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個人昇格した男達~2020年開幕前・その2

2020-01-31 18:42:29 | 雑記

その1

話は脱線し、レンタルバックでJ1に戻って来た選手を取り上げます。
どう見ても「昇格とはいえない」ような選手も少なくないのはご愛敬。

<レンタル移籍から戻って来た選手達>

・柳貴博(FC東京⇔山形FC東京→山形→仙台) DF 前年の成績 28試合・2023分出場 得点2
育成年代のうちにFWからコンバート、その影響で生まれた長身サイドバックで、ポテンシャルは計り知れず……という逸材。
FC東京ではJ3(U-23)の域を出ず、前年山形に育成型レンタルでやって来た。シーズン序盤こそ出番は少なかったが、16節で初のスタメン出場を果たしてからは主力として活躍、山形は3バックであり右ウイングバックで機能した。
そして戻って来た今季、修行の成果を発揮できるか注目したいが、右SBに居る室屋の壁は厚くどうなるか。
※2/19追記-仙台へのレンタル移籍が発表されました

・秋山大地(セレッソ⇔山形) MF 4試合・67分出場
前年夏にセレッソから移ったボランチ。それまでにも愛媛にレンタルの経験を持つも、際立った成績は残せず(2017年の12試合出場が最多)。
そして今季、移籍してきて3試合目の25節でスタメン出場。大ベテラン・本田の代役ボランチとして期待されたがチームは敗戦、自身もハーフタイムで交代と結果を出せず。結局スタメンはこの1試合のみだった。
不本意な成績のままでのレンタルバック。正直J1で飛躍するイメージは浮かばないが、今夏に再度レンタルになるかも。

・浅野雄也(広島⇔水戸) MF 34試合・1172分出場 得点4
海外でA代表定着を狙う浅野拓磨の弟として注目され、今回のレンタル復帰の際は、広島の公式HPに兄・拓磨(海外に渡る前は広島)のコメントまで載る事となった。
主にスーパーサブとして働き、中盤はスタメン出場も増加。しかし夏の移籍で小川・福満の獲得があった事で、アタッカーとしての価値が薄れ尻すぼみで1年を終えたという印象だった。
その経緯も特殊で、前年水戸に入団→夏に広島へ完全移籍→レンタルで水戸移籍、という形で水戸で1年間プレーというもの。広島の縁故採用的な側面が窺えるが、兄弟揃って海外移籍という夢のような事が現実になるように、という願掛けの意味もあるだろうか。

・中坂勇哉(神戸⇔京都) MF 7試合・161分出場 得点1
神戸ユースからの生え抜きで順調に出場機会を増やしていたが、クラブの大型補強のあおりを受けて暗転。2018年途中は未出場のまま海外へレンタル移籍(スペイン3部)、戻って来た前年も起用される事は殆ど無く、今夏再びレンタル。
初出場の30節でいきなり得点を挙げ、鬱憤を晴らす移籍劇となるかと思われたが、その後鳴かず飛ばずでシーズン終了。そして再び神戸に戻ったが、今季も期待薄である。ACLなどで出番を得れれば良いが。

・西村恭史(清水⇔岡山) MF 出場無し
清水ではリーグ戦未出場。高卒2年目と若く、チームが残留争いの渦中にあった事もあり、育成型でJ2へ。
しかし岡山でも出番は無く終わり(天皇杯で1試合出場)、清水に戻る事に。再びレンタルに出されるのは時間の問題だろうが、まずはまとまった場数が欲しい所だ。

・後藤雅明(湘南⇔金沢) GK 3試合・270分出場
湘南には上の立場に秋元・冨居が控えており、前年金沢へレンタル。しかしここにも白井がドッシリ構えていた。
背番号1を背負ったものの、出場は3試合に留まった。早々の2節でスタメン機会を得るなど期待はされていたのだろうが……。
帰ってきた湘南は、秋元が町田へレンタルされて若干手薄になり、チャンスはあるか。

