銀河ヒッチハイク・ガイド

前にも紹介したが、これは新しいほう。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」
ダグラス・アダムス　河出文庫
訳・安原和見

訳者が変わってさすがに読みやすくなった。
少なくとも今度は酔ったりしなかったぞ。

しかし馬鹿話であるのに変わりはない。
２０年前の本とも違和感もなかった。
それが嬉しいのだが、最後に訳者あとがきを読んで
驚いた。
２００１年に作者が死亡したそうである。
４９歳。

そのせいで映画化になったらしいのだが、
この作品を映画にしてもその面白さをどれほど
表現できるのか、と複雑な思いだ。

昨年までテレ朝でやっていた「あしたまにあーな」
で少しだけ紹介されていたのを見たが、濱田マリも
あんまり芳しい評価はしていなかったと思う。

だってそれは当然、というかこれはスペースオペラでは
無いし、「実際に映像で見てみたい」というような
場面はとくに…

この作品はとにかくその物語のバカバカしさが素晴らしいの
である。
まるで何も考えずに即興で作ったような無茶苦茶な物語の展開。
辻褄を合わせる気がどこまであるのか、という内容なのだ。

このシリーズは全５作なんだそうだが、
日本では全部が訳されたことはない。
英語のできない私にはそれがたまらなく悔しい。
まだ見ぬ４，５巻…

日本じゃこの手の本は「万人に売れる」ということはないだろう。
しかし絶対にコアなファンが付く本である。
ぜひ４,５巻まで訳してほしいものだ。