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DAZN観戦 2021年J2リーグ第29節 水戸ホーリーホックvsブラウブリッツ秋田

2021-09-14 16:53:04 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(27節・新潟戦、4-0)
※前回の秋田の記事はこちら(26節・長崎戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(10節、秋田 1-0 水戸)
※夏の移籍情報についてはこちら

中断明け以降5戦3勝(1敗1分)の水戸。
その3勝はいずれも上位クラブとの対戦(琉球・新潟・山形)であり、戦闘集団の本領発揮といった所でしょうか。

そんな状況で狙ったかのように、全く趣向の異なるサッカーを貫く秋田との一戦が組まれているのは日程のあやなのか。
前半での対戦は、早い時間に先制を許すと、ピッチに吹き荒れる強風にも苦しめられて完封負け。
何とかリベンジを果たしたい対戦となりましたが、その意気込みは今回も早々に挫かれる事となります。

前半1分、相手のクリアミスで安藤がエリア内でボールを持つシーンが生まれましたが、シュートまではいけず。
秋田のアバウトさが仇となるようなワンシーンでしたが、直後にそれを払拭するような攻撃で結果を叩き出します。
2分、フリーキックを素早くリスタートし武の収めから敵陣深め左サイドで攻撃。
細かい繋ぎからエリア内へ送られ、左から茂がシュートを放つと、これがナチュラルなクロスのようになりファーサイドで跳び込んだ吉田が合わせゴール。
最初の好機を綺麗に得点に結び付け、前回対戦時を上回る早さで先制した秋田。

早くもビハインドを強いられる水戸。
以降ボールを握らされる展開となり、かつ秋田のプレッシングの激しさを避けなければならないという状況。
それを警戒し、相手の2トップ(武・吉田)に対して、中里が降りて3人での最終ラインによるビルドアップの形を採り。
しかし以降の秋田はそれほどプレッシングを掛けず、自陣を固める方を優先する姿勢を見せ、肩透かしを食らったような状態となります。
当然ながらアタッキングサード~その一歩手前での秋田の寄せは激しく、水戸は攻撃機会は膨らむものの、フィニッシュへの道は険しいものとなりました。

18分にようやく最初の絶好機が訪れ、左サイドで攻める姿勢から一転右へと展開し、松崎のスルーパスを受けた安藤が奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで村田が合わせましたが、ゴール左へと逸れていきモノに出来ず。
「少ないチャンスで全力を尽くす」というのは秋田のチームカラーでしょうが、この日の水戸も、違うアプローチながらもそんな精神を見せなければ勝てない。
そんな事を考えさせられるワンシーンとなりました。
22分に秋田・吉田が、水戸・細川との競り合いで頭部を痛めたというタイミングで飲水タイムへ。(吉田は無事に復帰)

前節(群馬戦・1-0)に、待望の後半戦初勝利を挙げた秋田。
苦戦を強いられ、各クラブ対策が進んでいるのでは……という懸念が過るタイミングでの勝ち点3は何よりの良薬となったようであり。

メンバー的には、守備の要であるセンターバックのポジションに苦心。
大ベテラン・加賀が故障で長期離脱となり、さらに谷奥が27節(琉球戦・1-2)で負傷交代。
千田の復帰があっても差し引きマイナスで、この日はCBの控えはベンチに不在という状況となっており。
苦しさが成績面にも現れる中、それでも自分達のサッカーを貫徹するのみという戦い。
そのスタイル的にも、水戸とは違った意味で戦闘集団と呼びたくなる雰囲気が感じられますが、ダブル達成でそれを見せ付ける事が出来るか。

ブレイク明けも水戸がボールを握る展開は変わらずも、秋田は一度攻撃権を得れば、パワーを持って敵陣に攻め上がり。
26分には沖野がパスカットからドリブルで前進、パスを受けた武が中央からミドルシュート。(ブロック)
31分にはクリアボールが吉田に繋がり、沖野が右サイド奥までドリブルで切り込んでクロス(シュートまではいけず)と、沖野の突破力を橋頭堡とする攻撃。

それでもメインの手法はクリア気味のロングボールをFWに送るもので、そのためサイドバックの攻撃参加は目立たず。
しかし36分、左サイドでの繋ぎから吉田が逆へと振り、受けた藤山(右SB)が前進から沖野へパス、そして追い越してリターンを受けてクロス。
これを武がニアサイドで合わせヘディングシュートと、綺麗なサイドからの崩しを見せてのゴール。
ワンポイントでSBが決定的な仕事を見せた秋田、前半のうちに追加点を奪いました。

以降も水戸は攻撃権を握るものの、秋田の速い寄せの前にシュートは撃てず。
FWへ縦パスを入れても収めるのは困難、サイドから攻めてもクロスは悉くブロックされるというシーンが続き。
エースの中山仁斗も、狭いスペースの中そもそも仕事をする場面が生まれ辛い状況で、結局0-2のまま前半を終える事となります。

流れを変えるべく、ベンチもハーフタイムで3枚替えという大胆な策に踏み切った水戸。
奥田・村田・新里→伊藤・黒石・金久保へと交代。
金久保がボランチを務める、(恐らくは)初の布陣を披露しての反撃体制を採ります。

その後半の水戸のビルドアップは、中里が降りるという場面は減り。
代わりにサイドハーフ(右=松崎、左=伊藤)が降りて来てCBからパスを受けるシーンを増やす振る舞い。
立ち上がりにこうしたギャップを作る事で秋田の目線をズラそうという狙いは明白で、実際に時間が進むにつれてその動きは収まり、オーソドックスなボックス型での繋ぎが目立っていきました。

しかし相変わらず、スペースを作らない秋田のディフェンスの前に苦戦。
後半13分にようやく、右サイドで金久保が前進ののち松崎に渡り、ディフェンスに遭いこぼれた所を中央から松崎がミドルシュート。(枠外)
それでも苦し紛れに放った感は拭えずというフィニッシュで、中々好循環を作れない水戸。

一方、8分に2トップを揃って交代した秋田。(武・吉田→中村・齋藤)
浅めのFKから、長いロビングをエリア内へ折り返すという手法を採っていた攻撃ですが、そんな姿勢が幸運を招き入れます。
17分に左コーナーキックを得ると、キッカー輪笠のクロスがGK牡川に跳ね返されたのち、逆サイド手間から稲葉のクロス。
ファーサイドで増田が合わせにいく中、その前で中村が水戸・安藤に倒された所で、主審(岡宏道氏)の笛が鳴り響き反則・PKとなります。
これを中村がしっかりゴール中央へと蹴り込み、貴重な追加点を得た秋田。

