ジョージ・ハリソン/ Isn't it a Pity

2013-07-14 12:39:01 | Weblog

                            2013
               By the Editors of ROLLING STONE 

 2002年に刊行された本の邦訳。30年以上に及ぶ「ローリング・ストーン」誌からの記事を集めて収録。
 
 洋書屋も洋書売り場も覗かなくなって久しいのでこの本も知らなかったのですが、特に新しい情報はないかな?と思いながらも読み始めると、ジョージについて語る言葉で印象に残るものが。その一部を抜粋。
あらためて、ジョージがいなくなって残念です。

ジョン・レノン 
 「ジョージの中にある神秘性は途方もなく大きい。あいつを観察していると、少しずつあいつの中身が見えてきて、すごく面白いんだ」 1968年

オリヴィア・ハリソン
「ボブ・ディランの言葉を借りれば、『彼は百人分の力を持っていた』のです。信仰で得た勇気と揺るぎない確信で、目の前の数多くの戦いに立ち向かったのです」

「彼には体の向こうにある本質を見通す力があったおかげで、見過ごされそうな多くの人たちに救いの手を差し伸べてきました。彼は常に人の本質を見抜くことが出来、その能力のおかげで、目の前にある課題や仕事に向き合うことができたのです」

彼は口癖のように私たちに語っていました。
「もし神が存在するのなら、この目で見なくてはならない。もし魂が存在するのなら、それを知覚しなくてはならない。それができなければ、信じないほうがましだ。分かったつもりでいるよりは、無神論者でいたほうがいい」

ボブ・ディラン
「彼は巨人かつ極めて偉大な魂であり、人間味、ウイットとユーモア、知恵、信仰心、常識、人々への思いやりを兼ね備えた人間だった。
 太陽、花、月のようだった彼を失った悲しみは計り知れない。彼のいない世界は底知れず空虚だ」

トム・ペティー
「ウイルベリーズがスタートしたとき、ジョージはボブにこう言った。
『僕たちは君がボブ・ディランであることを承知の上でで言わせてもらう、君に対しては他の皆と同じ言動で接するつもりだ』って。 
 するとボブが
『それがいい。信じてくれるかはともかく、僕だってみんなを恐れていたからお互い様だよ』って」

                



 「お互いの心を痛め、傷つけ、何も考えず、与える事を忘れてお互いの愛を奪う。
  残念じゃないか? 恥ずかしくないかい?」

   Isn’t it a pity? Isn’t it a shame
  How we break each other’s hearts
  And cause each other pain
  And we take each other’s love
  Without thinking anymore
  Forgetting to give

 


富士日記/世界遺産?

2013-07-07 11:47:01 | Weblog

           
  (昭和三十九年七月 ~ 昭和五一年九月)

 図書館に新しく文庫で置いてあったので、毎夜布団の上で足、腰のストレッチングをしながら、読んでいるのですが、だんだんと、武田家の近所にいて、奥様の話を聞くのを楽しみにしているような気分になっています。
 世の中を、人間を見る目が鋭い、というか本質を点いていると感じることも多いです。それにしても川口湖と東京を行ったり来たり、の生活ですが、ドライブはあまり苦ではなかったのでしょうか、。
当時の物価も書いてあるので「昭和の記録」でもありますね。そろそろ終わりのページに近づいてきて読むペースを落とし気味になっています、、。
 
 そんなさなか、武田泰淳の名前を新聞で見ました。
 
朝日新聞6月27日論壇時評

 「女性が輝く日本、仕事と育児が両立出来、生き生きと活躍できる社会の構造を打ち出しました」と首相は答える。 それを読んだぼくは、なんだかひどく憂鬱になる。本気かどうか疑わしいから?違う。この人に代表される「政治家」のことばが、よそよそしく聞こえるからだ。
  
 半世紀以上前、作家の武田泰淳は、ある政治家の言葉に触れ、こんなことを書いている。

「叱っている彼から、叱られているぼくらへ一本の路が通っているばかりで、叱られる者から彼への路は全く閉ざされている。この断絶のはなはだしさは、たんに彼ばかりでなく、ある種の政治家の文章が、たえず僕らの頭上におっかぶせる暗さ、重苦しさである。
 どうしてこのような、悲しむべき断絶が、人間と人間の間に起こりうるのであろうか。そして、まだまだこのような断絶から、ぼくらはしばらく、開放されそうにない、というあきらめに似た不透明の霧のようなものが、ぼくらを包んでいる」

 既成の政治(家)への「あきらめに似た不透明な霧のようなもの」に包まれて、棄権票は不気味に増えている。         
                      「立候補する人々  ぼくらはみんな泡沫だ」 高橋 源一郎 より抜粋
  
          

 富士山が世界遺産に認定されたということで、TVでも特集番組がいくつかありましたが、、捨てられるゴミの多さは課題として残っているようです。
 世界遺産に認定すると、通常6年後にチェックするのだが、富士山は3年後に改めて世界遺産としてふさわしいかチェックする、という条件付きというのですから、少々(かなり?)恥ずかしいですね。