「おじさんの正しい思想」「老人国日本に向けて」「説教はおじさんの義務」、といつもながら頷くことが多いのですが、ここでは「対外国」の日本のありかたを抜粋してみます。。
私は海外派兵にはもちろん反対である。「そういうことをしない非常識な国」というのが国際社会における日本の「奇妙なポジション」なのである。その奇妙なポジションを日本は戦後56年かけてようやく獲得したのである。
『日本はあーだからさ。あいつは蚊帳の外においといて、こっちだけで話きめようぜ』と欧米列強やロシアや中国が頭の上で談合するのであれば、多少は腹立つかもしれなおけれど、それはそれで「どうぞご勝手に」でよいではないか。
G8の中で「かっこがつかない」ことなんかどうだってよいではないか。
大義名分を立てて戦争することより、大義名分のない平和にしがみつく方がずっとむずかしい。 ー中略ー
問題は、形式上、国際法上、「敵か味方か」にあるのではない。ある国の軍隊が別の国に行って、そこで人を殺すかかどうか、というごくリアルなことである。
だから、私は対テロで日本政府がアメリカ政府を支援するぞと「口だけで言う」ことには賛成である。「金も出すぞ」というのもどうかご勝手に。
しかし兵士を戦地に送り込むことには絶対に反対である。 ー中略ー
派兵されれば、「死ぬ」だけでなく、必ず「殺す」ことになる。
日本政府の人々がアナウンスすることを避けているのは、一度でも一人でもその国の人間を軍事的行動のなかで殺せば、日本はその国の全員から、何世代にもわたって、深い憎しみを引き受けることになる、という当然の予想である。
日本の国際戦略の大儀は、国際社会において「蔑み」の対象となっても、「憎しみ」の対象とは決してならないことに存する。私はそう信じる。 国際社会における威信より大事なもの より
日本の、ともすれば「あいまい」と言われる態度も、こういう観点で考えると案外合理的なのかもしれませんね。