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DAZN観戦 2024年J2リーグ第19節 徳島ヴォルティスvs横浜FC

2024-06-10 16:01:06 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(15節・栃木戦、1-0)
※前回の横浜FCの記事はこちら(16節・清水戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 14節(岡山戦、2-1)で(HTに)負傷交代した柳澤の詳細が発表され、全治約3ヶ月との事。
  • 田向の負傷が発表され、5/15に発生して全治約8週間との事。
  • 負傷離脱していた石尾が17節(いわき戦、1-1)で復帰しベンチ入り。

<横浜FCスタメン>

  • ミシェル・リマがポルトガル2部・UDオリヴェイレンセから完全移籍で加入が決定。登録は7/14以降。
  • 前節(愛媛戦、2-1)負傷交代した伊藤はベンチ外に。
  • ユース所属の秦が2種登録選手となり、今節から登録される。

代表ウィークによりJ1は小休止も、下位カテゴリは無関係とばかりに試合は続き。(しかしルヴァン杯参加のため長崎・富山はリーグ戦が順延に)
そんな日程の事情もあり、徳島のホーム(鳴門大塚スポーツパーク・ポカリスエットスタジアム)で行われたこの試合、徳島の元監督であるダニエル・ポヤトス氏(現ガンバ監督)も客席で観戦する運びとなり。
まさかの御前試合のような環境で、チーム崩壊の状態のままでは無く本当に良かったと痛感する事となったでしょうか。

その建て直しに努めている現監督・増田功作氏。
これが初の監督業なためこれまでのキャリアは今一つ不明でしたが、この日の対戦相手である横浜FCの下で選手・指導者生活を長らく勤めていた人物であり。
その古巣との一戦で前半戦を締めるという状況に、突然の監督就任も運命に導かれてのものだったと言いたくなりますが、その戦果はどうであったか。

試合が始まり、早々に横浜FCが中盤でのフリーキック(前半2分)から、福森が放り込みを選択するという「悪魔の左足」を活かさんと振る舞い。
そのプレッシャーに負けじと、最後方からボール保持で反撃を試みる徳島ですが、前半4分に児玉のボールキープに対し高橋利が詰めてボール奪取。
すかさず自ら持ち運ぶも、森昂に倒されて途切れてしまい(反則無し)ショートカウンター完遂とはいきません。

出鼻を挫かれた格好の徳島は、その後も隙を探しながらボール支配。
助っ人エウシーニョやチアゴのその特異性も、試合数をこなす事により自然に活かされるという形に馴染みつつあるでしょうか。
つまりは上がり目の位置を取りたがるエウシーニョと、下がってボールを受けたがるチアゴ。
その特性が抑えられながらも、要所で取り入れられて好機を作り出すという形。

しかし10分台に入ると、選手の痛むシーンの連続によりブツ切りの流れを強いられます。
12分に空中戦で着地に失敗したカイケが腰を痛めたのを皮切りに、14分にはユーリの前進をスライディングで倒してしまった永木が反則・警告。
これで収まるどころかますます激しくなり、続く15分には青木のチャージを受けたカプリーニが足を痛めて長らく倒れ込む事態に。
2分程掛けて何とか起き上がり、ピッチ外→復帰という流れの中でもまた、室井がエウシーニョのチャージで倒れ込むなど球際のバトルが悪目立ちする事となり。

再度流れを構築したい徳島、19分に自陣でボールを持ったチアゴがドリブルに入り、福森を股抜きで剥がして疾走状態に。
これは敵陣浅めで中野に阻まれて終わり、22分には最終ラインからのロングパスに抜け出すもオフサイドと、その威力を発揮せんとしたチアゴ。

その後暫くの停滞期間を経て、横浜FCは26分、チアゴと同様に際立つ存在の福森がその特異性を放ち始め。
つまりは味方がパスワークに入り、右サイドから前進の姿勢を取ると、逆サイドから張り出してそれに加わらんと動く福森。
結局ここではパスは回って来ず(カプリーニのカットインが永木に止められる)終わりましたが、そのフリーマン気味な動きにより試合展開も(鳴門だけに)渦を巻き始めたでしょうか。

