやら漫画、ゲームやらについて語るブログ

ロマンはどこだ

2007-10-22 23:47:13 | 雑多に
昨日、家族が借りてきた「陽気なギャングが地球を回す」を見ました。
やっと見られたー。
とりあえず、伊坂さん作品に恋愛要素は余計だなぁと思いました。
どの小説の主要人物も、家族とか友人とか恋人とか言葉に出来る関係を
あっさりと追い越しちゃってる気がする。
そしてそういう関係がとてつもなく好きです。


内容は小説とはかなりかけ離れた内容になってましたが、
それはそれでまとまっていたので良かったと思います。
時折入る、巻き戻し→再生の演出が面白くて好きです。
カーチェイスは本来このメンバーにはあってはならないと思うのですが、
運転の描写がとんでもなくありえなくて面白かったので
まあいいやと思いました。
実際、雪子さんはあんな勢いでガンガン飛ばしてそうです。

登場人物も結構変わっている印象がありました。
成瀬さんはもっと淡々としているかと思いました。意外に情熱的。
タダシ君と前妻さんがいなくなってしまったのは悲しかったですが…。
慎一を子どもにしたからですかね。
あと子どもになっていても、慎一はなんかすごい子でした。
なぞなぞは面白かったなぁ。

一番驚いたのは久遠が大学に行っているような描写があったことです。
小説では久遠の日常生活の描写が無かったので、そういえば普段は
何をしてるんだろうと思いました。
久遠ならスリだけで充分生計を立てられそうな気はしますが。
でも、そういうのはあかんよなぁ。
あとは響野さんがそんなにうるさくていいですねぇ。
テイクどれだけ出したんでしょう。(そこは気にするなよ)
成瀬さんと雪子さんがくっつく前提になっていたせいか、
久遠とのやりとりが結構多かった気がします。
響野さん、何だか子どもっぽいよ。元からですけど。
あと、お店の造りが怪しいです。あれは喫茶店なのか?!
それにしても久遠のキャラが良いなぁ。
こちらは響野さんとの反比例か、少し大人びてる感じに思えました。
犬の例えは好きだったので、無くて残念でした。
他に好きなのが、市役所で書類を落としてばかりいる人。
あの人は上司なんでしょうか、部下なんでしょうか。
君付けなのに、下っ端のような印象が拭えない。

クライマックスは、原作のどんでん返しをさらにどんでん返そうと
演出したように見えました。
しかし、私はケースが見分けつかないのでよく分かりませんでした。
そもそも登場人物の顔もよく覚えられなかったから、
突然出てこられると「お前誰だ」状態だった自分が悪いんですが。
(神崎が出てきた時も顔を覚えてなくて正体に気付かなかった。)
一緒に見てた母が気付かなかったら、「あ」って思わなかった気がする。
田中商店と品質保証が面白かったのでまあいいです。

ラストも、久遠の実はこっそり一人勝ちや響野さんの演説に乗せて流れる
スタッフロールなど、面白い所がたくさんでした。
ギャングに入られたあのお店は気の毒ですが。
たぶん、彼らは世界をまたにかけてロマンを探すのだろうなぁと思います。
素敵ですね。