このゴールの直後に両軍選手交代。(水戸=安藤→藤尾、秋田=沖野→三上)
水戸はさらに23分、松崎→山根へと交代し、早くも5人の交代枠を全て使いきる事となった秋葉忠宏監督。

既に攻める必要性が無くなった秋田に対し、過剰ともいえるボール支配により攻め上がる水戸。
そうせざるを得ないという側面もありますが、それでもその姿勢が良い結果を呼ぶとは限らず。
秋田のブロックの外側でボールを回し、チャンスボールを打ち込んでもすぐに寄せられ跳ね返される、といった大きく変わらないシーンが続きます。
29分には中山仁狙いのロングパスから、中央で細かくパスを繋いだのち、伊藤の中央突破からのこぼれがエリア内の中山仁に渡る絶好機に。
しかし間一髪で秋田・千田がクリアしシュートは撃てず。

3点リードしているうえ、外側である程度持たせても良いという意識が、心理的有利を齎しているようである秋田。
こちらも32分に最後の交代カードを切り、輪笠・茂→才藤・井上へと交代。
藤山がボランチに回り空いた右SBに才藤が入る、こちらも(恐らくは)これまで見られない配置に。
その直後に決定機が到来、右サイドで中村が浮き球を収めたのちさらに裏へロングパスを送り、受けた齋藤から繋いで三上が奥へ進入。
そしてマイナスのクロスがエリア内へ入り、走り込んだ飯尾が合わせるも撃ち切れず、こぼれた所を井上がシュートするもブロックに遭い。
守勢の中にあっても、一度カウンターで敵陣に進入した際は恐ろしさを見せ付けます。

焦れる水戸、終盤には金久保と伊藤の位置を入れ替え、伊藤がボランチの位置から左右に動き回る体制を採り。
43分には右サイドで組み立て、一旦奪われるもクリアボールを中里が拾い、伊藤がクロス。
ニアで金久保のフリックを経て、ファーサイドで藤尾がボレーシュートを放ちますが枠を捉えられず。
秋田の守備が乱れている間に好機を作ったもののモノに出来ず、そして以降そんな絶好機は訪れる事は無くなります。

アディショナルタイムに入り、強引にでも崩さなければならない状況の水戸。
山根が右からエリア内へと仕掛けるシーンもありましたが、実る事は無く。
最後は中里のミドルシュートがブロックされたのち、尚も繋いで山根がミドルシュートを放つも枠外に終わり。
そして秋田の勝利を告げる、試合終了の笛が鳴り響きました。

終盤の選手交代からも、CBだけでなく全体の選手層の薄さが露わになりつつある苦しさが垣間見えた秋田。
それでもブレる事の無いサッカースタイルを持ち合わせているのが何よりの支えであり、一体感はリーグ屈指といえるでしょう。

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第17節 福島ユナイテッドFCvsガイナーレ鳥取

2021-09-09 16:06:35 | サッカー視聴記(2021年その他)

<福島スタメン> 3-4-2-1
GK 山本
RCB 福島隼斗 CCB 堂鼻 LCB 鎌田翔雅
RWB 吉永 DH 上畑 DH 鎌田大夢 LWB 池高
IH 樋口 IH 橋本
FW 雪江
<鳥取スタメン> 4-4-2
GK 田尻
RSB 坂本 CB 鈴木 CB 石田 LSB 魚里
RSH 秋山 DH 世瀬 DH 新井泰貴 LSH 清永
FW 大久保 FW 石川

福島のサッカークラブといえば、Jリーグ入りを目指していたものの、J2が出来る前の1997年に破産・解散となった福島FC
その後を継ぐかのように生まれた(正確には1996年に創設)ものの、目標であるJFLへの昇格が叶わないまま現在に至っているFCプリメーロ辺りが思い浮かぶでしょうか。
しかしJリーグ参入を果たしたのはプリメーロでは無く、その後の2002年に新設されたクラブである福島ユナイテッドFC。(当初の名称はFCペラーダ福島、以下福島)
「イスマイラを輩出し、J2(京都)に押し上げたクラブ」として知名度が上がった感がある今季。

現在監督を務めているのは時崎悠氏で、現役時代は湘南でスタートし、最終的に福島で引退というキャリア。
つまりはOB監督であり、今季からの新任ですが、JFL時代の2012~2013年に指揮を執ったという歴史もある人物。(もっと言えば、選手時代の2007年に兼任監督の経験あり)
しかしフロントは元湘南という肩書の方にこだわっているようで、過去には栗原圭介氏・田坂和昭氏(現栃木監督)が務めた福島の監督業。

それもそのはずで、2013年以降現在J1の湘南と業務提携を結んでいるクラブ。
その縁はこの日も、湘南のスタジアムDJ(三村ロンド氏)が「レンタル移籍」でホームのとうほう・みんなのスタジアムのDJとして腕を奮うという形で表れていました。
提携以降、湘南からレンタル加入する選手の割合が増加し、今季も福島隼・トカチが在籍中。(トカチは今季から完全移籍)
その福島隼がゲームキャプテンを務め、「福島のキャプテンは福島」というメッセージを発信する事で、福島のクラブをアピールするかのように見えたこの試合。(本来のキャプテンは河西と諸岡の2人)

前半3分の福島、池高が左サイド奥へ切り込んでコーナーキックを獲得すると、コーナースポットへボールを足で移動させたのち場を離れ。
するとキッカーの位置に向かった樋口がドリブルを開始するというトリックプレーを仕掛けましたが、審判に止められてしまい。
どうやらルール改正が行われたようで、このプレー自体が不可能になったとの事。
昨年徳島が見せた事があるプレー(この試合)であり、改正はそれ以降行われたのでしょうか。

これで流れを失ったのか、ファーストシュートは7分に鳥取が放ち。(大久保・石川が中央突破を仕掛け、こぼれた所を秋山がミドルシュート・ブロック)
11分には福島も、右サイド奥からのフリーキックを得て、ボールはキッカー樋口のクロスに福島隼が合わせたような軌道を描き。
枠外のヘディングシュートという絵図でしたが、福島隼は相手に先に当たって自分は触れていないと抗議の姿勢を見せます。
しかしゴールキックの判定は変わらず、判定でギクシャクするような立ち上がりを強いられた福島。

