なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

国内2冊

2010年04月20日 23時59分57秒 | 本・雑誌
「神様のすること」平安寿子 2010/1 読了 ☆☆☆☆☆
87歳で風呂に入っていて突然亡くなった父親、2年のうつ状態後83歳で亡くなる最後まで介護しながら看取った母親、それぞれの思いでと子供の頃のできごとなどが軽妙におなじみの平節で語られる。自分が脳に刻み込んだ記憶と事実とは食い違うかもしれないが大事なのは記憶のエッセンスだという。歳とるって、こういうことなんだ。死ぬってこういうことなんだ、と教えてくれる自叙伝的内容とその死生観に共感する。

老いるというのは、現れたおばあちゃんが光り輝いて消えないよう、次々とマッチをすって少女をだきしめてくれた「マッチ売りの少女」になることだと語る。年老いたら、手にあるものは思い出をありありと呼びさます一箱のマッチだけだ。でも、それは、わたしだけのマッチ箱。わたしだけにしか見えない思い出、と。

「橋」橋本治 2010/1 読む
昭和から平成にまたがる、女たちの宿命の物語
雪ぶかい地方で、高度経済成長時代に青春を過ごした2人の母親。彼女たちの娘が停滞の次世紀に家庭を持った時、親族殺人が起きる(出版社)

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