なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

銀山女御

2009年01月15日 23時59分15秒 | 本・雑誌
「銀のみち一条 下巻」玉岡かおる 2008/11 読了 ☆☆☆☆☆
最近読んだ和書で最高のおもしろさ。
作者が描く現実には存在しないような理想的な男性像の雷太と彼をとりまく三人の女性たちは、タイプが違うもの強く優しく、情にあつく義を尊ぶ人物描写とその行動が読みどころとなる。雷太と咲那子は、それぞれ別の相手と結婚するが、死別・離別後にクライマックスで結ばれる場面は感動もの。
テヘッ、こんな小説家書いちゃったみたいな桜庭一樹やちょっと飽きのきた諸田玲子らの女性作家を休んでこの作家の過去の作品を読んでみたくなる。

(あとがきから抜粋)
花と香油で祝福された赤い絨毯敷きの「王道」に、並みの人間では通れぬ「けもの道」。選んで歩く「間道」に、偏らず行く「中道」もあれば、行ってはならない「悪道」に「非道」まで。‥‥「道」にはさまざま、表情がある。
けれども、共通しているのは、そこを通らぬことには「道」にならないこと。そして、どこかとどこか、必ず点を結んで終わりと始まりがあることだ。

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