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DAZN観戦 2020年J1リーグ第2節 横浜FCvs北海道コンサドーレ札幌

2020-07-07 17:45:16 | サッカー視聴記(2020年以前)

主力選手の流出は北爪・戸島ぐらいに留まり、13年ぶりのJ1での戦いを、戦力を落とさずに挑むのに成功した感のある横浜FC。(4か月前の開幕節は1-1で勝ち点1をゲット)
思えば2007年の戦いは、昇格を置き土産として引退したFW城の穴埋めが最後まで出来ず、浮上の兆しすら掴めず終わってしまった。
その時の反省を踏まえ……たかどうかは不明ですが、高齢選手が多いという問題を抱える編成でも、据え置きとしたままで今季を迎えています。

しかしフロントがそう感じても現場は別問題。
この日は大胆な若手抜擢ととれるようなスタメンを選択した下平隆宏監督。
おまけに従来の4バックから、3バック(3-3-2-2?)へとフォーメーションも変更。
高齢化問題に立ち向かうかの如く、瀬古に星キョーワァンと新人抜擢にも躊躇無く行い、開幕節とは別のチームがそこに居たかのようでした。

前年の戦いで既に、齊藤光毅をはじめ中山・松尾・草野ら有望な選手の発掘・抜擢には躊躇無く。
彼らが昇格を経験出来たのは好材料ですが、他クラブから獲得した選手も一美・小林と若手が目立ったオフ。
「経験豊富なベテラン選手との共闘」は、既に前年までに済ませていたので、更なるプラスとするために彼らと近い年代の選手を増やすという思惑もあるでしょう。
今季は降格無しというレギュレーションになった影響も、そんな采配に拍車をかけたと思われます。

この日の相手の札幌は、J1昇格したのが4年前。
その時の昇格経験者は宮澤・荒野・進藤・福森・深井と少なくない人数が揃っており、いずれも主戦力。
見本とまではいかずとも、フォーメーションとは別の意味でミラーマッチのような雰囲気が見受けられたのは、単にお互いがポゼッションスタイルのサッカーだからというだけでは無い気がしました。

立ち上がりは交互に攻撃権を取る展開の中で、札幌が個の力を見せ付けて先手を取ります。
前半3分、自陣で白井のパスを受けた鈴木武蔵が、深井とのワンツーで攻め上がってパス。
ジェイ→チャナティップと渡り、チャナティップからのグラウンダーのクロスに走り込んで合わせたのは、一気に上がってきた鈴木でした。
一度は田代のブロックに阻まれるも、反応良く再度シュートを放ち、星の股を抜いてネットに突き刺さる先制点となりました。

その後7分にも、菅のスライディングでのクロスに同じように走り込んでのシュート(枠外)。
11分には福森の縦パスをチャナティップがしっかり収め、彼のパスを受けてエリア手前からシュート(枠外)と、躍動する鈴木。

迫力ある札幌の攻撃にも怯む事の無い姿を見せる横浜FCサイド。
後方からパスを繋ぎ好機を作っていくサッカーを、J1の舞台でも見せていきます。
中村・松井がベンチなため、ボランチでゲームを作っていくのは佐藤。
本来なら2列目登録の瀬古・松浦は、佐藤の左右に位置取りを見せ3ボランチのように映っていました。

すると16分。
中盤での一美のポストプレイは最終ラインまで戻り、田代→小林→佐藤と渡ると、佐藤は一美へ縦パス。
今度はフリックでの入れ替わりを選択した一美、これが札幌・福森の裏をかいて抜け出す事に成功し、GK菅野と一対一の絶好機に。
エリア内に入った一美は落ち着いて左へとドリブルし、菅野を反応させた後に無人のゴールへシュート。
J1の先輩にも全く引けを取らない、巧さ溢れるゴールでした。

その後は横浜FCが攻撃回数を増やし、札幌は主にジェイのポストプレイを起点としてのカウンターを狙うという展開に。
飲水タイムを挟んで、30分頃から札幌が押し込み始めるも、シュートを撃てずにいると再び横浜FC側に主導権が。
しかも今度は際どいシュートが何本も生まれます。

32分、佐藤が一美とのワンツーで中央を進んだのち瀬古→志知へ展開、左サイドからの志知のグラウンダーでのクロスに一美が合わせるも枠外に。
38分、ルーズボールを星が前へ送ると、齊藤光が収めて一気にドリブルでエリア内へ。
左側からシュートを放つもGK菅野がセーブしてコーナーキックとなり、キッカー齊藤光のクロスから志知がヘディングシュートを放つも、これもGK菅野が防いで逆転ならず。
40分には右サイドで攻撃を作り、瀬古のスルーパスで奥に抜けたマギーニョがグラウンダーでクロス。
ブロックに遭ってこぼれると、齊藤光が拾ってエリア内右からシュート、これがゴール左を際どく襲ったものの惜しくも外れ。
札幌GK菅野が大忙しといった印象を残し、前半を終えます。