そしてその流れに従うかのように、鳥取が攻勢に。
福島がトリックプレーで失ったCKを、多数得る等押し込み続けます。
18分には中央からの直接FKを得て、距離はかなりあったもののキッカー世瀬が直接シュート。(壁に当たり枠外)

この日は雨模様で、ピッチ上にも水分がかなり多い状況が影響したのか、FWに当てるロングボール中心の攻めが多かった両チーム。
21分の鳥取の攻撃、世瀬のロングパスを大久保がフリックでエリア内に送り、受けた清永がシュートするも枠外に。
23分には福島も、左サイドで池高がカットインからエリア内へロビングを上げ、雪江が胸で落とした所を樋口がシュートしますが枠を捉えられず。
飲水タイム直前に双方とも、それを象徴するようなフィニッシュシーンを作りました。

明けた後は、中々ショートパスが繋がらずにカットされるシーンが多発。
そして28分に、自陣で福島・上畑がバックパスした所、水でボールが失速。
慌てて鎌田翔が蹴り出した所を清永がカットして鳥取のショートカウンターとなり、これを直接大久保が裏抜けで受けてシュート。
先制かと思われた軌道でしたが、左ゴールポストを叩いてしまい、詰めにいった石川も撃てずと決定機を逃してしまいます。

以降もロングパス中心の攻撃となり、スローインも増大。
その度にFWがそれを収めにいくというシーンが増えるといった枠組みのまま、前半も終盤を迎え。

そしてそのスローインからの好機をモノにしたのは福島でした。
42分左サイドでのスローイン、跳ね返されるも池高が拾ってボールを確保、中盤の底まで戻してから逆サイドへ。
そして吉永からクロスが上がると、中央で橋本が落としたボールを池高が拾い、左ハーフレーン・エリアライン付近からシュート。
ボールは巻く軌道で綺麗に右サイドネットへと突き刺さり、見事なプロ初ゴールを挙げた池高。
現在は浦和から育成型レンタル中の立場ですが、J3の場でどれだけ自身の価値を上げる事が出来るかが勝負となるでしょう。

その後は鳥取も、清永のロングスローを交えて反撃しますが、ゴールを奪う事無く前半終了。
ハーフタイム、動いてきたのはリードしている福島の方で、堂鼻→河西へと交代。
本来のキャプテンの投入で、福島隼がキャプテンマークを譲ると共に、フォーメーションも大きく弄ります。
<後半の福島> 4-2-3-1
GK 山本
RSB 吉永 CB 福島隼 CB 河西 LSB 鎌田翔
DH 上畑 DH 鎌田大
RSH 池高 DH 樋口 LSH 橋本
FW 雪江

雨は止む気配が無く、ピッチ上では水が浮くのが目立ち始めます。

後半立ち上がり、ビハインドの鳥取が攻勢を掛け。
後半3分に魚里のミドルパスを大久保が胸トラップから、反転シュートを放ちますがゴール左へ外れ。
4分には自陣からの世瀬のロングパスが、直接エリア内を突いて石川が受け、切り返しからシュートするもブロックに阻まれます。

一方、大胆なポジションチェンジを敢行した福島。
前半は左右に散っていた吉永・池高が同サイドになった他、左サイドの攻撃では鎌田翔と鎌田大が近い位置を取り、ショートパスを繋ぐ場面が目立ちます。
11分にはその「W鎌田」による左サイドでの突破から、鎌田大のクロスをファーサイドで樋口が落とし、雪江がボレーシュートにいきましたがミートせず不発。

以降次第に膠着状態となり、得点が欲しい鳥取もベンチが動き。
17分に秋山→田口へと交代します。

1点を争うゲームとなる中、それに文字通り水を差す格好となるシーンも頻発。
18分の福島の攻撃、右サイドで池高がドリブルで前進ののち、エリア内へカットインし中央へ横パス。
しかし水たまりで失速し、橋本に渡らず終わります。
21分には鳥取も、大久保の左奥からのクロスがクリアされたボールを新井泰が拾い、右に展開するもこちらも水たまりに阻まれ。
坂本へのパスは通らず終わってしまいます。
どちらが押し気味かという判断もしかねる、好試合というよりは、絵図の通り泥仕合の様相へと突入しつつあったでしょうか。

福島サイドは22分に2枚替え(池高・橋本→長野・トカチ、雪江が右サイドハーフにシフト)を敢行。
23分に鳥取のCKから、田口が叩き付けるヘディングシュートを放つもゴール上に外れた所で、後半の飲水タイムが取られます。
福島が先程投入された長野・トカチが、水分補給をせずピッチに残っていたというシーンが描かれる中、試合は第4クォーターへ。

過去に「田んぼサッカー」と揶揄されたのを彷彿とさせるピッチ上もあり、ロングパス中心の攻撃が必須となる状況で、スコアを動かしたのは最終ラインからの繋ぎでした。
28分の鳥取、最終ラインから左SBの魚里が受けると、縦パス→清永ポストプレイで受け直してからドリブル。
ディフェンスにこぼされるも、拾った大久保がすかさずシュートし、ブロックされたボールを石川が拾ってエリア内へラストパス。
受けたのはここまで上がってきた魚里で、尚も前進ののちシュート。
ゴール左へと突き刺し、同点に追い付いた鳥取。

ホームで勝利を挙げたい福島は、31分に雪江→森へと交代。
前節に加入後初出場で即ゴールを挙げた森の投入で、勝ち越しのため攻め込まんとします。

その通りにペースを掴み押し込む福島ですが、悪天候もあり綺麗な攻撃は中々出来ず。
肝心のフィニッシュシーンも34分には上畑が、35分には長野がともにボレーシュートをミート出来ずと、天候による影響を感じさせるシーンを頻発させてしまい。
一方防戦を強いられる状況となった鳥取は、36分に大久保→原田に交代。(田口が右SH→FWへシフト)

