ぶらりドリブルの旅

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個人昇格した男達~2020年開幕前・その1

2020-01-29 16:17:46 | 雑記

こちら(Number)の二番煎じですが、自己満足も兼ねて取り上げたいと思います。
※取り上げるのはJ2(またはそれ以下のカテゴリ)→J1へ移籍した選手です。
※J2降格したての松本・磐田からの移籍選手は厳密に「個人残留」といえるので扱いません。

<完全移籍した選手達>

・奥井諒(大宮→清水) DF 前年の成績 26試合・2177分出場 得点1
一度は大宮と契約更新したものの、その数日後に清水への移籍が発表された。清水側の強引な引き抜きというのが大方の見解だが、大宮側も移籍金獲得という利点があるため、一方的な清水側の意思かは不明。ともかく大宮が降格となった2017年以来J1の土を踏む事に。
ウイングバックで出場を重ねていたものの、32節以降出番はパッタリと無くなってしまう。WBにはイッペイ・シノヅカの途中加入もあり、そのあおりを受けた格好となった。
清水のサイドバック事情は折りしも松原の海外移籍が発生し再編期となっており、サイドハーフもこなせる便利屋ぶりもアピールしつつレギュラー定着を狙うのだろうか。

・茨田陽生(大宮→湘南) MF 37試合・2887分出場 得点5
攻撃の舵取りが持ち味のセントラルMF。柏時代(2009~2016年)から長らくJ1で戦ってきたが、大宮に移籍した途端に降格・J2での戦いを強いられるという経緯なだけに、納得出来なくも無い移籍。
シャドーでの出場が主だった前年、もう片方のシャドーの奥抜とともに5得点。
そして「昇格」先は湘南で、シャドーの競争が激しいチームへと入ってしまった印象が強いが、本来はボランチであり両方出来る利点は大きいはず。

・梶川裕嗣(徳島→マリノス) GK 41試合・3690分出場
昇格を目指した徳島の戦いを支えた守護神も、この度個人昇格。以前は湘南でJ1経験はあるものの出場は2試合のみだった。
ポゼッションスタイルの徳島、そのビルドアップを最後尾で支えた実績が評価され、同じくGKにビルドアップ能力を強く求めるマリノスが獲得。正GKには朴一圭(パクイルギュ)が構えているだけに出番は激減するだろうが、まずは2番手の座を掴むのが目標だろう。

・内田裕斗(徳島→鳥栖) DF 37試合・3119分出場 得点2
J1クラブ(ガンバ)でスタートもJ2に都落ち、出場を重ねる事5年でJ1に戻る事に成功した内田。(といってもガンバ時代は主にJ3・U-23選抜での出場のみだったが)
左WBから左センターバックへとポジションを移し、何度もキレの良い攻撃参加を魅せて貢献。かくいう自分も内田のオーバーラップは好きなシーンの一つで、あの後方からのドリブル突破がJ1でも通用するか、着目して観たい。

・杉本竜士(徳島→マリノス) MF 33試合・2585分出場 得点4
J1は2018年に名古屋で経験するはずだったが、開幕直後というタイミングで徳島に移籍。その悔しさをバネに……という判で押したような表現が似合う活躍を前年は魅せてくれた。
内田とともに左サイドアタックを担い、徳島の攻撃に厚みを持たせる存在として活躍。単なるクロスだけに留まらないその攻撃は見応え十分だった。
梶川とともにマリノスに移籍、J1でも層の厚いクラブであり出番が回って来るかは不透明だが、類似したサッカースタイル間での移籍だけに順応性を見せたい。

