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DAZN観戦 2022年J2リーグ第38節 V・ファーレン長崎vs横浜FC

2022-09-27 16:01:15 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(34節・千葉戦、1-0)
※前回の横浜FCの記事はこちら(36節・山形戦、0-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(2節・横浜FC 1-0 長崎)

<前試合からの変更>

長崎=7連戦の最終日で、水曜の試合(33節・栃木戦、1-1)から中2日のこの日も5人変更。3バックは二見→菊地へと入れ替えたうえ、右が櫛引・中央が菊地・左が白井と配置変更。ドイスボランチのカイオ・セザールと加藤大に代わり、入った鍬先がアンカーを務めてエジガル・ジュニオがFWに。シャドー2人はクリスティアーノ・植中(前試合は脳震盪の疑いでの途中交代)→クレイソン(出場停止明け)・大竹。ボランチを1人削った事で3-3-2-2(3-1-4-2)へと布陣をマイナーチェンジした格好に。

横浜FC=ハイネルのサスペンドも絡み、2人変更。そのハイネルに代わるボランチには田部井がスタメンに入る。もう1人は右ウイングバックで近藤→山下。ベンチには久々過ぎるほど久々のクレーベの名前が。(13節・群馬戦以来)

スタメン

中止・順延となった試合が2つ挟まった事で、長崎にとっては7連戦という壮大な日程となった9月。
その間に守備崩壊を受け、3バックへと変更した(36節・水戸戦、1-0)のが戦術面での大きな動きとなりました。
しかし文字通りに守備の安定性を図るだけといった感じであり、攻撃面では前試合はシュート4本という低調な数字。
連戦の最中故にサッカーの質を高める暇も与えられずと、塹壕戦のように連戦をこなす事となっていたでしょうか。

連戦最後の相手は、上位に君臨する横浜FC。
隙を見せる訳にはいかない状況ですが、連戦故に中々積極的な試合運びとはならない長崎。
横浜FCのビルドアップに対し、2トップが縦関係となり都倉が最終ラインまでチェイスするものの、もう片方のエジガルは2列目で構えたままに。
そのため左右のセンターバックがどうしても空きがちになり、そこから運ばれるので前から奪うという体制は作れずとなりました。

立ち上がりはその横浜FCの攻撃を受け、エリア内脇を突かれる所までいくものの何とか凌ぐといった長崎の守備。
自陣でのボール奪取は、エジガルのプレスバックもあり比較的良好な流れで、破綻はせずに進んでいきました。

しかし好事魔多しというべきか。
前半13分、ポストワークを務める都倉が横浜FC・ガブリエウに肘打ちを犯してしまい(反則無し)、倒れ込むガブリエウ。
また都倉の悪癖が噴出したのか……などと思わされ、荒れる予感を孕ませましたが、都倉自身がその渦に巻き込まれる事となり。
14分、横浜FC・亀川のディフェンスを受けると、カウンターに入る横浜FCを尻目に1人倒れ込む都倉。
地面に腕を突いた際に痛めてしまったようであり、不可抗力が絡むという誰の所為にも出来ない負傷の仕方。
結局ピッチ脇で治療を受け復帰したものの、痛みには抗えず直ぐに再び倒れ込み、交代の措置が採られてしまいました。(奥田と交代、19分)

横浜FCは数的優位の間、ひたすらボールポゼッションを高めて主導権を握りつつありましたが、同数に戻ると流れは一変。
長崎はクレイソンがFWに回る事となったものの、そのクレイソンが降りてビルドアップの出口役を務める事で攻撃が機能し始めます。
22分には菊地の縦パスをクレイソンがスルーしてエジガルに渡ると、横浜FC・ガブリエウの反則で直接フリーキックのチャンス。
中央やや右寄りという位置から、キッカー大竹が放った直接シュートはゴール上へと外れ。

