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デパ-トの統合と再生

2007-09-27 07:10:31 | Weblog
先日、テレビで大丸と松坂屋の統合の特番を放映していた。大丸が創業以来約300年、一方の松坂屋が約400年という歴史を持っている。既に、伊勢丹(120年)と三越(330年)との統合も決まっているが、どちらかと言うと、前者の統合では大丸が主導権を取り、後者のグル-プでは、伊勢丹がリ-ダ-となる。つまり若い人が年配者の上司になるのと同じ状況である。

デパ-トの言葉の意味は多種類の品物を販売する大規模小売店の事である。今では、安く買うならディスカウント店(ドンキホ-テ、ビックカメラ、多慶屋、100円ショップ等)で十分であるし、手軽なお店としてコンビニもある。郊外に行けば大型店舗のアウトレットモ-ルやホ-ムセンタ-でまとめ買いも出来る。海外の高級ブランド品でもデパ-トで買わずとも直営の専門店で購入すれば安心である。それではデパ-トの存在意義はなんだろうという事になる。なんでも揃っていると言いながら、女性に関する商品でほとんどのフロアを占めているので男性の商品は極めてわずかである。だから男性がデパ-トに行っても時間を潰せるフロアがない。男性が行きたくない店のNO.1だと思う。


デパ-トはどこに活路を見出せば良いのかわからない時代だと思う。いつの間にかデパ地下の食料品がス-パ-並みの低価格で、売り上げを伸ばすようになってきたし、上層階では、有名な和食、洋食、中華等の店を入れてレストランモ-ルを作り、ここでも売り上げを伸ばしている。ますますデパ-トのブランド力だとか存在意義が薄れてしまう。ある意味、デパ-トは賃貸しの高級マンションを経営する不動産会社みたいなものかも知れない。ステ-タスの高い店舗が住んでくれれば家賃収入が安定して更に知名度があがるという事ばかり考えてる。高級デパ-トの名前で集客力を上げようとしても、実際購入する人が少なければ意味がない。かっては、品質が良ければ高くてもわざわざ足を運んでくれて買ってくれた購買層の人でも今はネットを利用すれば簡単に購入出来るし、お店に足を運ぶ理由がない。だんだん見向かれなくなるお店の1つだと思う。鉄道会社が親会社であるデパ-ト(東武、西武、京王、小田急、阪急、東急等)は資金面では老舗と違って潤沢だと思うがどんな戦略で生き抜こうとしているのか興味がある。

むかしは、デパ-トの屋上には遊具があり、熱帯魚や子犬のペットショップがあって子供心に遊園地気分を味わえたし、デパ-トの食堂で食事をするのが子供心に憧れだった。今のままのデパ-トが、たんに合併や統合をしたと言っても集客力や魅力度(売上金額)が上がる訳でもない。長年、見た目の華やかさだとか高級感を維持することだけに専念してきて中身の変革に取り組んで来なかったデパ-トが、かつての栄光を取り戻すのは難しい状況である。ある意味今のデパ-ト業界は、人の人生と似ている。いつまでも現状での安住は続かない。常に中身の変革に取り組まないと人としての魅力が落ちてくる。年齢は後戻りが出来ないし、若返りも難しい。ふと気が付くと誰からも見向かれなくなっている。