なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

天保三年(1683年)

2009年07月19日 23時59分38秒 | 本・雑誌
「誘惑」 北原 亞以子 2009/5 読了 ☆☆☆☆
おさんと茂兵衛は、天保三年九月二十三日に粟田口で磔となった。
宣明暦から授時暦、貞享暦へと改暦された暦の歴史では激変した時代だった。
”おさんかて可哀そうや。人の妻がその奉公人と密通した時は磔などと誰が決めたのか。西鶴は、そのご法度が気に入らない。
密通してもいいというのではない。そんなことは言わないが、男が女を好きになるように、女も男が好きになるのである。それなのに、男は見染めた女を、人を介して話を持ち込んで女房にすることができるが、女が見染めた男を夫とすることは、決してないとは言えないが稀だろう。…略…女も人を恋う。いや、男より激しく人を恋う。お夏が清十郎に恋し、おさんが茂兵衛を恋うたのも、ごく自然なことであり、恋しい男と添い遂げたいと思いきった行動に出るのは、当たり前のことなのかもしれない。が、いずれも相手が奉公人というだけで、お夏は心の均衡を失い、人の妻であったおさんはご定法に命を奪われた。可哀そうやないか、なあ。”

幼いころから茂兵衛が好きでおさんにつくして死んでいった下女のおたまが一番可哀そう。

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