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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 準々決勝 オランダvsアルゼンチン

2022-12-12 16:01:35 | サッカー視聴記(2022年その他)

<オランダスタメン> 3-4-1-2
GK ノベルト
RCB ティンバー CCB ファンダイク LCB アケ
RWB ダンフリース DH デローン DH フレンキー・デヨング LWB ブリント
IH ガクポ
FW ベルフワイン FW デパイ
<アルゼンチンスタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK エミリアーノ・マルティネス
RCB ロメロ CCB オタメンディ LCB リサンドロ・マルティネス
RWB モリーナ DH フェルナンデス LWB アクーニャ
IH デパウル IH マクアリステル
FW メッシ FW アルバレス

参考動画 -オランダ vs アルゼンチン|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

勝ち残りも8チームに絞られ、必然的に強豪同士の対戦が発生する状況。

英雄・メッシを有するアルゼンチンですが、グループリーグで一波乱に塗れ、初戦でサウジアラビアにまさかの逆転負け。
突破が危ぶまれたものの、以降はレールに乗る事に成功し勝利を続け、ここまで辿り着きました。

そこで待ち受けるのが、アルゼンチンにとって様々な因縁を持つ、ファン・ハール監督率いるオランダ。

 

日本のサッカーしか知らない自分みたいな人間にとって、過激というイメージを象徴するような関係でしょうか。
そしてこの日の試合も、それを固定化させるような内容となりました。

センターバックのファンダイクを中心とした強固な守備が特徴のオランダと、運動量に難があるメッシを組み込んでの前線の守備を常時考慮しなければならないアルゼンチン。
2つの要素が絡み合い、慎重・様子見といった立ち回りの試合絵図となり。
それでも一度攻撃に入ったアルゼンチンのサッカーは見応え抜群。
前半5分にモリーナのパスカットから、メッシのスルーパスで素早くエリア内右を突き、走り込んだモリーナがマイナスのクロスを入れるシーンに持ち込み。
ディフェンスに当たりこぼれた所をデパウルがダイレクトでシュートするも、エリア内に入っていたメッシに当たって跳ね返るという、凄まじい圧でエリア内に人数を掛けた末の功罪の双方が表れる好機となりました。

ゴールに迫るシーンは多かったアルゼンチンですが、ボールポゼッションは主にオランダのものであり。
プレスが緩めというのもあり、最終ラインからの前進は難なく果たせるオランダでしたが、肝心のシュートは生み出せずという「ボールを持たされる故の攻めあぐみ」の典型例の域を出ない攻撃となりました。
16分には中央からボランチと前線3人のパスワークで前進した末、デパイが左ポケットを突いてクロスを上げ、ファーサイドでダンフリース折り返し→逆サイドでブリント(僅かに合わず)という惜しいシーン。
人数を掛けた末に両ウイングバックがフィニッシュに絡むという組み立てを見せるも実りません。
24分に再び中央~右ハーフレーンでのパスワークで前進、デパイとのスイッチを経たベルフワインがシュートを放った(ゴール右へ外れ)のが、オランダ唯一のフィニッシュとなりました。

アルゼンチンはメッシが中盤に降りる事で、彼を使う攻撃・使わない攻撃という択を掛けるような立ち回りへと入り。
それに対してオランダもマンマーク気味の守備にシフトする事で対抗。
そうして球際の強さが発揮されていく中、「遺恨試合」に相応しい色合いも強まりを見せたでしょうか。
前半31分に、アルゼンチンのベンチ(コーチのサムエル氏)に対し警告が付き出されたのがその元凶といったシーンになり。

そんな不穏な雰囲気はひとまず脇に置き、変わらず気丈に攻め込むアルゼンチン、33分に中央からデパウルがシュート。(GKノベルトキャッチ)
そして迎えた35分、ここもオランダのスルーパスをカットしたのち素早くベクトルを前に向ける攻撃で、右ハーフレーン→中央へと持ち運んだメッシのスルーパスでエリア内を突き。
走り込んだのはファーストシュートのシーンと同様モリーナで、今度はシュートを選択してゴールネットを揺らします。
着実にフィニッシュシーンを積み重ねてきた成果がスコアに反映されました。