終盤が見え始めた状況で、尚も攻勢を続ける福島。
右サイドでのスローインに連続で持ち込むという漸進戦術を見せ、これにより泥臭いながらも攻撃権を独占していきます。

そして40分、味方のクリアを右サイドで拾った鎌田大から攻撃開始、受けた森が前進ののち中央へパス。
これを手前で長野がフリック(意図的かどうかは不明)し、中央で樋口がワントラップでエリア内右を突き、そのままシュート。
際どいコースながらも鮮やかに左サイドネットギリギリに突き刺さり、待望の勝ち越し点を挙げた福島。

直後に鳥取は清永→杉井へと交代し、望みを繋ごうとするも、中々ボールを繋げず。
それどころかキックオフ直後、あろう事か後ろに蹴り出したボールが水たまりで止まり、福島に奪われてしまう始末。

アディショナルタイムに突入し、完全なロングボール攻勢へと切り替える鳥取。
何とか石田のロビングを中央で原田がヘディングで合わせますが、威力に欠けてGK山本がキャッチ。
結局そのまま福島が逃げ切り、2-1で勝利を収めました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 栃木SCvsレノファ山口FC

2021-09-08 16:32:48 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(順延25節・群馬戦、0-1)
※前回の山口の記事はこちら(22節・磐田戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

開始早々の前半1分、溝渕のラフな蹴り出しが、ワンバウンドして山口ディフェンスの裏を取るボールとなって栃木の決定機を演出。
これを受けた畑がエリア内からシュートするも、GK関がキャッチ。
何とか凌いだ山口ですが、これがハプニング性高いゲームの幕開けのようなシーンとなりました。

「ストーミング」スタイルを基調とする栃木とは裏腹に、山口は最後尾からしっかりと繋ぐスタイルを軸に、相手の隙を突いての攻撃を仕掛けるチーム。
しかしいきなりのピンチに浮足立ったか、4分にも栃木が決定機。
畑のボール奪取から谷内田が中央をドリブル、そしてエリア内へスルーパスを送ると、走り込んだ有馬がシュート。
GK関が前に出てセーブするも、勢い余った有馬と交錯してしまったのが山口にとって運の尽き。
跳ね返ったボールを西谷がダイレクトでエリア内に送ると、待ち受けていた豊田がバックヘッドでゴールへねじ入れるという技ありのシュート。
関が動けない状況ではどうにもならず、早々に先制した栃木。
この後関はその場で治療を受け、何とかプレイを続けるも、9分にこぼれ球を抑えた際に再度痛んでしまい続行不可能となってしまいます。
そしてベンチに入っていた吉満が急遽交代出場。

ハプニングによる被害を被ってしまった山口の立ち上がり。
気を取り直し、ボールポゼッションにより攻撃権を掴んで追い掛ける展開を演じます。

軸となっていたのが左ウイングバックの石川で、栃木のプレッシングを最終ラインでいなした末に、フリーになっているシーンが多々。
強度の高い栃木相手にしては、労せずしてビルドアップの出口と化しており。
そこから石川が中央へ縦パスを打ち込んだり、前へスルーパスを送ったりと、左サイドを起点とした攻撃を繰り広げます。

それでも好機となるのは、最終ラインで左右を揺さぶったのちの、裏狙いのロングパスという手法が目立った山口。
16分には田中陸のロングパスをエリア内右で収めた草野、そのまま右へと流れたのちシュートを放つも、前に出ていたGKオビ・パウエル・オビンナのブロックに防がれ。
直後にはヘナンのエリア内左へのロングパスに、今度は島屋が走り込んでダイレクトでクロス。
ファーに流れるも、その先に居た川井がシュート。(ブロック)

飲水タイム(23分)ののち最初に好機を作った山口、今度も変わらぬ手法で結果に結び付けます。
25分、左サイドから石川が中央へロングパスを送ると、草野が栃木センターバック2人(柳・乾)に付かれつつも収め、そのままペナルティアークからシュート。
栃木CBの対応の拙さも交わりましたが、縦ポン一発という言葉が相応しいゴールとなり、同点に追い付いた山口。

その後も攻勢を続け、好循環を保つ山口。
31分からコーナーキック攻勢に入り、1本目はクリアされたのち左サイド奥で組み立て、島屋がエリア内左から切り返してシュート。(ブロック)
2本目はクリアボールを拾った石川がミドルシュート。(エリア内のヘナンに当たる)
この時間帯は右サイドからの攻撃も交えつつ、多彩な攻めで栃木サイドを押し込みつつありました。

しかし38分に、草野が栃木・佐藤祥に反則を受けると、栃木・谷内田が異議(遅延行為かも?)で警告を受け。
ここから両チームに警告が出される展開となり、44分には佐藤祥に対し後ろから引っ張った山口・田中陸が、アディショナルタイムには田中渉をアフターで削ってしまった栃木・佐藤祥がそれぞれ受ける事に。

こうした乱戦模様になると栃木の思うツボで、ペースを失った山口を尻目に、終盤はGKオビンナのフィードを中心に攻撃を展開。
43分には山口・田中渉のロングパスを有馬がブロックし、前線で奪ってのショートカウンター。
畑のドリブルからのシュートは有馬に当たってしまうも、その有馬のポストプレイから佐藤祥がシュート(ゴール左へ外れる)と惜しいシーンを作り。
序盤に起きた関の負傷によりATは長めでしたが、上記の警告シーンもあり特に絶好機は見られず、1-1で前半を終えます。

「屈む年」の典型となってしまっている今季の栃木。
明本・田代といった主力選手が抜け、成績的にも前年から低下。
それだけでは無く、類似したチームカラーの秋田がJ3から昇格してきたという外部的要素もあり。
その秋田が残留争いを高みで見下ろす中位の位置をキープしており、どうしても下位互換と見られてしまいがちな栃木のサッカー。
従来のJ2クラブ相手に一歩も退かない秋田の戦いぶりが、逆に否定意見を呼び起こし(記事例1記事例2)「アンチフットボール」と揶揄される現象も起きる等、今季の秋田の存在が(賛否は別として)一定の波紋を生み出しているのは明らかでしょう。

前年のサッカーを取り戻すため、夏の補強ではオビンナ・黒﨑・溝渕を獲得し「出戻り組」を形成。
前節に久々の勝利を挙げた(愛媛戦・1-0)ものの、実にこれが12試合ぶりと、中断期間も考慮すればとても長く感じたであろう未勝利の期間。
サッカー的に、どうしても爆発的な攻撃力は期待出来ないチーム状況ですが、この日はここから意外な展開を描く事となります。