劣勢となった横浜FCでしたが、脅威となったのが1トップのマルセロ・ヒアン。
守備時の4バックへの可変はこの日は行わず、5-4-1という布陣通りの守備体系を採っていたのも、彼が控えるカウンターの威力に賭けていた感がありました。
28分にはパスカットしたガブリエウがそのまま長いスルーパスを送ると、エリア内でマルセロが受けてそのままシュートまで持っていき。(長崎・白井がブロック)

そして試合が動いたのが30分。
始まりは長崎の左サイドアタックで、クレイソンがカットインを仕掛けてエリア内左へ切り込み中央へ横パス、受けた奥田がシュート。
これをGKスベンド・ブローダーセンがセーブして防ぐと、すかさずカウンターを仕掛ける横浜FC。
山根のラフなスルーパスに対し、走り込んだマルセロが長崎・菊地を追い抜いて拾うという、スピードを発揮して一気に決定機に持ち込むマルセロ。
エリア内左から左足でのシュートで、GK笠原のニアサイドを抜いてゴールネットを揺らし。
ダイナミックと言う他無いマルセロの働きで、先制点に辿り着きました。

流れ的には縦パス一本という攻撃でしたが、それが最大限の脅威となり沈む格好となった長崎。
その被害は甚大といった感じで、以降はパスミスも目立ち攻撃の組み立ては殆ど機能せずとなります。

一方陰の立役者は、直前の長崎の決定機をビッグセーブで防いだGKブローダーセン。
終盤は横浜FCが攻撃権を支配し、このままリードを保って前半を終える流れが見えてきた中で、一騒動に巻き込まれてしまいます。
アディショナルタイムに入り久々の長崎の攻撃となると、クレイソンのボールキープから右サイド手前でクロスを入れる状況となり、その大竹のクロスがゴール前へ。
ボールはクリアされたものの、その奥でGKブローダーセンと長崎・米田が激しく激突してしまい。
両者倒れ込み、特にブローダーセンは全く動けない状態となり、騒然となるピッチ上。
頭部同士の激突で、慌ただしく運ばれてきた頭部固定用担架の出番となり、救急車を呼ぶという緊急的措置も取られます。
5分程経過した所で米田の方は起き上がるも、こちらも入念な脳震盪チェックを受ける等無償では済まず。

既にATは12分経過という所で、スタジアム内に救急車が到着・参入。
ゴール付近まで寄せられたのち、ブローダーセンが運ばれるという痛々しい絵図となり。
しかし控えGK六反がタッチを交わし、サポーターの拍手のなかチームメイトが脇で見守るその姿に、少々和らいだという感じだったでしょうか。
病院に向け再出発する救急車とともに、前半終了の笛が告げられました。

緊急事態に苛まれても、残されたメンバーは戦いを止める事は許されないといった後半戦。
横浜FCは当然の事ながら、後半からGKは六反が務め。
一方の長崎・米田も交代となり、奥井が投入される事となりました。(高橋峻希が左WBに回る)

主導権の握り合いを経て、早めに追い付きたい長崎が攻勢を掛け。
中盤でのボール奪取から、大竹がゴールに迫る事数度と、代わって入ったGK六反を脅かしに掛かります。(後半3分には中央からミドルシュートも六反がキャッチ)

しかし横浜FCの最初の好機、4分でした。
右サイドから山下がカットインを仕掛け、エリア内で何とか掻き出した長崎ですがクリアボールを左ハーフレーンで長谷川が拾い攻撃継続。
すると前進からのミドルシュートを選択した長谷川、パスを防がんとしていた長崎ディフェンスの裏を掻き、放たれたシュートは右ゴールポスト内側を叩いてゴール。
早期に追加点を得た横浜FC。