・新井栄聡(清水⇔金沢) GK 出場無し
清水ではリーグ戦未出場の大卒2年目。3試合でベンチ入り(いずれも白井欠場時)したものの出番は無く終わった。
育成型だったため、当然ながら清水へ復帰。GKは再編の真っ只中であり、チャンスは無きにしも非ず。

・山田寛人(セレッソ⇔琉球セレッソ→琉球→仙台) FW 10試合・772分出場 得点2
J3(U-23)では点取り屋として活躍していた前年。セレッソに鈴木を引き抜かれた琉球が、穴埋めに選んだのが同チームの山田であり、入れ替わるように育成型でレンタル。
2得点とそれなりに結果は出たが、同時期の上原の大活躍に後塵を拝した格好となってしまった。セレッソに帰還したものの、ブルーノ・メンデスが残留、都倉も復帰してくる今季も状況は苦しいだろう。
※2/7追記-仙台へのレンタル移籍が発表されました

・永石拓海(セレッソ⇔山口) GK 出場無し
大学2年時に鳥栖に特別指定で在籍(出場無し)も内定には至らず、4年時にセレッソに内定という変わり種。
レンタル元でもレンタル先でも出場は無く、セレッソに復帰。にも拘らずずっと背番号1を背負っているのは、多大な期待を受けているのか、それとも1番の価値はもはや無きに等しいのか。

・佐々木匠(仙台⇔山口) MF 22試合・1636分出場 得点3
レンタル所属が3クラブも続いた男。最初の徳島では活躍は無かったが、2018年讃岐で40試合出場・4得点と躍進。そして前年は山口でさらなる成長を期待されたが、数字的には伸び悩み。
小柄な身体が仇となったのだろうか、シーズン途中にはボランチでの出場も目立ち、讃岐で見せた攻撃の中心的役割はあまり果たす事は無く、終盤には出番すら失った。
それでも今季は(今の所は)仙台に復帰。折しも監督交代が行われたクラブであり、チャンスをモノにしたい。

・宮代大聖(川崎⇔山口) FW 19試合・1413分出場 得点2
川崎では史上初の「高校3年時でのプロ契約」となった選手だが、層の厚さで出番は皆無、前年夏の移籍期間早々に育成型レンタル。
加入直後から早速CFとして起用され、素材の良さを見せ付ける。しかしポストプレイヤーとしては機能しても得点には中々恵まれず、スタメン10試合目でようやく初ゴール(34節)。
2得点は物足りない成績ながら、初めてプロの場で足跡を付けられたのは進歩。川崎という厳しい競争の場を勝ち抜く事は可能だろうか。

・石原広教(湘南⇔福岡) DF 37試合・2963分出場
湘南ユースの生え抜き。2種登録されてからというもの激しくJ1⇔J2とカテゴリが入れ替わる中、石原自身も中々成績を伸ばせず、前年にレンタル移籍。
リーグ序盤は定まらない戦術のあおりを受け、警告を貰う事多数で出番も安定せず。しかしその期間を乗り切ると、ほぼ安定してWB(SB)のポジションを確保。初瀬が加わってからも、脅かされる事は殆ど無く1年を乗り切った。
もし湘南がJ2落ちしていたら戻る事はあっただろうか、そんな事を考えさせられる福岡でのシーズンであり、継続する事は出来るか。

・初瀬亮(神戸⇔福岡) DF 9試合・801分出場
2017年にはA代表も経験(ただし出場は無し)した逸材。代表入りへの意欲旺盛という感じで、出番を求めてガンバ→神戸と渡り歩いたが、酒井の加入で出番を失うと前年9月に育成型レンタルで福岡入り。
WBなら両サイドをこなせる利便性で、リーグ終盤での加入ながら石原と双翼を担う。またプレースキック役も務めるなどその能力を見せ付けたが、チームが下位低迷していたのもあり大きな活躍は出来ず。
そして神戸で迎える今季、初のACL出場でアピールの場も増えるはずだが、代表復帰への足掛かりを作れるか。

