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DAZN観戦 2020年J2リーグ第24節 アビスパ福岡vsギラヴァンツ北九州

2020-10-08 17:14:58 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(順延9節・大宮戦)
※前回の北九州の記事はこちら(20節・山形戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(1節)

福岡ダービーの2戦目は、胸すく上位対決となって行われました。

目下8連勝中と、勢いは止まる所を知らない福岡。
とにかく強固な守備陣が相手の攻撃を跳ね返し続け、この間の失点は僅かに3。
前節(栃木戦)は「全とっかえ」のターンオーバーを敢行し、その中でも勝利を手繰り寄せるなど良い事づくめの中、大きな意味を持つこの試合を迎えました。

反対に福岡の一つ上の順位(2位)に居るものの、勢いは衰退気味の北九州。
チャレンジャー精神を良い意味で発揮し続けてきた立場でしたが、あわよくば昇格も現実的となり、守りに入る事も視野に入れなければならなくなった。

必然的な要素故仕方無いものですが、長丁場のJ2リーグではその僅かなズレが大きく成績に影響してしまう。
21節を境に未勝利、首位の座も明け渡す事となってしまいました。
ポイントゲッターのディサロ燦シルヴァーノも故障発生と、悪い事が重なる厳しい状況。
さらにこの日は全試合出場していた高橋大悟(1試合のみ途中出場)も累積警告で出場停止。
中盤の片翼を失い、どうバランスを保つかも試される一戦となりました。

前回対戦は開幕節で当たっており、両クラブとも「あの時とは違う」という並々ならぬ思いがあったでしょう。
それが交錯したかのように、アバウトな蹴り込みによりボールが右往左往するという試合の入りになりました。
ただしそれは、しっかりとパスを繋ぐ北九州にとっては計算し難い展開。

その通りに前半5分、そのアバウトなボールで最初にチャンスを得た福岡。
石津のラフなロングパスを、フアンマ・デルガドと競争になった北九州・村松がファーストタッチをミス、その隙に付け込んでフアンマが拾う絶好機に。
そしてエリア内に進入してゴール右へシュート、しっかりとゴールに結び付けて先制に成功。
連勝中も2ゴールに留まっていたフアンマ、この大事な試合でファーストシュートで得点を挙げました。

いきなり追いかける展開となってしまった北九州。
その後も中々「自分達のサッカー」というレールに持ち込めず苦労しますが、10分頃からようやく落ち着きを取り戻し反撃体制に。
いつものように2センターバック+ボランチ1人という最終ラインでビルドアップの下地を作り、ショートパス主体に縦パス・ロングパスを絡める多彩な攻撃を繰り広げる事となります。
12分、村松の左へのロングパスを受けた福森が椿を走らせるスルーパスを出し、椿がクロス。
ブロックされるもコーナーキックとなり、ショートコーナーから新垣のクロスが上がると、町野がヘディングで合わせ(枠外)北九州もファーストシュート。

福岡もカウンター主体の姿勢を崩さずファイティングポーズを取り、17分にはCKからフアンマがヘディングシュート。(枠外)
「ポゼッションの北九州vsカウンターの福岡」という図式が綺麗に成り立ちます。

守備の固い福岡に対し、北九州も「変化の必要性」に駆られていたでしょうか。
20分頃に、右サイドバックの藤原が中央へ絞っての攻撃を2度展開。
元来、加藤・國分の代役としてボランチでの出場が主の藤原、この日はSBへと転身していました。
そんな特性を活かそうとしての事でしょうか。
空いた右サイドには右サイドハーフの新垣が開いて変化を見せましたが、この場面では有効打とはならず。
逆に、違う事をやり出した報いなのか福岡のカウンターに晒されます。
21分に増山のバイシクルシュート(GK永井キャッチ)、22分に石津のシュート(ブロック)とゴールを脅かされるなど、福岡の攻撃が目立った格好で飲水タイムへ。

しかし明けた直後の28分。
村松の縦パスから椿が左へ出し、福森がクロスを上げる展開に持っていくと、ニアサイドに入るボールを町野が擦らすヘディングシュート。
惜しくもゴール右へと外れたものの、ここから北九州が攻勢を掛けます。

32分には敵陣で國分が拾い、パスワークを経て左サイドから國分にボールが戻ると、國分のミドルシュートが福岡ゴールを強襲するも右ゴールポストを直撃。
39分には直接フリーキック、中央の良い位置から加藤が直接シュートを放つもGK村上がセーブ。
惜しいシーンを演出するも、同点ゴールは生まれず。