後半が始まり、ロングパスの蹴り合いによる入りを経て、川井のドリブルで反則・フリーキックを得た山口のチャンス。
クロスがクリアされるも、拾った田中陸から再度前線にロングボールが送られると、川井の落としを草野が受けてエリア内右を突く絶好機。
しかし放たれたシュートは右サイドネット外側と、枠を捉えられず。

後半の山口の攻撃は、一転して右CBの眞鍋が前に出る形を採り始め。
その分右側に出た渡部が起点となり、右サイド重視と見せかけて左へ展開するなど、左右くまなく使う攻撃を仕掛けます。

しかしその効果が出る前に栃木が攻勢を掛け。
後半9分、溝渕のミドルパスを中央で受けた有馬、そのまま左に流れ前進してクロス。
これがファーサイドに上がると、大外で黒﨑がヘディングシュートを放ちましたがGK吉満がセーブ。
ファーサイドへのクロスの威力が表れると、続く10分にもその攻撃を完遂。
ボランチの西谷を中心に、サイドチェンジのパスも交えつつ左右を揺さぶるという栃木っぽくない攻撃を経て、左サイドで谷内田がカットインからのクロス。
これもファーサイドに上がった末、合わせたのは豊田。
今度はGK吉満も止められず左サイドネットに突き刺さり、豊田の空中戦のパワーが炸裂して勝ち越し点を挙げた栃木。

再び追う展開を強いられる山口。
14分には渡部のロングパスが低いボールで島屋に渡り、そのままシュート(枠外)と、渡部が起点となる攻撃は機能しており。
また依然として、ビルドアップから石川がフリーで受ける場面が目立つなど、チャンスの芽は依然として健在。
栃木が4-4-2、山口が3-4-2-1というフォーメーションのギャップが、綺麗にこの現象を生み出していたという印象でした。

有利に進める山口ですが、得点は奪えぬまま後半の飲水タイムへ。(25分)
しかも栃木お馴染みの武器であるロングスローもある位置でのスローインで試合が切られた事が、大きな影響を及ぼす事となります。

明ける際に、島屋・田中渉→高井・河野に交代。(池上がシャドー→ボランチにシフト)
反撃意識を高める交代でしたが、逆に栃木の最初の攻撃への意識が薄れてしまったか。
左からのスローインで試合再開、当然栃木は溝渕がロングスローを入れ、ニアで柳がフリック。
これはクリアされるもボールは柳の下に収まり、中央方向へ切り返したのちエリア手前からシュート。
GK吉満のダイブも届かず、ゴール右へと突き刺さり追加点を挙げた栃木。
シュートは鮮やかでしたが、スローイン以外は柳のみで攻撃を完結という、珍妙なゴールシーンともなりました。

直後に栃木ベンチも動き、有馬・谷内田→矢野・森へと交代。
当然矢野がFWに入るのかと思いきや、矢野は右サイドハーフに入り畑がFWへ回ります。
これまで何度も山口・石川をフリーにしているのを防ぐための処置でしょうか。

そんな事を考えている内に、32分に再び栃木の好機。
左サイドから森がクロスを入れると、再度ファーサイドに上がったボールを矢野が中央へ落とし。
豊田のトラップを経て畑がシュート(ミートせずGK吉満キャッチ)と、攻撃面で矢野効果が表れ。

一方山口の攻撃は、石川への対処を受け、高井が降りてビルドアップの出口役となるシーンが目立ち始めます。
33分にはその高井からエリア内へロングパスが送られると、中央で裏に走り込んだ川井が収める好機となりますがシュートまではいけず。

35分に眞鍋が痛んだのを契機に、山口ベンチは再度動き。
眞鍋・石川→大槻・澤井へと2枚替え、CBを削ってFWを入れるという交代の通り、フォーメーションも4-4-2へとシフトします。
一方の栃木も39分に畑→大島へと交代し、矢野が本来のFWへとシフト。

40分には再び栃木が、左サイドからファーへのクロスという攻撃で、森のクロスに大島が合わせヘディングシュート。
しかし枠を捉えられずに終わると、山口が反撃。
最終ラインから右へ展開、川井から中央へ打ち込まれると、草野の前で栃木・西谷にカットに入られるもこぼれ球がエリア内の河野の下へ。
拾った河野は躊躇無くシュートを放ち、ゴールネットを揺らした山口。
遅まきながら2点目を挙げ、1点差に迫ります。

栃木は豊田が足を攣らせてしまったのもあり、キックオフの前に再度交代。
既に佐藤祥→松本へ交代していた所に追加で、豊田→三國ケネディエブスに交代しました。
山口とは逆に、FWを削ってCBを加える交代で、3-4-2-1へとシフト。
しかし45分に裏へのロングパスを通され、エリア内左から大槻がマイナスのクロスを入れるシーンが。
5バックで固める策を採ったのとは裏腹に、ピッチ上での意識が曖昧な面が見られ。

その後は高井の左サイドでのドリブルで反則を受けてから、セットプレーで押し込む山口。
サイドからのFKやCK、川井のロングスローなどを絡めて最後の攻勢を見せましたが、フィニッシュには辿り着けず。
結局3-2のまま試合終了と相成りました。

降格圏に順位を下げてからの連勝で、池から顔を出し一息ついたかのような状況となった栃木。
前年とは裏腹に守備面で危なっかしさが見られたこの試合でしたが、ハプニングにも助けられて撃ち合いを制する事に成功しました。
全盛期は去ったとはいえ、豊田のパワーは相変わらず驚異的で、残留の切り札となり得るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 V・ファーレン長崎vsFC琉球

2021-09-07 16:18:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(26節・秋田戦、1-1)
※前回の琉球の記事はこちら(25節・水戸戦、0-1)
※夏の移籍情報についてはこちら

中止が相次いだ事で、中断明け早々に前年を彷彿とさせる連戦を強いられた長崎。(天皇杯含めて4連戦)
その影響で、ホームでの開催もこの日が(リーグ戦では)初と、ヴィヴィくんのカメラにズームアップするあざとい入場シーンとともに久々の感触となりました。

前節は千葉相手に、恐らくは松田浩監督就任以降の体制ではワーストゲームらしき出来での敗戦。(0-2)
連戦の最後という事を考えれば仕方無いですが、それだけにこの試合で盛り返せるかどうかが大事となるでしょう。
スタメンはFWにベテラン・都倉を復帰させるという微調整を敢行し、上位に居る琉球との対決に臨みました。