その後も40分にメッシのシュートがゴールを襲う(GKノベルトキャッチ)など、アルゼンチンの攻撃が目立つ一方で、スコアが動いた事で不穏な空気がピッチ上にも顔を出す事となります。
43分にオランダ・ダンフリースのボールキープをアルゼンチン・アクーニャが反則で止めた事でヒートアップし小競り合いに。
そして反則を犯したアクーニャとともに、手を出したオランダ・ティンバーにも警告が出された事で、カードが飛び交う試合の幕開け。
直後の45分に、オランダ・デパイの浮き球の収めをハンドで妨害したアルゼンチン・ロメロに対し警告。
明らかに腕を挙げてのハンドという事で、ヘイトも溜まりやすい状態となってしまったでしょうか。
アディショナルタイムには、アルゼンチンの反則に対して声を荒げるオランダベンチ。
それによりベンチメンバーのウェクホルストが警告を受ける有様であり。
その後反則っぽいチャージにも笛は鳴らずというシーンが量産される等、明らかに審判団がゲームコントロールをミスしているようでありました。

結局アルゼンチンの1点リードで折り返しとなり。
巻き返すべくオランダはハーフタイムで2枚替えに踏み切り、デローン・ベルフワイン→コープマイネルス・ベルフハイスへと交代します。

代わってトップ下の位置に入ったベルフハイスが降りてボールを受ける、3ボランチのような布陣で中盤を厚くするオランダ。
ボランチの片割れが最終ラインに降りる可変も交え、ボールを握る体勢を固定化させに掛かります。
しかしボールを運びやすくなる以上の効果は得られず、前半同様にフィニッシュに繋げられない時間が続く事となります。

そんな停滞気味のオランダを、掻き回すのはやはりメッシ。
10分に再び腕を挙げてのハンドを犯してオランダサイドから(警告無しに対する)抗議を受けるも、逆にこれでエンジンが高まりを見せたでしょうか。
16分に自陣でのボールキープを始めるメッシ、1人剥がした後に手放すと、今度は敵陣に進入ののちデパウルの戻しを受けて再度ドリブルに入り。
これをオランダは(ファンダイクが)反則で止めるしか無く、エリアからすぐ手前の直接フリーキックへと移行します。
そして直接蹴ったのはやはりメッシで、放たれたシュートがゴール上を襲うも、僅かに外れて命拾いしたオランダ。

流れを変えたいオランダは19分にベンチが動き、ブリント→ルーク・デヨングへ交代すると共に、フォーメーションもシフト。
<後半19分~33分までのオランダ> 4-2-3-1
GK ノベルト
RSB ダンフリース CB ティンバー CB ファンダイク LSB アケ
DH コープマイネルス DH F・デヨング
RSH ベルフハイス CH デパイ LSH ガクポ
FW L・デヨング
投入されたL・デヨングが最前線に入り、ターゲットを務め。

しかしそんな采配も空しく、オランダは以降もフィニッシュに辿り着けず、アルゼンチンの反撃に押し込まれるという流れは続き。
依然としてアルゼンチンペースという展開で、それを締めるに相応しいのはやはりメッシのゴールでした。

26分にアルゼンチンは右サイドからのスローイン、意表をついて長い距離で一気に中央へ送ったのち前進、左サイドでアクーニャのドリブルに繋がり。
奥へ進入して切り返し、その動作でエリア内を伺ったアクーニャに付いていったオランダ・ダンフリースでしたが、アクーニャの右足を引っ掛けて倒してしまい。
たまらず反則の笛が鳴り、際どいながらもエリア内に進入していたという事でPKが与えられたアルゼンチン。
当然キッカーはメッシが務め、しっかりと軸足の向きとは逆方向へシュートを放ちGKを反応させず、ゴール右へと突き刺さり。

プレーで再三試合を盛り上げたメッシによる追加点、さらにそのメッシの挑発じみたゴールパフォーマンスもあり、色を失う格好となったオランダ。
こうなると遺恨試合の下地もあり、試合が荒れるのは避けられなかったでしょう。
直後の30分にオランダはベルフハイスがクロスを上げ、GKE・マルティネスが抑えた所でオランダL・デヨングと激突。
これで両軍ヒートアップして手も出てしまった結果、アルゼンチンはLIマルティネスが、オランダはデパイが警告を受けてしまい。
その余所でピッチ上に乱入者が出現するという事態も生まれ(放送席の談)、完全にカオスな雰囲気に呑まれてしまう事となりました。

それを良しとしないのは、試合を締めて逃げ切りたいアルゼンチンの方だったでしょう。
逆にオランダは混沌具合をモノにすべく、33分に既にベンチで警告を貰っていたウェクホルストを投入(デパイと交代)し、彼とF・デヨングの2トップに。
つまり4-4-2へとシフトし、彼らツインターゲットによる攻撃色を前面に押し出します。(アルゼンチンも同時にロメロ・アクーニャ→ペッセーラ・タグリアフィコに交代)

