「トゥルー・ストリーズ」(True Stories)ポール・オースター 2004/2 から「その日暮らし」を読み読了 ☆☆☆
「事実は小説よりも奇なり」が本質的な真実であるような話には納得させられる。
若い時に金銭的にはめぐまれないもののパリやニューヨークでいろいろな仕事をてがけられたのも才能があるからできたことのように思える。天気の話を次のように書けるとは才能だよな。
「折々の文章」の中の”知らない人と話す”で、話すことが尽きてきたら、天気を話題にすることと語っている。醒めた連中は天気なんて陳腐だとけなすが、じつは話のきっかけとしてこれほど約に立つテーマはないと。「~ 天候ほど人々を平等にするものはない。天気は誰にも、どうすることもできない。天気は我々みなに同じように作用する。富める者も貧しい者も、黒人も白人も、健康な人も病める人も、天候はいっさい区別しない。私に雨が降るときはあなたにも雨が降るのだ。私たちが直面している大半の問題とは違って、それは人類によって作り出された問題ではない。
-略ー 知らない人間と天気の話をするのは、握手して武器を脇へ置くことである。それは親善のしるしであり、私もあなたと同じ人間なんですと認めるメッセージである。人間同士を引き裂くものがかく多く、憎しみや不和が蔓延しているなかで、我々をひとつにしてくれるものたちのことを覚えておくのは悪くない。知らない人と接する上で、そういうものたちから離れぬよう務めるほど、都市の士気は向上するだろう。」
「事実は小説よりも奇なり」が本質的な真実であるような話には納得させられる。
若い時に金銭的にはめぐまれないもののパリやニューヨークでいろいろな仕事をてがけられたのも才能があるからできたことのように思える。天気の話を次のように書けるとは才能だよな。
「折々の文章」の中の”知らない人と話す”で、話すことが尽きてきたら、天気を話題にすることと語っている。醒めた連中は天気なんて陳腐だとけなすが、じつは話のきっかけとしてこれほど約に立つテーマはないと。「~ 天候ほど人々を平等にするものはない。天気は誰にも、どうすることもできない。天気は我々みなに同じように作用する。富める者も貧しい者も、黒人も白人も、健康な人も病める人も、天候はいっさい区別しない。私に雨が降るときはあなたにも雨が降るのだ。私たちが直面している大半の問題とは違って、それは人類によって作り出された問題ではない。
-略ー 知らない人間と天気の話をするのは、握手して武器を脇へ置くことである。それは親善のしるしであり、私もあなたと同じ人間なんですと認めるメッセージである。人間同士を引き裂くものがかく多く、憎しみや不和が蔓延しているなかで、我々をひとつにしてくれるものたちのことを覚えておくのは悪くない。知らない人と接する上で、そういうものたちから離れぬよう務めるほど、都市の士気は向上するだろう。」