・野村直輝(徳島→大分) MF 39試合・3219分出場 得点7
説明不要の存在感を魅せた野村、当然といえば当然ともいえる「昇格」を果たし、しかも移籍先の大分では早々に背番号10を背負って挑む事に。
徳島在籍は1年のみで、それまでは横浜FCでキャリアを積む。2018年は寸前で昇格を逃したシーズンとなり、それを経て徳島に移籍したがまたもや寸前で昇格する事が出来ず。そして元の横浜FCは昇格と、この運の無さが今後の懸念か。
大分はJ1とはいえ、規模はJ2に近い現状のクラブであり、集めた人材を生かしきる事が生命線。そのクラブで野村はどんな輝きを放つだろうか。

・小出悠太(甲府→大分) DF 36試合・3135分出場
大学(明治大学)から甲府に入団して3年。1年目はJ1で10試合出場し、クラブがJ2に落ちてからはレギュラーとなり、前年はキャプテンも任されていた。折しもディフェンスリーダー的な存在の山本が晩年に差し掛かり、世代交代が果たされた格好で飛躍する事に。
その前年はCBの中央をこなしていたが、チームが昇格に黄色信号が灯った残り4試合というタイミングで、右CBへとポジションを移した(空いた中央には新井が入る)。これが功を奏して残り試合全勝・プレーオフ出場を果たすも、結局昇格はならず。
そして個人昇格となった小出、利便性のある3バックの一員としてJ1でも活躍できるだろうか。

・佐藤和弘(甲府→大分) MF 33試合・2650分出場 得点6
「JFLからJ1へ」というステップアップの連続の経歴は、前年の藤本(現神戸)の活躍で注目を浴びたが、佐藤もこの度の移籍でこの経歴を完成させた。Jリーグ入りを目指す金沢に入団し、クラブとともにJ2まで昇格。ここから水戸→甲府と渡り歩き、クラブは昇格出来なかったが、小出とともに大分に移籍。念願のJ1へ歩む事となった。
ボランチ・シャドー(トップ下)両方をこなすセントラルMFの例に漏れず、パスワークと得点力両面で活躍した前年。
この佐藤とワンセット気味にボランチ・シャドーで起用されていた横谷も移籍(愛媛)し、チームの形を新たに作らなければならなくなった甲府、前途はいかに。

・坂元達裕(山形→セレッソ) MF 42試合・3163分出場 得点7
新人ながら全試合出場、この数字だけを見ても彼の放つ輝きは凄まじかった事が窺える。1トップ・2シャドーの人選に苦労していた前年の山形だけに、その価値も絶大。
ドリブル突破に優れ、スペースに走り込む能力も健在と、まさに攻撃にスイッチを入れられる存在として終始活躍。
そして早くもそれが目に留まり、僅か1年(特別指定での在籍は含まず)での移籍劇となったものの、こうして人材の流動性がアップする事は当然リーグ全体の底上げにも成り得る。坂元本人は代表入りを目標としているとの事なので、まずはレギュラー争いに打ち勝ちたい。

・志知孝明(水戸→横浜FC) DF 39試合・3510分出場 得点5
環境や役割の変化で劇的に変貌を遂げる選手も居る。前年松本から水戸に移籍してきた志知はその典型で、それまでのMFからSB(左)へとコンバートすると大ヒットとなり、開幕からスタメン出場を続ける大活躍。
プレースキックも出来、ヘッダーにもなれる攻撃面の万能性は以前のポジションで培ったであろうもので、SBながら5得点を記録した。
シーズン終盤は浜崎・外山にスタメンを奪われる事もあり、残って欲しいが絶好の売り時でもありという難しい立場になっていたと予想する。そして移籍となったのだが、クラブにとって誤算なのは浜崎も移籍した事だろう。

・浜崎拓磨(水戸→仙台) DF 6試合・526分出場 得点1
その浜崎だが、志知の大化けに押されて出場機会は僅かに終わったシーズン(故障か?)。にも拘らず仙台が食指を伸ばし移籍と相成ったのは、出場・活躍が終盤であり、かつ志知に劣らず攻撃面で目立っていたからだと推測。
志知と同じくプレースキック役を務められるSBであり、永戸が移籍した穴埋めのために仙台が獲得、という背景だろう。
また彼もスタートはJFL(FC大阪)であり、このラッキーともいえる形で得たJ1への挑戦権、手放したくない所である。