・前川大河(セレッソ⇔福岡) MF 40試合・2209分出場 得点2
喜田とともにセレッソから育成型でやって来た。それにしては出場数に大差が付いたものだが。セレッソに入団当初(2015年)はJ2で、その後徳島に3年間レンタルされて福岡に至るという経歴なので、J1経験は無し。
セントラルMFとして起用されたが、攻撃の方にウェイトがある選手らしく、チームが監督交代を機に守備的にシフトすると存在感は希薄に。それでも37節で魅せたスーパーミドルなど潜在能力を発揮した試合もあり、成績的にもっと伸びても良かった。
レンタル生活の最中にセレッソはJ1上位レベルのクラブに飛躍。その中でのハイレベルな争いに打ち勝つ事は難しそうだが、キッカケが欲しい。

・喜田陽(セレッソ⇔福岡) MF 10試合・420分出場
前川とともに(以下同文)。セレッソ時代はJ3(U-23)での出場のみで、J2へとカテゴリをアップ(?)させて挑んだ前年。
しかし徳島での経験を生かし主力に収まった前川と比べ、チョイ役に留まる事となった福岡での生活。中盤に4試合スタメンで出る機会を得たものの、その4試合は全敗とツキにも恵まれずという1年だった。
前川でも苦しそうなJ1での戦い、喜田が割り込む余地はあるのだろうか。

・茶島雄介(広島⇔千葉) MF 22試合・1268分出場 得点1
広島ユースの後は大学に進み、卒業後広島入り。プロ入り後も順調に上昇曲線を描いていたが、2017年のチームの落ち込みとともに出番を減らし、翌年から千葉でのプレーとなる。
レンタル1年目の2018年こそ39試合に出場したが、前年は開幕スタメンもそこで故障・途中退場したのが躓きの始まりで、復帰後も主力として扱われる事は無く、終盤は完全に出番を失った。
千葉移籍当初は右SBが主だったが、本来は攻撃的なMF。前年はチームの低迷もあり、「何処でも起用できない」ような状況であったが、戻った広島が彼を生かすポジションは何処になるか。

・増田卓也(広島⇔町田) GK 38試合・3420分出場
広島では西川(現浦和)・林の壁に阻まれ、2017年よりレンタル生活の路線に。2年間長崎でプレーした後、前年は町田へ。
能力は確かでありあっさりと正GKの座を掴んだが、チームは低迷とアンバランスさが目立ち、増田自身も夏場にサブに転落した時期を作ってしまった(その際のスタメンは福井)。
レンタルバックを組み込みつつの編成な今季の広島、川辺の活躍で味を占めたのだろうか。

・山内寛史(セレッソ⇔町田) FW 17試合・619分出場 得点1
典型的な長身FWで、セレッソから2018年9月に育成型レンタルで移籍。それでも8試合出場・無得点に留まったが、期間延長で前年も町田でプレー。
しかし長身FWが揃っている(中島・富樫)中で価値を見出すのは難しく、開幕当初こそレギュラー扱いだったが結果を出せずに終わった。正直延長せずにセレッソU-23で戦った方が良かったかな、という1年になってしまった。

・平川怜(FC東京⇔鹿児島) MF 7試合・371分出場
日本人でクラブ史上最年少でリーグ戦デビュー、という輝かしい冠言葉が付いた選手。ただし2017年・2018年と出場はともに1試合のみで、前年も1試合出場と不遇をかこい、夏場にレンタル。
しかしクラブは残留争い真っ只中の鹿児島。加入当初は起用されていたが、出場7試合いずれも未勝利に終わったうえ、7試合目の34節に負傷で前半途中交代、以降は出場無く終わった。
結局鹿児島はJ3降格し、育成型だったため平川はFC東京に舞い戻り。成長したのかどうかは非常に疑問だが、やるしかない。

・アンジュンス(セレッソ⇔鹿児島) GK 36試合・3240分出場
韓国ユース代表経験も持ち、次代のA代表を狙う立場。となるとライバルは札幌のクソンユン辺りで、彼もセレッソ選手経験を持ち、そのセレッソには現A代表のキムジンヒョンが在籍……と、韓国代表GK=セレッソという関係が浮かび上がる。
セレッソでは出場無く移籍先で活躍、というのはクソンユンと同じ。ただし彼はレンタルであり、2年間鹿児島のゴールを守り続けたのち今季帰還。
となると、前年最終盤に鹿児島の正GKが大西に挿げ代わっていたのは、レンタルバックは既定路線だったのだろうか。代表入りを目指すならば、他クラブに移籍した方が近そうだが果たして。