逆に福岡は非常に粘り強い守備をこの日も展開。
現状最も安定感あるコンビであろう前・松本のドイスボランチを軸に、サイドの選手も北九州のサイドアタックに喰らい付き、容易にボールを運ばせません。
特に攻撃力に定評のある左SHの石津までもが球際に強さを見せる守備を披露し、これが長谷部茂利監督によるディフェンス強化の成果か、と唸らされました。
前年同じく「ハードワーク」を信条としながら、脆弱ぶりを隠せず残留争いに巻き込まれたチームの面影は何処にもありませんでした。

結局前半は1-0のまま終え、後半に突入。
その後半も、攻める北九州と守る福岡のぶつかり合いとなります。
そんな中、後半4分に福岡が得た左サイドからのFK。
福岡の長身選手が中央に位置する中、キッカーのエミル・サロモンソンはグラウンダーでのクロスを選択します。
しかし誰も反応せず、GK永井に直接渡り攻撃終了。
物議をかもすキックとなりましたが、この謎めいた行動がこの後生きたのか。

同点にしたい北九州、その後もシュートを放っていきます。
6分、岡村の右へのロングパスから、新垣の縦パスを受けた町野が巧いトラップでエリア内右へ。
そして彼のマイナスのクロスを椿が合わせる決定機も、シュートはGK村上がセーブ。
続く7分も、左サイドで椿が持ち上がったのち、パスを受けた池元がエリア内左からシュート。
しかしこれもGK村上がセーブと、正GKセランテスの穴を埋めるのに十二分の活躍を見せ、北九州はゴールを奪えません。

白熱の展開が続く中、17分にはそのGK村上回りでアクシデント、しかしそれは北九州サイドに降りかかります。
町野の縦パスを受けた藤原(ここでも中央に絞っていたか)、そのままエリア内へスルーパスを送り、トラップした椿がエリア内へ進入。
これをGK村上が飛び出してブロックすると、両者激突し倒れ込む事態となってしまいます。
村上は無事起き上がったものの、椿は続行不能となり担架で運ばれ、佐藤亮との交代を余儀なくされます。(新垣が左SHへ回り、佐藤亮が右SHへ)

この日の佐藤亮は非常にサイドに張る傾向が強く、以降藤原が中央へ絞るという変化を常時強いられるようになった北九州。
これでバランスが崩れたのか、福岡の攻勢が始まります。
とはいってもカウンターから得たセットプレーが攻撃の主でしたが。

25分の左からのCK、キッカーのサロモンソンはファーサイド浅い位置へとクロスを上げると、折り返しからフアンマがバイシクルを狙いましたが空振り。
その後エリア手前で直接FKを得た福岡。
サロモンソンは直接シュートを放ち、ゴール左隅を狙うもGK永井がセーブしてCKへ。
前述のサイドからのFK含め、様々な手口を見せた福岡のセットプレー。
そして次のCK、サロモンソンの中央へのクロスをフアンマがヘディングシュート。
綺麗にゴール右へと突き刺さり、大きな追加点を挙げた福岡。
セットプレーの最大火力である、フアンマの高さへの警戒を薄くする事に成功しての結末だったでしょうか。(この場面も、ニアサイドでドウグラス・グローリが跳び込んでマークを惹き付けていた)

北九州は反撃を試みるも、流石に精神的ショックが大きかったのか以降は思うようにパスが繋がらず。
34分に3枚替えを敢行(加藤・岡村・新垣→川上・河野・野口)した後も同じで、流れを変えようにも、レギュラーメンバーがごっそり退いたとあっては上手く行きません。

逆に福岡の攻撃が目立った終盤。
中盤でのインターセプトから敵陣深くまで攻め込み、反撃の糸口を与えず。
40分前後からは再びセットプレー攻勢で、時計の針を進めたうえで、最後はフアンマのヘディングシュート(ゴール上へ外れる・42分)で締め。
北九州サイドの精神力を削っていきます。

そして2点リードのままアディショナルタイムへ突入。
北九州も開き直ったか、ここからようやく相手を押し込むモードとなります。
川上や國分がミドルシュートを放ち最後の意地を見せましたが、いずれもGK村上にキャッチされ通じず。
そのままタイムアップを迎え、福岡が2-0で勝利。
お互いの成長が傍らから感じられた試合でしたが、スコアは前回(1-0)よりも開いて福岡がダブル達成と相成りました。

これで福岡は9連勝で、前半戦で先んじて9連勝を達成した北九州と、この試合を以て順位が入れ替わる皮肉な結果ともなりました。
北九州が攻撃力が目立っての達成だったのに対し、福岡は守備力が発揮されての達成と対称的。
よって崩すのはとても難しく、昇格圏に入った成績とともに、果たして止められるチームは現れるでしょうか。


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