入りの長崎は、中盤を省略するように最終ラインから縦パスやロングパスをFWに送る立ち回り。
FWエジガル・ジュニオを活かしつつの攻撃を見せますが、そのエジガルがポストワークの最中に勢い余って反則を犯す事2度。
2回目のものは前半7分、左ハーフレーンからの琉球のフリーキックで、清武の直接シュートを招く結果となります。(ゴール左上へ外れる)

その後琉球は、特徴である最後尾でのビルドアップから、斜めの縦パスを軸にして攻め上がりペースを掴み。
11分には上里がミドルシュートを放つ(枠外)など、主導権を握ったかに見えました。

しかし長崎は12分、再び江川が前線へロングパスを送ると、エジガルフリック→都倉ヒールパス→エジガル前進からパス→都倉エリア内左へ進入と2トップでチャンスメイク。
都倉のクロスはクリアされるも、こぼれ球を加藤大がエリア内右へ送り、受けた毎熊がシュート。(ブロック)
強力なFWの関係性から後方の選手のシュートに繋がる攻撃を見せると、以降はビルドアップも巧く回るようになります。

22分に長崎・エジガルが、24分に琉球・武田がシュートを撃ち合った(前者はブロック、後者は枠外)のち飲水タイムが挟まれ。
再開後は琉球が攻撃権を握り、攻勢を掛けようとするも、要所で立ち塞がったのが長崎のカイオ・セザール。
縦パスを打ち込んでも、彼にカットされたり、受けた所を奪われたりと流れを切られるシーンが続出しシュートまで持っていけずに終わります。

そのカイオのボール奪取から33分に長崎が好機を作る(エリア内まで運ぶもシュートまではいけず)と、綺麗に攻守交替の運びとなり。
直後にエジガルのボールキープに対し、後ろから琉球・武田がスライディングで倒してしまい反則・警告。
中央ながらエリアからかなり手前という位置で、キッカー加藤聖はロビングを選択し、エリア内右へ上がったボールを都倉が折り返し。
中央でさらに澤田が頭で繋ぐと、エリア内で受けた毎熊が切り返しからシュートするもブロックに阻まれます。
段々とゴールが近くなってきたという印象の攻撃で、その予感通りに絶好のチャンスが訪れる事となります。

37分敵陣左サイドで名倉が拾い、ディフェンスに遭い中央へこぼれたボールを都倉とエジガルが繋ぎ、受けた加藤がエリア内へ進入しシュート。
これを琉球・李栄直(リヨンジ)がブロックするも、跳ね返りが自身の振り上げた腕に当たってしまい、審判の笛が鳴りハンドの反則に。
当然PKの運びとなり、リバウンドが当たったという事で李は判定に不服の態度を示しましたが覆る事は無く。
腕が上がっていたのが主審(大坪博和氏)にとって悪印象だったというような傍らからの感想で、VARが無い以上仕方ないでしょう。
キッカーはエジガルで、ゴール右に蹴り込みしっかりとGK田口の逆を突き、先制点を挙げました。

反撃したい琉球ですが、その後もカイオの守備に苦しみながらの攻撃で、フィニッシュに辿り着く事は無く。
45分にはカイオを避けるように、福井の斜めの縦パスを阿部がスルーしますが、奥の武田には繋がらずというシーンがそれを象徴していたように思えました。

そしてアディショナルタイムに突入し、直前のプレーで李が倒れ込む中、再びのカイオのボール奪取から長崎が攻撃。
さらに名倉の縦パスをポストプレイした都倉が倒され、ピッチ上で2人が倒れ込む事態になりますが、プレーは切られなかったため攻撃を続ける長崎。
右ハーフレーンを毎熊がドリブルののち、エジガルとのワンツーでエリア内を急襲、奥まで切り込んでの切り返しからマイナスのクロス。
これを澤田が合わせてゴールに突き刺し、何となく腑に落ちない状況ながら、流れるような攻撃で追加点を挙げた長崎。
前半を2点リードで折り返す事となりました。

仕切り直したい琉球は、ハーフタイムで選手交代を敢行。
武田→池田へ交代と、故障離脱していた池田をこのタイミングで復帰させる手段を採りました。

しかし反撃の体制が整わないうちに、最悪の形で失点してしまう事に。
キックオフから最終ラインに戻し組み立てようとしましたが、右サイドへのパスを加藤聖がカットして長崎のショートカウンターに。
拾った加藤大からエリア内左へミドルパスが送られると、走り込んだエジガルからダイレクトで中央へ送られ、都倉がボレーシュートをゴール左に突き刺し。
前半終了間際・後半開始直後というタイミングでそれぞれ失点と、結果だけを見るならば「何をやっているんだ」と言われかねない追加点となりました。

その後何とか反撃を試みる琉球、トップ下に入った池田が右サイドで攻撃に絡むも、やはりシュートには繋がらず。
逆に長崎の攻撃が映える展開となり、後半7分にはカイオのパスの散らしから、毎熊のエリア内右へのスルーパスに走り込んだエジガルがヒールでクロスを入れる珍しいシーンが。(澤田が収めるも撃てず)
9分はエジガルのポストプレイを受けた都倉がドリブルからエリア内へスルーパス、エジガルが走り込んでシュート(GK田口セーブ)と、再び2トップの関係性を活かして決定機。
その後も攻撃を遮断され、反撃を奥深くまで繋げられるという琉球にとって辛い展開が続きます。
流れを変えたい状況で、15分に2枚替えを敢行。
上原牧人・清武→上原慎也・清水へと交代し、阿部・清水の2トップとする4-4-2の布陣へとシフトします。(上原慎は左SBに入り、金井が右SBへシフト)

2トップにした事で、後方からのロングパスに活路を見出す琉球。
20分に李のロングパスをエリア内で清水が落下点に入り、こぼれた所を阿部が拾って横パス、走り込んだ風間宏矢がエリア内からシュート。
しかしGK富澤が足でセーブと、折角得た決定機もモノに出来ません。
その後も圧力を掛けて攻め込むも得点は奪えず、23分に再びカイオにボール奪取され、そのカイオが痛んだタイミングで後半の飲水タイムに。