そんな横浜FCの戦いぶりに触発されたか、後半はネジを巻き直したかの如く札幌が攻勢。
やはり上昇機運にあるクラブとの戦いは、自身を目覚めさせるものがあったのでしょう。
札幌自身がちょっと前まではそうだったように。

前半の立ち上がりは主に左サイドからの攻撃で良い形を作っていた札幌、強力な武器である福森のフィード・縦パスをちらつかせつつの、裏をかくショートパス攻勢。
そして敵陣深くへスルーパスを通すという内容が光っていましたが、相手のペースになるとともに雲散霧消していた感があり。
そして後半、思い出したかのように左サイドから攻勢をかけ、それが功を奏して主導権を握ります。
横浜FCの右サイド(札幌の左サイド)はマギーニョという事もあり、攻撃意欲が強い彼の弱点を突く形にもなったでしょう。

そして後半8分に勝ち越しゴールが生まれますが、ここでの攻撃は中央。
1点目と同じく、鈴木が自陣でボールに絡んだ(荒野の縦パスをポストプレイ)後に最前線へ。
そしてチャナティップのスルーパスで最終ラインの裏抜けに成功し、エリア内右からシュートしGK六反の横を破るゴール。
前年よりさらに進化したような姿を見せ付ける、この日の鈴木のマルチゴールでした。

その後は札幌のベンチワークが目立つ展開に。
13分に最初に投入したのは新人の田中。(深井と交代)
といっても前年特別指定で所属しており、かつ日本代表で出場を果たすなど既に修羅場を経験している選手。
札幌ではこれが初出場ですが、ボランチに入り試合を引き締める役割を担います。

その通りに、以降横浜FCは好機を作れずに時間を消化。
たまらず20分、3枚替えを敢行(一美→皆川、志知→武田、マギーニョ→中山)して反撃に転じようとします。
しかし直後の21分、福森ロングパス→ジェイ胸で落とす→鈴木スルーパス→チャナティップ左サイドからドリブルでエリア内進入という札幌の流れるような攻撃。
チャナティップは横パスを選択し、走り込んだジェイがフィニッシュにいくも、シュートはふかしてしまい決定機を逃してしまいます。

追加点こそ奪えませんでしたが、飲水タイムを挟んでも札幌のペースは変わらず。
田中はその期待通り、中盤でパスカットを見せたりと光るプレーを見せます。
そして次の札幌のカードは28分、荒野→高嶺という再びボランチ同士の交代。
高嶺は田中同様前年は特別指定で在籍、ルヴァンカップで経験も積んできましたが、この日はまだ時期尚早という印象。
ポジショニングに苦労していたようで、その後彼に対するミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ)の大声での指示が目立つ結果になりました。

札幌が高嶺を投入した直後、横浜FCも2度目(4枚目)の選手交代を行い、瀬古→松井。
札幌同様ボランチの交代で、終盤の経験豊富なベテランの力に頼らんとする起用ですが、ここでのこの選択は一定の効果が。
以降横浜FCがペースを握り返す事に成功します。

ビルドアップの際は、左右のセンターバック2人がワイドに開き、ボランチ1人が降りて来るという方式にいつの間にかシフト。
それはまるで「ミシャ式」のようであり、苦境に立たされて自然と相手の得手をモノにしていた……かどうかは解りませんが、ともかく再び攻勢に出る横浜FC。
最大のチャンスは佐藤の縦への推進からで、皆川とのパス交換を繰り返してバイタルエリアに入った所で札幌・宮澤に倒されて反則。
これで得たエリアすぐ手前からの直接フリーキック、キッカー齊藤光が直接狙ったボールは綺麗に壁を越えますが、僅かにゴール上に外れてしまい万事休す。

その直後札幌も3回目の交代、横浜FCと同じく3枚替えを敢行(チャナティップ→金子、白井→ルーカス・フェルナンデス、宮澤→駒井)し、田中がCBに回る逃げ切り体制へ。
それでもアディショナルタイム、駒井・鈴木がチャンスを作りエリア内でルーカスがシュートを放つ決定機を作った札幌。(GK六反セーブ)
横浜FCも45分に中村を投入しました(松浦と交代)が、効果が表れる前にタイムアップ。

スタメンの段階では横浜FCの若手抜擢が目立ったものの、札幌サイドも途中交代で田中・高嶺・金子とフレッシュな選手を起用したこの日。
前年終盤の失速を踏まえたのか、新戦力の補強もあまり行わず、現有戦力の手駒を増やさんとするベンチワークが印象的でした。
降格無しなうえ過密日程という要素もある今シーズン、何処も若手抜擢に積極的になるでしょうが、最後に笑うのはどのチームか。


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