なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

世界観

2008年02月05日 23時59分32秒 | 本・雑誌
「残虐行為記録保管所」(原題:The Atrocity Archives )チャールズ・ストロス/イギリス 2007/12 読了 ☆☆☆☆
ナチス・ドイツの魔術研究機関アーネンエルベ、多元的宇宙、チューリング、RDX‥‥さまざまな分野の専門用語や情報が説明抜きで雨あられと出現するが、なんとなく勝手に推測して読み進め後半のゲートから異空間へ突入する魔術戦争のようなクライマックスに興奮させられた。
「~わたしたちは、不確実で複雑でパラノイア的な時代に生きている。不確実なのは、たんにこの数世紀で、ひとりの人間にはとうてい把握しきれないほど大量の情報があふれるようになったからだ。わたしたちは、深くほじくりかえせばまったくの無知なのだ。複雑さが増大しているのは、わたしたちの無知の領域と盲点が予期せざる形で交差しているいるためだ‥

けっこうずくめに思えた計画に意外な副作用があったのだ。そしてパラノイアはその副作用の落とし子だ。世界は見た目どおりではない。そして実際、先入観とマスメディアという心安らぐフィルターレンズ抜きで、ありのままの世界を理解することは不可能なのだろう。~」と著者があとがきで語っていたのが印象的。

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