明けた後も、琉球はロングパス攻勢を続け。
その姿勢は普段の琉球とはかけ離れたような光景ですが、この手法で後半初のシュートに繋げたという実績は無視出来ず。
そして攻撃権を支配する事に成功し、迎えた30分。
右サイド中盤で風間宏矢のボール奪取から攻撃に移り、ドリブルののちエリア内左へスルーパス。
フリーで受けた阿部が中央へ折り返し、清水が相手のブロックを外すように合わせた柔らかいシュート。
GK富澤が阿部に出ていった事もあり、GK不在のゴールに吸い込まれて1点を返した琉球。
直後にスタミナ面を考慮してか上里→風間宏希へと交代、反撃の機運を高めます。

31分に敵陣で風間宏希の左→右へのロングパスを、金井が足で折り返し、エリア内中央で阿部が跳び込んでヘディングシュート。(枠外)
尚もロングパスで好機を作る流れを継続します。
一方の長崎、ここまでカードを切らずに好循環を保っていたものの、32分についに動きます。
都倉・澤田→植中・山崎へと2枚替え。(名倉が左サイドハーフ→右SHへシフト)
前線をフレッシュにする事でロングパスを抑制する狙いだったでしょうか。

その後琉球は、プレッシング敵陣でボールを奪ってからの好機を作り。
そこから35分には阿部がシュート、41分には風間宏矢がシュートを放つもいずれも枠を捉えられず終わります。

42分に再度2枚替えを敢行した長崎。(エジガル・カイオ→玉田・鍬先)
以降ボールキープに傾倒し、最終ライン~中盤でパスを回し続けて相手のプレスをかわすという、逃げ切りには持ってこいの立ち回りを見せます。
しかし45分には一転して、植中がドリブルでエリア内に進入、カットインからシュートという一幕が。(ブロック)

ATにCK攻勢に入った琉球でしたが、シュートに繋げる事は出来ず。
結局3-1からスコアは動かず、長崎が悪い流れを断ち切るような勝利を挙げました。

既に序盤戦の新潟・琉球の2強時代から、京都・磐田の2強へと移り変わっている現在。
新潟・琉球ですら2強から離され始めている状態で、長崎はじめ後方から追いかけるクラブは、好調という表現だけでは追い付くにはまだ足りず。
大連勝が不可欠な状況で、この日の勝利をその切欠とする事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 松本山雅FCvsジュビロ磐田

2021-09-06 18:30:50 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(22節・山形戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(24節・甲府戦、2-2)
※夏の移籍情報に関してはこちら

残留争いに向けて、中断期間を実りあるものにしたかった松本。
その最中に、前年まで在籍していたセルジーニョの再加入が発表されました。
今季開幕前に退団が発表されてから、韓国・大邱FCに加入したものの、家庭の事情により退団。
フリーになっていた所を、とにかく戦力が欲しい状況の松本が拾ったという図式でしょうか。
そんなエースの加入もあり、余剰戦力となりそうな戸島・浜崎を放出。
2人ともヴェルディにレンタルと、ユニフォームの色を変えない移籍な辺りが多少可笑しかったものの、今の松本にそんな事を思う余裕は無いでしょう。

故障による離脱期間を多発させているルカオや、前々節にようやく復帰した山口と、中心に据えたい選手ほど使えない状況に陥る事が多い最近の松本。(他は田中隼磨・橋内か)
中断明けの最初の試合で大勝(24節・秋田戦・4-1)したものの、押しも押されぬ主力となっていた前がその後故障で離脱してしまい、次戦から水を差されたかのように連敗。
特に前節は、最下位だった大宮に0-4の大敗という戦績になってしまい、そんな中で迎えた首位・磐田との対戦。

名波浩監督にとっては思い出深いチームですが、試合前のコメントではあまり触れずと、やはり自チームの状況が状況だけに余裕は無さそうであり。
対する磐田監督の鈴木政一氏、奇しくも教え子率いるクラブとの対決になったものの、それに関するコメントは無し。
こちらも昇格争いを戦う事に意識が振れていたと思われます。

最初にシュートに辿り着いたのは松本で前半3分、前述のセルジーニョが敵陣でボールカットし、そこからFWの伊藤翔へミドルパス。
エリア内中央で受けてシュート(ブロックされコーナーキックに)と、セルジーニョと同様夏の移籍で加入した伊藤翔が放ったものでした。
6分には再びセルジーニョがスルーパスを送ると、磐田DFの裏で受けた伊藤翔がエリア内右へ進入。
GKと一対一という状況になりましたが、放ったシュートは前に出たGK三浦にブロックされ先制ならず。
移籍組2人のホットラインで、首位チームを脅かします。

そんな松本ないしは名波氏の挑戦を受ける立場の磐田。
この日は山本義道が、普段とは逆の右センターバックでの出場となり、左CBには伊藤槙人。
前節は大井の出場停止で、伊藤槙が中央を務めていましたが、そこからさらにマイナーチェンジ。
動きを見ていると、どうやら山本義をセルジーニョに付かせる意図があったようで。

そんな最終ラインの守備から徐々にリズムを掴み始める磐田でしたが、その傍らで山田大記に受難が。
9分にセルジーニョの蹴ったボールが勢いよく鳩尾に入ってしまい、倒れ込む事態となった山田大。
その際は暫くして起き上がり復帰したものの、17分にはそれとは別に、どうやら足を痛めたようで早くも交代の憂き目に遭ってしまいます。(大森と交代)

ペースを掴んだ磐田が、先制点に辿り着いたのはその間の時間でした。
12分、右サイドのスローインから繋ぎ、大津が奥へ進入してグラウンダーでクロス。
クリアされるも、跳ね返りを拾った山本康裕がそのままミドルシュートを放つと、松本・星キョーワアンのブロックでコースが変わったのもありニアサイドをぶち抜き。
前節(相模原戦・1-1)に見せた豪快なミドルシュートから、運気はまだ続いていた様だった山本康、先制点を叩き出します。

(↓前節でのゴール)

先制された松本、最終ラインからボールを繋いで攻めようとするも、19分にはトラップミスを磐田・ルキアンにカットされて冷や汗。(シュートには繋がらず)
3バックの最終ラインを、右CB・宮部を右へと張り出させて2CB化したうえで、左にセルジーニョが降りて来ての形が主体。
そして両ウイングバックに高目でプレーさせるのが狙いなのでしょうが、磐田のプレスに悩まされていたようで中々攻め込めず。