36分にガクポのドリブルが(パレデスに)反則で止められた事で、オランダは左サイドからのFKを獲得。
アルゼンチンは直後に再度カードを切る(アルバレス→ラウタロ・マルティネス)ものの、そこから焚き付けられるオランダ反撃の狼煙を防ぐ事は出来ませんでした。
一旦クリアされての二次攻撃で、右からベルフハイスの二度目のクロスが上がり、ニアサイドでウェクホルストが合わせヘディングシュート。
遠目からではフリックっぽかったものの、意外にも力強く放たれたシュートがワンバウンドでGKの左を抜き、1点を返したオランダ。

試合の行方が判らなくなると共に、その後もメッシが倒された際にスタンドがブーイング混じりのどよめきが起こる(39分)などカオスな雰囲気は変わる事は無く。
40分にオランダは再び右からクロスを入れる攻撃を作り、ニアサイドでL・デヨングの落としを経てのベルフハイスのシュートでゴールを脅かし。(ブロックに当たり右サイドネット外側)

そして43分に再びメッシが倒され、今度はベルフハイスのオブストラクションという事で反則・警告。
その直後に今度はアケのドリブルをスライディングで倒したアルゼンチン・パレデス、反則の笛が鳴ったその刹那、あろう事かこぼれたボールをオランダベンチに向けて蹴り込むという行為に出てしまいます。
これに憤慨したオランダはベンチメンバー総出となり乱闘騒ぎへ移行と、完全に場外の騒動に支配されてしまう試合絵図。
結局この騒ぎはパレデスに警告を与えるのみで収まったものの、以降もアルゼンチンはリオネル・スカローニ監督が警告を受けるなど、場外乱闘の趣は止む事は無く。

ATは10分という長さとなり、ツインターゲットにファンダイクも前線に加わり、完全なパワープレイへと移行するオランダ。
最後の望みというスタイルに相対するアルゼンチン、メッシがさりげない遅延行為(反則ののちボールを蹴り出す)を行う等、マリーシアも交えつつ時間を使いに掛かります。

しかし必死に敵陣にボールを送り続けるオランダの圧に屈し、エリア手前で(ペッセーラが)反則を犯してしまい、オランダの直接FKに。
この際に再び遅延行為でもしたのか、メッシが警告を受けたのがムード的に拙かったでしょうか。
絶好の位置でのFK、既に目安の10分は過ぎておりアルゼンチンがここさえ凌げば……という思いが高ぶる状況で、キッカー・コープマイネルスは意表をついてサインプレーを選択。
これが見事に功を奏し、壁の脇でその縦パスを受けたウェクホルスト、アルゼンチン・フェルナンデスのスライディングを掻い潜って放たれたシュートがゴールネットを揺らし。
土壇場での同点劇に沸き上がるオランダサイド。
それでもキックオフの前にアルゼンチン・オタメンディに対し警告、後半終了の笛が鳴った後に再び一揉めしたのち、オランダ・ベルフワイン(既に交代済み)にも警告とカード塗れの状況は変わりませんでしたが。

2-2で延長戦に突入し、インターバルを経て延長前半のキックオフが告げられ。
その展開は、一言で言えば様子見の色が濃く。
来たる延長後半に向けて体力温存するという思惑が感じられる内容となり、散発的な攻撃に終始しフィニッシュは生まれずとなりました。(延長前半5分に、オランダはガクポの左からのクロスがゴール上へ逸れるという際どいボールあり)
そんな中でも、メッシがボールと無関係な所で(ティンバーに)倒されて反則となるなど、不穏な空気に支配された絵図は変わらず。

あっさりと前半が終わり、勝負の延長後半へ突入。
その通りにアルゼンチンはモリーナ→モンティエルへと交代、さらに延長後半7分にLI・マルティネス→ディマリアへ交代と、残っていたカードを使う事で優位に立ちます。

4分にメッシがボールキープする所、オランダ・ガクポに倒されて反則を受け、それにオーバーアクションを起こしたアルゼンチン・モンティエルに対し警告。
最後まで付き纏う不穏な空気にもめげず、得たFKを短く繋ぎ、再びドリブル体勢に入ったメッシが右からカットインシュートを放つも枠を捉えられず。
しかしそんなメッシの背中に引っ張られ、交代効果もあり攻勢に入るアルゼンチン。
<延長後半7分以降のアルゼンチン> 4-4-2
GK E・マルティネス
RSB モンティエル CB ペッセーラ CB オタメンディ LSB タグリアフィコ
RSH ディマリア DH フェルナンデス DH パレデス LSH マクアリステル
FW メッシ FW LA・マルティネス
故障明けのディマリアの存在感もあり、攻撃権を支配していくアルゼンチン。