・市丸瑞希(ガンバ⇔岐阜) MF 14試合・740分出場
将来を期待されるボランチだが、トップチームの層の厚さを破れず、前年は育成型で岐阜へレンタル。
しかし岐阜は残留争い、しかも最下位からの脱出を図るクラブという事が災いしたか、レギュラーに定着する事は無く。スタメンの機会は少なくなかったものの、やはり敗戦が込むと選手の序列も激しく入れ替わるのが常であり、36節を最後に起用される事は無かった。
そろそろJ1でも纏まった出場数を残さないと後が無い立場になってきたが、大ベテラン・遠藤の牙城を脅かせるかどうか。

・高畑奎汰(大分⇔鳥取) DF 12試合・988分出場 得点1(J3)
ユース出身の期待の星で、序盤はJ1という舞台でも出場していたが(6試合・296分)、定着には至らずJ3へと戦いの場を移す。
左SBが本職(かつてはMFだったとの事だが)故、大分の3バックに適応するにはWBか左CBに活路を見出す事をしなければならず、新人には厳しい難易度。
そして鳥取である程度の結果を残し帰ってきた高畑、今季は大分に順応なるか。

・イユノ(仙台⇔福島仙台→福島→仙台→ガンバ) GK 出場無し(J3)
韓国から練習生として日本にやって来て、高校を中退し入団を決意。韓国人GKは能力的に信頼がおけるものだが、シュミット・ダニエル(現ベルギー)の壁は厚い仙台なので出場無く、前年福島へレンタル。
しかし福島もキムミンジュンという、湘南からレンタルで来ていた同胞選手が所属。そのキムミンジュンと2番手の座を争い、ベンチ入りの数では上回ったが結局出場無く終わった。
そしてレンタルバックとなったが、シュミットは既に居ないものの、ヤクブ・スウォヴィクがガッチリ正GKの座に就いている仙台、出番はあるのだろうか。
※3/7追記-ガンバへのレンタル移籍が発表されました

・宮本航汰(清水⇔岐阜) MF 25試合・2149分出場 得点1
清水ユースからの生え抜きで、早くからレンタル路線へ向かう事を余儀なくされた。長崎で2年間過ごした後、今度は岐阜で2年間過ごし、この度帰還。
岐阜時代は主力として定着したが、前年は故障だったのかフルには活躍出来ず。前半の8連敗はあまり被らずに済んだが、その後もチームは低空飛行を続け、宮本は出場こそ重ねるが降格へと向かうチームを救う事はならなかった。
それでもJ2で場数を踏んで戻って来た宮本、チーム再編の真っ只中な清水で飛躍を狙う。

・市川暉記(横浜FC⇔鳥取) GK 10試合・900分出場(J3)
横浜FCからレンタルで出された際はJ2だったが、鳥取で戦っている間にクラブはJ1昇格、そしてレンタルバックでJ1の舞台に立つ……かどうかはかなり厳しい。
前年の鳥取は正GKが固定できず、市川の他は北野が12試合・井上が12試合。しかもシーズン後は3人とも退団し、今季も苦労する事が予想される。
それはともかく今季の市川だが、正GKの南が最晩年とはいえ、清水から六反を補強しており立場的には相変わらず。

・安永玲央(横浜FC⇔富山) MF 2試合・15分出場(J3)
ユースを経てトップチームに昇格したが、齊藤光の台頭を成す術も無く見送った後、自身は夏場にレンタル。
しかしその悔しさをバネにする事は、この出場記録では皆無だったと言わざるを得ないだろう。育成型だったため戻って来たが、恐らく今季も途中でレンタルになるのではなかろうか。それをチャンスと捉えられるか。

その3へ続きます


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