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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 愛媛FCvs栃木SC

2024-05-27 16:00:59 | サッカー視聴記(J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(13節・徳島戦、0-0)
※前回の栃木の記事はこちら(15節・徳島戦、0-1)

<愛媛スタメン> ※()内は前節のスタメン

<栃木スタメン>

  • 前回も触れた通り監督を交代。田中誠氏・柳下正明ヘッドコーチの両名を解任(双方合意の上で契約解除)し、小林伸二氏を新監督に迎える。なお、空いたヘッドコーチの席は未だ埋まらず。

千葉に惨敗という、共通点が生まれてしまったクラブ同士の対戦。

昇格組ながら、上位を伺える位置で喰らい付いていた愛媛。
しかし前節、そこに待ち受けていたかのように千葉相手に徹底的に痛めつけられる事となり7失点。
当然ながら軌道修正を強いられる状況で、右サイドバックに尾崎を4試合ぶりにスタメン起用。
そして守備時にはパクゴヌがウイングバックの位置に降りて5バックの体勢を取るという具合に、守備を固めるテコ入れを施しました。

一方、8節に先んじて同じ目に遭わされていた栃木。(0-8)
その後未勝利と建て直しの気配は一向に見られず、とうとう監督交代という手段に手を付ける事となりました。

かくして、北九州を離れてフリーとなっていた小林氏に白羽の矢が当たり。
昇格請負人の異名を持つ当氏も、現実的には残留争いのミッションを強いられる今回の働きでしょうが、やる事は変わらず。
特にトレーニングからの意識改革の面で重要な役を果たしたようで、この日の放送内でも、選手達のコメントが多数(実況から)語られる事となり。
「こんなに充実したトレーニングはキャリアで初めて(うろ覚え)」等といったニュアンスの発言からも、そのチームマネジメントに衰えが見られない事が伺えます。
しかし前節は惜しい所で結果が出ず(仙台戦、1-2)となり、その即効性を形に出したい所。

始まった試合、その栃木の変革の賜物が存分に表れる試合絵図となり。
前監督の際は前線5人のみでのプレッシングが基本でしたが、この日はウイングバックも果敢にプレッシャーを与えに加わり。
そして愛媛の前線に縦パスが出れば、「喰い付く」というフレーズでは収まらない程にセンターバックが前に出て猛烈に規制を掛け。
とにかく後が無いというぐらいにプレッシングに舵を振り、全体の布陣も極端に圧縮される事となる、傍らからでもハッキリと判る変化を遂げておりました。

それでも前半2分に谷岡が藤谷に反則を受け、そんなサッカーが招いたと言わんばかりに直接フリーキックを得た愛媛。
やや遠目ながらも中央という位置で、キッカー石浦が直接シュートにいきましたが壁を直撃し実らず。
これを逃してしまうと、栃木の激しいデュエルに苦戦の色が表れ始め。
7分には森下が小堀の肘打ちを受けてしまうという具合に、判定面でもフラストレーションを溜めるのは必至という展開に。

15分、降りて受けに来た松田のレイオフが(平松のプレッシャーもあり)ズレた所を南野が拾い、ショートカウンターとなる栃木。
そのまま前進を経てミドルシュートを放ち、これはGK徳重にキャッチされるも、前節のようなスーパーゴールをこの日も狙う気満々といった南野。
そんな彼に引き摺られるように、尚も前向き姿勢を見せる栃木。
最終ラインから繋ぐ体勢も取り、左右のCBの片方が前に出たり、小堀が降りて出口役を務めんとするなど可変も見せ始め。
しっかりと地上でポゼッションを高めながら、ポケットを突きに掛かるその攻撃。
次々明るみに出るといった前体制からの変化に、小林氏が凄いのか、前体制がとても緩かったのか判別し辛いという気持ちにもさせられます。

一方守勢に回る事となった愛媛、栃木のプレッシングに対してあくまで基本は地上でのビルドアップで対抗姿勢を取り。
29分の愛媛はGK徳重からの繋ぎ、左からと見せかけて徳重へ戻して右で前進、森下の短めのスルーパスを石浦がダイレクトで今度は一気に裏へ運ぶスルーパス。
そこにパクゴヌが走り込むも、GK丹野が好判断の飛び出しでクリアして決定機とはならず。
35分再びGK徳重から繋ぎ、栃木のプレッシングを受けながらも左サイドでのパスワークを経て山口が中央へ運んでからのパスで回避。
森下の縦パスを前に出ていた谷岡がフリックするも、ラファエルに潰されて繋がらず(反則も無し)と、実りは少なく。

