今夜も一杯 ! ヒロシのブログ

電子書籍で「新サラリ-マンの法則」 「笑いの宝庫」を出版しました。

個人情報保護法に違反したら

2008-09-24 06:35:32 | 気がついたこと
かつて崩壊する前のソ連は賄賂がまかり通り、共産党員でない国民は食料や生活用品も簡単に手に入らない時代が長かった。この時代のジョ-クがある。
 モスクワの居酒屋で”わが国のフルシチョフ首相は国民の事を何も考えないアホなリ-ダ-だ!”とアメリカ人の友達に酔っ払って話をしたらKGBに逮捕された。罪状は、侮辱罪だと思っていたら国家機密漏洩罪だと言うのである。

もし友人に今の日本の総理大臣は能力がないから自分の生活も良くならないと言ったら、他人に総理の個人情報を流したことになるのか、総理を侮辱した罪に問われるのか、この問題をマジメに考えてみれば、今の個人情報保護法への過敏な反応が可笑しいと思うはずである。大げさに言えば、居酒屋で上司の悪口を言った人が、それを聞きつけた人が上司に報告すれば、やはり悪い情報(風評)を流したという事で情報漏洩問題である。

個人情報保護法を間違って理解すると、独身者同士が恋愛結婚する機会もなくなる。名前や趣味や家族構成を聞かれても、個人情報だからと言って答える必要がない。別に匿名を名乗っても、虚偽の内容を相手に伝えても、相手からするとその真偽を確かめる手段がないからである(個人情報保護法で守られていると思い込んでいる)。たとえ泥棒だって警察官に職務質問されても、個人情報は他人に教えないと言えば済んでしまうことになる。もし徹底して法律を遵守するなら、間違っても人の悪口や噂話を他人にしてはいけない事になる。ビジネスマンでも客先で名詞を出しても、お客様から名詞を貰う必要もなくなる。もし名詞を落としたら財布を落とすより大変な事になるはずである。

はっきり言って、誰でも普通の会話をしながら自分の個人情報または他人の個人情報を漏洩させているものである。

現実の法律は、個人情報保護法を適用する対象企業は以下の通りである。
 「体系的に整理された個人情報(個人データ)を5000件以上保有する企業」

実際に起きた情報漏洩事件での判例を見ても、一人当たりの罰金は5千円~1万円程度である。例えば1万人の情報が流出して、被害を受けた人が訴訟すれば1億程度の被害と誇張して表現する事が多いが、現実的、何人が訴訟するかと言えば、100人に一人もいない。千人に一人くらいいるかもしれない。訴訟するためには訴訟費用が必要である。1万円の損害賠償を得るために何万円も訴訟費用がいる。その被害内容も、迷惑メ-ルや葉書が来たという程度なら、自分の個人情報は自分で流したまたは教えた可能性が高い。

2002年に起きたエステのTBCのホ-ムペ-ジで約4万件の個人情報が放置されていた事件がある。個人的に訴訟した人が数人いたが判決として迷惑メ-ルを受けた13人に対して合計39万円の支払い命令を下した。しかし、個人的に訴訟をした人は3万円を勝ち取るのにその数倍の数万円を費やしている。エステの場合は、個人の身体的な情報を包含しているので、特殊な例であり訴訟した人の割合が多いが、普通はこれだけの人が訴訟をする事はありえない。

個人情報保護法は行き過ぎると、経済活動が全て停止してしまうし、個人の言動も全て規制されてしまう。片手落ちの変な法律を作ったものだ。