なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

インドの実像

2009年03月30日 23時59分06秒 | 本・雑誌
「グローバリズム出づる処の殺人者より」(原題:THE WHITE TIGER)アラヴィンド・アディガ/インド 2009/2 読了 ☆☆☆☆
IT技術とアウトソーシングの分野で一気に台頭してきたインド、”究極の格差社会の闇を切り裂く”のコピーとおり。
富める者と圧倒的多数の貧困層が同居して現実に生き続けるカースト制度と貧困が人々の発展成長への道を閉ざしているインド社会の闇が殺意として結びつくまでの過程は読み応え充分。

映画「スラムドッグ&ミリオネア」の原作者は、スラムに住む人々は絶望でなく100%の努力と運命を切り開く意思があれば道は拓かれる、というような自己責任みたいなこと言っていたが、本作で言う「世界の歴史とは、金持ちと貧乏人の1万年にわたる頭脳戦の歴史だと言える。貧乏人もたまに小競り合いで勝つことはあるが、一万年間この戦争に勝ちつづけてきたのは、もちろん金持ちです」の方が現実的な気がする。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。