一方栃木は愛媛の専守の体勢を受け、ポケットを突くのは困難と見て右WBの森をフリーにし、そこにロングパス・ミドルパスを送り届ける攻めにシフト。
33分にはその森の奥への切り込みで得た右コーナーキック、キッカー南野の中央へのクロスに矢野が合わせ。
飛び出したGK徳重の手前でヘディングシュートを放つ事に成功した矢野ですが、ゴール上へと外れて惜しくも先制はなりません。
37分にはロングパスを受けた森が再度右奥へ切り込むと、今度は戻しからショートパス攻勢でポケットを突きに掛かり。
矢野のスルーパスに走り込む森の手前で遮断されるも、再度右CKとなると、キッカー南野はサインプレーでエリア手前へストレートのクロス。
これを森がボレーシュートにいきましたが、反応良く前に出た山口に防がれると、愛媛のカウンターが発動。
谷岡の持ち運びを経て藤原のスルーパスが左ポケットに入ると、受けてクロスを入れたのはパクゴヌで合わせにいったのは菊地。
しかしジャストミート出来ず、本来の得点力を発揮とはいきませんでした。

終盤を迎えると、再度愛媛選手が栃木の激しいチャージに痛むというシーンが続出。
粗さも目立つ、かつての田坂和昭監督時代の「ストーミング」を彷彿とさせる栃木のサッカー。
そしてそれは罪の部分も当然あり、アディショナルタイムも終わりを迎えようとする所、小川の裏へのロングパスに抜け出さんとした藤原がラファエルに腕で倒され。
これで反則・警告となるばかりか、前半最後の攻撃で絶好の直接FKを与えるおまけまで付く事に。
愛媛にとっては流れが悪いなかで是非モノにしたいセットプレーとなり、その通りにパクゴヌが直接シュートを狙い。
ゴール上を襲ったもののGK丹野がキャッチと、何とか凌いだ栃木。
スコアレスで前半終了となりました。

ともに交代無く、迎えた後半開始。
相変わらず狭い局面でのサッカーを強いられる愛媛、前半同様に苦戦の色は明らかであり。

しかし攻撃では最前線に絡み、守備では後方に回るという上下動激しいパクゴヌを軸として体勢を整え。
後半8分、自陣でそのパクゴヌのボール奪取から攻め、松田のレイオフから中央→左へと展開して前進。
そしてスルーパスに走り込んだ山口がクロスと、サイドバックが最前線に絡む攻め。
10分の栃木の攻撃、平松ロングパス→矢野落とし→森と繋げ、今度は持ち運びを経て逆サイドを使いにいった森により大森が左ポケットを突き。
そして放たれたシュートをブロックで防ぐパクゴヌ、という具合にその獅子奮迅ぶりが目立つ展開となります。

それでも栃木優勢は続き、12分にとうとうハイプレスを嵌めて右サイド深めで森がボールカット。
そして戻しを経て再度大森が左ポケットを突く絵図となり、クロスがディフェンスに当たり流れた所を大外で南野が胸トラップ。
そしてそのままボレーシュートにいきましたが、素早く寄せた山口がブロックして何とか凌ぎ。

再三森を躍動させていた前半からは一転し、逆の左の大森を使うという狙いを見せる栃木。
多彩な攻めを効果的に使う、組織立ったチームへの変貌は明らかだったものの、ここから逆に失速気味に。
森と違い、突破力に欠ける大森を重視した事で、パクゴヌの奮闘もあり結果的に愛媛にとっては防ぎ易くなった感がありました。

それでも栃木のプレッシャーの前に、松田や石浦が降りてパスを受けなければ前進が難しい状態は変わらず。
14分には中央で溜めを作った松田を経て、右でパスを受けた石浦からのクロス。
これをニアで菊地がフリーで合わせたものの、当たり所が悪くゴール右へ大きく外れてしまい。
松田が徹底チェックに遭うのが必至ななか、他選手がゴールを奪うのは勝利には必須でしたが、この日の菊地は残念ながら持っておらず。
18分には左スローインからの攻めで、山口のクロスを松田が脚で合わせるという、ようやくポイントゲッターを活かせる状況が出来たもののオフサイドで無効となり。