点差が2点に広がり、焦りの色も強くなった長崎は良い所の無い時間帯へと突入してしまい。
最終ラインからパスを繋いで前進しようとしても、横浜FCのブロックの外で回すだけとなってしまう、所謂「ボールを持たされる展開」の典型となり。
比較的薄いサイドからの前進も、横浜FCサイドがWBを前に出してプレッシャーを掛けるだけで簡単に対処でき、手詰まりとなってしまいます。
そして横浜FCボールとなると、逆にパスワークに翻弄される時間が長くなり、攻守両面で上回られる悲惨な状況に。
12分には右サイドでひたすらショートパスを繋いだのち、岩武の浮き球パスをマルセロが前方へ落とすという変化でエリア内右を突き。
そして受けた小川が中央方面へ流れてシュート、GK笠原が足でのセーブで跳ね返すも尚も継続、今度は左から長谷川のシュートが襲うも笠原が再度セーブ。
ペースを完全に握られたうえ、連撃で更なる失点の恐怖にも晒されます。

ボール支配を高めたいという意図の、今夏から就任したファビオ・カリーレ監督。
その思考が最終ラインからのショートパスの繋ぎに表れていましたが、この日はどう見ても「ただボールを握っているだけ」という域を出ない展開であり。
シュート4本に終わった前試合も、ボール支配率は66%と高くあり、ポゼッションスタイル故の病に襲われているような長崎の現状。
後半盛んに行われていたビルドアップも、左CBの白井が前に出たり、奥田がボランチの位置まで降りたりという可変が精々。
どうしても横浜FCのディフェンスに対抗する術を見出せず、ズルズルと時間を浪費していきました。

リードしている横浜FCベンチが先に動き、21分にマルセロ・山下→齋藤・近藤へと2枚替え。(小川がシャドー→FWへとシフト)
24分にようやく長崎が鍬先のパスカットからの好機。
エジガルのスルーパスを右ハーフレーンで受けたクレイソン、そのままエリア内に進入しシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。(GK六反がセーブしたように見えたが判定はゴールキック)
ワンチャンスを得たものの、再び横浜FCの時間へと舞い戻るという具合に試合絵図は一向に変わりません。
敵陣でのパスワークが冴え渡り、長崎ボールでも最終ラインで怯みを見せれば、すかさずプレッシングも容赦せずという立ち回り。
左右CBの岩武・亀川の攻撃参加も顕著になるなど、どちらが追いかける立場なのかも解らなくなってきます。

万策尽きたかのように、30分にとうとう助っ人軍団の投入に踏み切るカリーレ監督。
クリスティアーノ・カイオを投入(エジガル・クレイソンと交代)し、局面を変える事に期待します。(横浜FCも31分に山根→武田へと交代)

その後はカイオ・鍬先のドイスボランチにした3-4-2-1の布陣から、中盤の展開力を上げて打開を図り。
しかし1トップはクリスティアーノなので、一層ポゼッションが肝となるという状況。

相変わらず攻撃機会が増えない状況の中、40分には奥田が左ハーフレーンをドリブルで持ち上がり、敵陣でクリスティアーノとパス交換。
そしてエリア手前からクリスティアーノがダイレクトでシュートするも、枠を捉えられず。
数少ない好機もモノに出来ずとあっては、完敗の流れも致し方ないでしょうか。
横浜FCは43分に最後の交代、小川・和田→クレーベ・松浦へと2枚替え。(齊藤がシャドー→ボランチへシフト)

流れは不変のままATへ突入。
そこで長崎はようやく、最終ラインからショートパス攻勢で横浜FCのプレスを剥がすシーンを作りましたが、時既に遅しといった感は否めず。(長いパスワークののちエリア内へスルーパスを送るも繋がらず)
以降は横浜FCにボール支配され、クレーベのヘディングシュートも生まれる(枠外)などペースを変えるには至りませんでした。

結局0-2のまま悠々と逃げ切り、勝利を挙げた横浜FC。
残り4試合で自動昇格圏をキープし、試合後は心配されたブローダーセンの無事も確認でき、一安心といった所でしょうか。


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