栗田工務店 スタッフ ここだけの話

快適な空間づくりをめざす―(株)栗田工務店 この空間では,『歩き遍路日記』『介護日記』『etc・・・な話』を展開します♪

介護日記 ~ 虐待 ~

2010-02-04 10:15:04 | 社長の介護日記
ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。

現在進行中の介護です。はじまりは2007年ですが、近年のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けているものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2008.10月号に掲載の内容です。



 平成20年8月12日の愛媛新聞に、県のまとめによると昨年1年間に愛媛県内で発生した家庭での老人虐待の件数が214件であったと報じている。

 これは前年に対して40件(18.7%)の増加ということで、そのうち身体的虐待がもっとも多く153件、ついで大声で怒鳴る、金を取り上げる、介護放棄の順であるという。

 又、要介護施設でも4件の虐待があったと報じている。子供を育て、苦労の多かった人生の終盤に於いて愛する家族から叩かれたり怒鳴られたりお金を取られたりとは、まったくお寒いことである。

 214件という数は、通報などをもとに調査した結果であるので、実際にはこの何倍もの件数があるのかもしれない。然しながら、私も介護のまねごとをやってみて、心の持ち様でその危険性は大いにある様に思うのである。

 老々介護の末、夫が妻を、或いは妻が夫を、介護に疲れた子供が親を手にかけたなどのニュースを聞くと胸が痛む。

「私たちの年代は親を看る最後の年代であると同時に、子供に看てもらわない最初の年代である」 と云われる。
「子供には迷惑をかけたくない」 誰しもそう思い乍ら、しかししっかりした老後計画があるかというと殆んどの人がそういうものを持ち合わせず、「何とかなるさ」「イザとなれば、子供か或いは役所が何とかしてくれるだろう」 といった気持ちで老後を迎えている様に思われる。

 これは身体が不自由になり、認知症が出はじめた老人の日常生活の送り方に対して勉強する機会が無いからだと思うし、厄介なことに「自分は年をとってもそうはならない」 と殆どの人が思っているフシがある様に思うのである。あの鉄の女サッチャー元首相でさえも今認知症と戦っている。

「頭も足腰もしっかりしていて、ある日ポックリと逝く」 などと云う事は、万に一つあるかどうかである。誰も自由が利かず、身体障害者の状態になることは間違いない。しかもそれは、誰もが未体験の世界である。

 大企業では定年近くの人に定年後どう暮らすかといった講座が開かれて、定年後の人生の過ごし方を教えてくれるらしいが、人生の終盤を迎えた人の日常の過ごし方講座などが身近にあれば、真剣に老後を考える人が増えるかもしれない。

 昔、北欧の福祉事情を見て廻って以来、いろんな人に教わりながら自分の問題として老後を考え、グループホームを建て、グループリビング(グループホームとは違う)その運営もやっているが、未だ充分なものでは無い。

 皆さん、判断力と決断力のあるうちに、自分の老後を決定しておくべきではないでしょうか。

コメント
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