そうこうしているうちに、栃木に決定機が訪れたのが20分。
矢野狙いの藤谷のミドルパスはクリアされるも、跳ね返りを繋いで中央から攻め、奥田のエリア内へのスルーパスが南野の足下へ。
そしてディフェンスに囲まれながらも放たれた南野のシュート、これがゴールバーを直撃するも、息をつかせず拾って継続する栃木。
今度は神戸の強烈なミドルシュートが襲うも、森下が頭でブロックと決死のディフェンスで防ぎます。
これにより痛んでしまった森下ですが、脳震盪チェックからのピッチ外を経て何とか無事に復帰。
その間に栃木ベンチが最初に動き、小堀・矢野→大嶋・宮崎へと2枚替え。
その後森下が復帰した愛媛も、24分に谷岡・藤原→深澤・窪田へと2枚替えを敢行します。

ゴールまで後一歩と迫った栃木ですが、前述の通り前半程攻撃機会は得られず。
そうなると粗さが悪目立ちするのは必然で、16分には矢野が(菊地への)アフターチャージにより反則・警告。
28分に今度は深澤がパスを受けるという所に、後ろからチャージした奥田が反則・警告という具合に被害が広がり続け。

何とかそれを突きたい愛媛、綺麗な前進がままならないなか、前述のようなスローインからの繋ぎによる好機が中心となり。
31分に空中戦からボールを確保した愛媛、深澤が左スペースへラフにスルーパスを送ると、奥で受けた窪田がクロス。
これをエリア内の平松がブロックした所、腕に当たったとしてハンドのアピールをする愛媛選手一同でしたが判定は覆らず。
愛媛サイドが醜態を見せたと思いきや、その直後には石浦が浮き球を確保して前進する所、抜かれた藤谷が倒れながら止めにいかんとした結果掴んで倒してしまうという醜悪な絵図が。
当然反則・警告の対象となりこれで4枚目と、急速なチームの進化に付いていくのも難しいといった記録が残るに至ります。

時間が押し進んでも動かないスコア。
愛媛は奥の手を出すかのように、右サイドでパクゴヌ・尾崎の2段構えでの前進を見せ始め。
それによりCK攻勢に持ち込むなど押し込みますが、肝心のフィニッシュに辿り着く事は少なく。(試合通じてわずか4本)

34分に栃木は大森→石田へと交代。
一方愛媛は37分に石浦・松田→曽根田・ダンカンへと2枚替え。

39分に森がミドルシュートを放つ(枠外)など、シュートを撃てない愛媛を尻目に再度ペースを奪いに掛かる栃木。
それに合わせるように、運動量の激しかったパクゴヌがその直後に足を攣らせてしまい、倒れ込んで続行不可能に。
この日の功労者的な働きも流石に消耗は大きく、これにより茂木が入り。(曽根田が右SHに回り、茂木はトップ下)
代わって右に回った曽根田もパクゴヌの役割を務める事で、5バックシステムの維持を選択します。

攻勢に入る栃木、43分には長らくポゼッションを確保した末に右ポケットから神戸がクロス、大外で受けた石田がワイドへ流れてまたクロスとサイドを振り。
そしてファーで宮崎がヘッドで合わせましたが枠を捉えられずと、栃木サイドもどうしても止めを刺すフィニッシュが生まれません。
44分に最後のカードを使い、森・南野→福島・イスマイラへと2枚替え。
その穴を埋めるべくのカードであるイスマイラですが、守備面での難からして使い辛いタイプ。
しかしこうして、「リスクを気にせず攻める場面」のみ使うとなればその有用時間が極少になるというジレンマで、今後も小林監督の頭を悩ませる事となりそうです。

その後も押し込む栃木ですが有効打を放てず。
ATには石田のロングスローも使い始めるなど、何としてでも……という姿勢は見せたものの、時間の経過とともにゴールも遠くなり。
一方の愛媛も流れは既に壊滅的で、ATの最終盤には逆にダンカンが空中戦でのラフプレー(平松への頭部へのチャージ)により反則・警告。
これで4枚目で次節出場停止と、余分な被害を受ける事となってしまいました。

結局スコアレスのまま、試合終了で引き分けとなり。
栃木の方が連敗脱出、という面でウェイトの大きい一戦となりましたが、残留に向けて残された時は決して長くなく。
早く1勝を……という焦りも生まれ易い状況の中、どれだけサッカーの質を高め、後半戦に繋げられるでしょうか。

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