飲水タイム(24分)が明けた後も攻撃機会を得れない松本を尻目に、磐田が攻勢を掛けます。
30分にはCKの二次攻撃から、右から山本義のダイレクトクロスが跳ね返されたのち、拾った大津がミドルシュート。(ブロック)
31分にもエリア内に松本昌也が運んだのちのクリアボールを、山本康が拾ってミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、相手クリア直後のミドルシュートが一つのブームになっているような磐田の攻め。

そしてポジションを激しく変動させてのパスワークはこの日も健在。
人数を掛けてパスを繋いでいるうちにボランチの山本康や遠藤が前に出て受けるなど、積極的なポジションチェンジを有効に崩しに繋げ、松本ディフェンスを翻弄していきます。
それは松本サイドの可変しての攻撃に対し、「ポジションチェンジとはこうやるものだ」とメッセージを送っているようでもあり。

磐田が主導権を握ったまま時間が進むも、アディショナルタイムには松本がようやく反撃。
右CKを経て、キッカー・セルジーニョのクロスに鈴木国友が合わせてヘディングシュートを放つも、GK三浦がキャッチ。
後半へ繋げたいフィニッシュが生まれた直後に、前半終了の笛が。

そしてその通りに、後半頭から攻勢を掛ける松本。(共にハーフタイムで交代は無し)
早速右サイド奥で表原が磐田・伊藤槙に反則を受け、FKを得て攻撃。
セルジーニョのクロスの跳ね返りを、エリア外からの佐藤のヘディングがゴールを襲ったものの、ゴール上部に惜しくも外れ。
後半5分には中央で伊藤翔のポストプレイを絡めて前進、鈴木国のスルーパスに宮部が走り込み、右サイドからグラウンダーでクロス。
これを伊藤翔が合わせシュートするも、ブロックに阻まれてゴールならず。
前半と比べ、セルジーニョ中心の左サイドでボールを持ってから、素早く逆の右へと展開して仕掛けるシーンが多かった後半の松本。
それが磐田の目線をずらす効果となっていたのでしょうが、結果からすれば、松本は勝つとしたらこのタイミングでの得点が必須だったと思います。

しかし結局はこの時間帯でモノに出来ず、その代償は高く。
磐田がペースを取り戻すと、11分には左サイドの攻めから大森がカットインののち右へサイドを変え、鈴木雄斗からクロス。
クリアされたボールがエリア内やや左へ浮き上がり、その落ち際を大森がボレーシュートにいきましたが、放たれたシュートはゴールバーを直撃。
松本にとっては九死に一生を得たシーンでしたが、直後の12分。
クリアボールをルキアンがポストプレイで繋いで磐田のカウンターとなり、大森を経由し中央で受けた大津がドリブルで前進し、そのまま豪快にミドルシュート。
地を這うボールがゴール左へと突き刺さり、やはりミドルシュートで仕留めた磐田。

2点差となり、以降磐田はサイドで人数を掛けてショートパスを繋ぎ、相手守備を走らせるシーンが増えていきます。
15分に磐田が松本昌→小川大貴へ交代すると、16分に松本も伊藤翔・セルジーニョ→山口・河合へと交代。(鈴木国がFWに回る)
初スタメンとなったセルジーニョ・伊藤翔は一定のクオリティは魅せてくれたものの、この日は残念ながら勝利を呼び込めず。

山口が加わった事で、サイド奥への意識から、遠目で勝負のパスを入れる意識が強まったでしょうか。
20分にエリア内へスルーパスを供給した山口、鈴木国が走り込むもオフサイドに。
その直後の21分、右サイドでパスを繋いだのち、右ハーフレーン手前から山口がクロス。
これに鈴木国が合わせヘディングシュート、しかしGK三浦にセーブされゴールは奪えません。

23分に磐田が長いポゼッションを経て山本康のミドルシュートで締めた(枠外)のち、後半の飲水タイムに。
明ける際に、スタジアムの照明の一部が落ちるというアクシデントもあったものの、さしたる影響はなく。
28分に松本・山口が右ハーフレーン遠目からシュートを放つ(枠外)という具合に、松本の姿勢も変わりません。(直後に表原→外山に交代、下川が左WB→右WBへ回る)

しかし29分、磐田に決定的な追加点が。
左サイドで伊藤槙の縦パスを受けた大津、コーナー付近でキープの姿勢からヒールで出すと、受けた大森がエリア内左を突いてグラウンダーでクロス。
中央でルキアンが合わせてネットを揺らし、3点目を加えた磐田。
松本サイドが人数を掛けて奪わんとしても、それを上回るクオリティを見せ付けての得点となりました。

その後守備の意識を強める磐田に対し、松本は攻撃権を支配していくも、万策尽きた感は拭えず。
35分に佐藤・鈴木国→山田真夏斗・阪野へと2枚替え。

38分には左サイド奥から外山からクロスが入ると、阪野が合わせにいった所こぼれ、河合がボレーシュートを放つもブロックに阻まれ。
惜しいシュートは何本か見られるも、最後まで得点は出来ません。

40分に磐田は3枚替え、ルキアン・大津・遠藤を、それぞれファビアン・ゴンザレスに金子と鹿沼に交代します。
以降双方攻撃が繋がらない時間が続き、磐田が支配力を犠牲にして守備力を上げたような終盤の展開となり、ATを迎え。

ATも松本が攻め上がり、何とか1点を奪わんとするも、それをいなされると磐田の攻撃を浴びる展開に突入。
最後の磐田の攻撃、左サイドで大井の裏へのロングパスが小川大に渡ると、前進からカットインでエリア内左奥を突いてマイナスのクロスを入れる小川大。
それを金子が合わせて仕上げ、磐田が4点目を挙げ、そのキックオフ直後に試合終了。
金子の移籍後初ゴールという副産物も得た、磐田の完勝という結果に終わりました。

2試合連続の4失点で敗戦してしまった松本、1試合消化が少ないのも影響し順位は21位(暫定)へと下がり。
18位まで勝ち点は24~26という僅差のため、それ以上にこの2戦で得失点差がマイナスに膨らんでしまった(マイナス25でリーグワースト)のが、終盤の際どい争いを想定すると痛いでしょう。
とにかく勝ち点を多く得るしかない状況で、明日はどうなるでしょうか。

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