・湯澤洋介(京都→鳥栖) MF 4試合・10分出場
かつてユニバーシアード代表に選ばれた選手であり、プロ入り後はJ2クラブを渡り歩くものの近年は先細り気味。クラブの迷走真っ只中の京都に移籍したのが暗転の始まりで、安定・上昇期になった前年はさらに出番減。
何故J1の鳥栖が獲得に走ったのかは不明だが、汗をかける中盤の選手が欲しかったのか(繊細は不明なので個人の印象)、あるいは単に小屋松との抱き合わせ移籍だったのか。謎は尽きないが、シーズンが始まればいくらか明らかになるだろう。

・小屋松知哉(京都→鳥栖) MF 42試合・3722分出場 得点9
言わずと知れた、仙頭とともに京都の両翼を担った人材。その仙頭とは高校時代にチームメイトだったという。高校卒業後は名古屋に歩みを進めたが、故障もありJ1では華々しい活躍は出来ず、2017年から京都へ、そして仙頭と再会する。
前年の京都という独特の戦術の下活躍した(それ以前も活躍していたけど)アタッカーであり、ハードワーク以外はオーソドックスなスタイルの鳥栖とはマッチするのか不安はあるものの、再びのJ1で成長した姿を見せられるか。

・仙頭啓矢(京都→マリノス) MF 36試合・2657分出場 得点10
言わずと知れた、小屋松とともに(以下同文)。小屋松との違いは、高校卒業後は進学を選択し、そして直接京都に入団した事。まだ選手像が出来上がっていないのが災いしたか、プロ入り直後はボランチをやったりもしていたらしいが……。
その分「前年大化けした」感は小屋松より強く、CFの一美とのトリオで脅威の攻撃力を形成。その3人が揃って移籍するのはチームにとって痛手なのは間違い無いが、クラブ(京都)は自信を取り戻したようで、昇格に向けて大型補強を敢行し現在に至っている。

・一森純(岡山→ガンバ) GK 34試合・3040分出場
育成時代はセレッソで過ごしたが、昇格出来ず大学へ。そして当時JFLの山口に入団し、チームが1年毎にステップアップしていく中で自身も成長、という綺麗な歩み。しかし2016年オフに主力の大量移籍が起こった山口、一森もその流れに沿い岡山へ。
岡山でのプロ生活は決して楽とは言えなかっただろう。入ってすぐに櫛引(現山形)と正GK争い、それに打ち勝ったかと思えば翌2018年には札幌から加入した金山との争い。前年は開幕から金山が起用されたものの、9節以降逆転し以降フル出場と、ここでも勝利した一森。
しかし山形に移籍した櫛引と違い、今度は勝った一森の方が移籍のレールに乗る事となった。ただし移籍先はJ1のガンバで、東口が控える今度は容易に勝利は出来ないだろうが、チャンスを掴みたい。

・仲間隼斗(岡山→柏) MF 40試合・3485分出場 得点15
柏ユースでプロ入りを狙うも、柏には上がれず熊本へ入団。そして巡り巡って、この度柏に完全移籍で戻る事に。
攻撃的MFとしてのレベルの高さは、前年の得点記録で証明済み。左サイドハーフが主な働き場だったが、左での攻めに留まらない幅広い動きでゴールを量産した。逆サイドのレギュラーだった関戸が1得点のみという成績を見ても、仲間を軸にした攻撃が岡山の売りの一つなのは明らかだった。
移籍先の柏も岡山と同じ4-4-2が基本システムだが、数多の助っ人選手が所属し層の厚さは比ではない。厳しい戦いが待ち受けているが、生存競争に残れるか。

その2その3へ続きます……


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