「体の贈り物」(原題:THE GIFTS OF THE BODY)レベッカ・ブラウン 2001/2 読了 ☆☆☆☆☆
エイズ患者を世話するホームケア・ワーカーを語り手とし、彼女と患者たちとの交流をめぐる、生と死の、喜びと悲しみの物語。雑誌『オリーブ』、『鳩よ!』に掲載された7編に、初訳3編を加える。(「MARC」データベースより)
汗の贈り物、充足の贈り物、涙の贈り物、肌の贈り物、飢えの贈り物、動きの贈り物、死の贈り物。言葉の贈り物。姿の贈り物、希望の贈り物、悼みの贈り物、からなるこの連載短編は1994年に刊行されたが、当時は、まだエイズによる死が身近に起きていたようだ。主人公と末期患者に接する希望と絶望の織り成す交流が、臨場感あふれ、シンプルな文体で書かれ胸をうつ。特に最後の章で年取った母親が思いやりに満ちた子供たちに看取られて死んでいくシーンは、感動ものであった。
母親は言う「もう歳だもの、人生まるひとつ、生きてきた。もう寿命よ。‥‥もうずっと前からわかっていたから、みんなと話したり会ったりして、愛してるって伝えられたもの。自動車事故とか心臓発作とかみたいに、誰も心構えできてないうちに突然起きたわけじゃないし。‥‥誰かに腹を立てたままとか、誤解を抱えたままでとか死んでいくのって嫌よね。生き残った人はうしろめたい思いをさせられるし、そうなると死んだ人を想って悲しむのは難しいもの。悲しみって必要なのよ。悼むってことができなくちゃいけないのよ。」
去りゆく者は何を思い、見送る人は何を思うのか?うーん、自分の両親が亡くなる前には、もっと話し合ったりしておけばよかったとふり返させられた。
エイズ患者を世話するホームケア・ワーカーを語り手とし、彼女と患者たちとの交流をめぐる、生と死の、喜びと悲しみの物語。雑誌『オリーブ』、『鳩よ!』に掲載された7編に、初訳3編を加える。(「MARC」データベースより)
汗の贈り物、充足の贈り物、涙の贈り物、肌の贈り物、飢えの贈り物、動きの贈り物、死の贈り物。言葉の贈り物。姿の贈り物、希望の贈り物、悼みの贈り物、からなるこの連載短編は1994年に刊行されたが、当時は、まだエイズによる死が身近に起きていたようだ。主人公と末期患者に接する希望と絶望の織り成す交流が、臨場感あふれ、シンプルな文体で書かれ胸をうつ。特に最後の章で年取った母親が思いやりに満ちた子供たちに看取られて死んでいくシーンは、感動ものであった。
母親は言う「もう歳だもの、人生まるひとつ、生きてきた。もう寿命よ。‥‥もうずっと前からわかっていたから、みんなと話したり会ったりして、愛してるって伝えられたもの。自動車事故とか心臓発作とかみたいに、誰も心構えできてないうちに突然起きたわけじゃないし。‥‥誰かに腹を立てたままとか、誤解を抱えたままでとか死んでいくのって嫌よね。生き残った人はうしろめたい思いをさせられるし、そうなると死んだ人を想って悲しむのは難しいもの。悲しみって必要なのよ。悼むってことができなくちゃいけないのよ。」
去りゆく者は何を思い、見送る人は何を思うのか?うーん、自分の両親が亡くなる前には、もっと話し合ったりしておけばよかったとふり返させられた。