小さな頃、
「外で遊ばれへん」と
雨空をうらめしそうに見あげる私に
「雨も大事なんよ」と
母が話してくれていた。
「お水を運んでくれるんよ」と。
そう言われながら、育った。
その〈雨〉が
これだけの災害をもたらすなんて。
そして、災害は何年も続いている。
私は祈る思いで、
ニュースの映像を見ていた。
惨事を写す映像が、
泥まみれで
捜索にあたってられる方々の映像が、
切り替わった。
眩く明るい画面。
五輪選手の〈壮行会〉の放映やって。
首相が満面の笑顔で
〈東洋の魔女に感動したこと〉を
また、話している。
同じ時、
多くの方々が
どんな思いで
土砂の中の家族を
思ってられたのやろうか。