一方のオランダはやはりパワープレイ一辺倒では苦しく、同点に追い付けたもののその後は……というような攻撃でした。
8分にFKを得て、キッカー・ガクポのクロスをL・デヨングが合わせ、ブロックに当たったこぼれ球を再度シュートにいく(アルゼンチン・オタメンディを倒してしまい反則)というパワープレイじみた流れの好機が唯一のフィニッシュとなり。
何度かカウンターを仕掛けるも実らず、後はアルゼンチンの独壇場という残り時間。

9分にエリア内右奥をドリブルで突いたフェルナンデスがマイナスのクロス、ニアサイドでLA・マルティネスが合わせシュート。(オランダ・ファンダイクがブロック)
その後4本も続くコーナーキック攻勢に入り、その2本目ではショートコーナーから、メッシのパスを受けたフェルナンデスがミドルシュートを放つもブロックに当たり惜しくもゴール上へと外れ。
14分にはLA・マルティネスのペナルティアークからのシュート、GKノベルトがセーブと何とか防ぐオランダサイド。

その後もメッシのミドルシュートがブロックに当たってCKに、そのCKからディマリアのクロスがゴールに向かうあわやというシーンを描き。
そして最後の好機は再びショートコーナーからフェルナンデスのミドルシュート、GKを左に抜いて決まったかと思われたものの、左ゴールポストに阻まれてしまい勝ち越しはなりません。
結局最後までゴールは生まれず、2-2で延長後半終了、ならびにPK戦突入を告げる笛を聴く事となりました。

先行はオランダが取るも、その代償としてアルゼンチンサポーター側のゴールで行われる事となり。
1本目のオランダ・ファンダイクのキックの際、早くも彼らのブーイングを聴きながらのPKを強いられます。
そしてそのファンダイクの左へのシュートを、完璧に読み切ってセーブしたE・マルティネス。
対するアルゼンチンの1本目、メッシはこれも技ありのシュートを転がしてしっかりとGKの逆を突き、左へと決めてリードを奪います。

続く2本目、オランダはベルフハイスが蹴り。
ファンダイクとは逆の、左足で・右へのシュートを選択するも、これも完璧にセーブしたE・マルティネス。
対するアルゼンチン・パレデスがしっかりと決めた事で、2本リードとなります。
3本目、オランダはコープマイネルスがゴール右へ決め。
しかしアルゼンチンもモンティエルがゴール右へ決めて差は変わらず。
ここまでオランダは、3人とも利き足とは逆の方向へ蹴ったのに対し、アルゼンチンはメッシ・モンティエルが効き足の方向へのシュート。
そのためGKから読み易くもあったのが結果に繋がったでしょうか。

アルゼンチンにリーチが掛かった4本目。
プレッシャーに負けずオランダ・ウェクホルストがGKの逆を突き左へ決めたのに対し、アルゼンチンはフェルナンデスが蹴りにいき。
しかし終了間際に再三決定的なシュートを逃していたのが影響したか、このキックはゴール左へと外してしまい。
運気の悪戯か、5本目へと持ち込まれます。

運命の5本目、オランダは再びプレッシャーを跳ね除けたL・デヨングが決め。
全てを託される事となったアルゼンチンの5本目……の前に、物理的なプレッシャー(挑発行為ともいう)を与えにいっていたオランダ・ダンフリースに警告が付き出され。
そしてキッカーのLA・マルティネスは、そんな行為を物ともせずにゴール左へとシュートを突き刺し。
この瞬間、アルゼンチンの勝利が確定する事となりました。

尚も、アルゼンチンメンバーがLA・マルティネスに駆け寄らんとした(メッシのみはGKのE・マルティネスへと駆け寄ったそうで)瞬間にオランダを挑発した事で、オランダメンバーがいきり立ち。
揉めてしまった事で、終了後にも突き出される事となったカードの嵐。
ダンフリースが2度目の警告で赤いカードを受けてしまい、ラング(ガクポと交代で出場、延長後半8分)も警告を受け。

決して後味の良くない試合となったものの、それでもアルゼンチンが勝ち上がりを決めたのは変わらず。
永遠のライバル・ブラジルが、同じくPK戦を戦った末に(クロアチアに)敗れたのを尻目に、1986年以来の優勝にまたとないチャンスとなったでしょうか。


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