そんな福森に呼応するように、徳島もエウシーニョが高目に位置取る時間が増え始め。
30分に児玉が井上に反則を受け、敵陣でのFKとなるとエウシーニョがこれを素早くリスタートし、チアゴを経由して受けた西野が左奥へ切り込み。
堅守の横浜FCに対し、絡め手で好機を作らんとしましたが、結局遅攻を強いられた末に奪われて実らず。
その後32分、その前向きな姿勢を突かれるかのように、スルーパスを受けた中野嘉を倒してしまったエウシーニョが反則・警告を受け。
これでワイドの位置からのFKと、徐々に福森のお誂え向きな流れとなってきた感がありました。(このFKは、ファーへのクロスをGKスアレスがパンチングで防ぐ)
それでも徳島はそのエウシーニョの姿勢を活かすべく攻め上がり、36分には児玉が井上に引っ張られながらも持ち運び。
そして敵陣中央から杉本がエリア内右へミドルパスを送ると、走り込んでヘディングシュートまで放ったエウシーニョ。(GK市川キャッチ)

ほぼ互角の流れで、双龍が相撃つと言いたくなる展開。
そしてそれにケリを付けるように41分、左スローインから繋ぐ横浜FC、左奥でのキープから戻しを経て中央からパスワークで切り込み。
ユーリのボールキープを挟んで福森のダイレクトパスがエリア内を突くも、それをアフターで児玉が倒したため反則となり。
即ち絶好の位置での直接FKで当然蹴るのは福森と、自らの動きにより得たセットプレーを自ら仕留めにいく流れが出来上がります。
攻防ともに入念な壁形成を経て、放たれた福森のシュート。
壁左端のブラウンノアが外から巻くと踏んだか、キックと同時に外へ位置を変えた所を通される結果となり、ゴール左へと突き刺さりました。
一瞬の攻防も制し、とうとう今季初ゴールを得意の形で挙げた福森。

前半も既に残り少ないなか、徳島はアディショナルタイムに決定機。
それは横浜FCの攻撃からのカウンターで、山根のクロスの跳ね返りを拾った事で発動し、児玉のミドルパスを右で受けたチアゴがワイド遠目からクロス気味にシュート。
これが予想以上に伸びたか、GK市川は腕を伸ばして辛うじてのセーブとなり、ファーへこぼれた所にブラウンノアが走り込んで折り返し。
そして右ポケットに進入していたエウシーニョのシュートがゴール左を襲い、完全に決まったと思われたこのフィニッシュを、山根が寸前で足でブロック。
これをGK市川が弾き返し、尚もエリア内で拾った児玉に対しプレッシャーで撃たせずと、際どいながらも何とか凌いだ横浜FC。
その後のコーナーキックも決まらず、そのまま0-1で前半を折り返す事となり、結果的にこれがビッグプレーとなりました。

共にハーフタイムでの交代無く、始まった後半。
しかしその入りは波乱染みたものとなり、まずは後半2分、横浜FCが左サイド深めまで攻め込むもパスミスを犯した所をチアゴが拾い。
するとそのまま一気にロングシュートを狙い、GK市川が直接エリア内でこれを防ぐという場内を驚かせるものとなり。

その直後に再び攻め込む横浜FCでしたが、その最中にカプリーニが倒れ込んでしまい続行不可能に。
前半に痛めた際の再発という感じで、痛々しく担架で運ばれピッチを後にする事となりました。
早くも動く事を強いられた横浜FCベンチ。(小川を同ポジションで投入)

そんな慌ただしい相手を突きたい徳島ですが、それでも堅守を保つ横浜FCの前に、流れの中で崩すのは至難の業となり。
5分に森縦パス→永木フリックを受けて持ち運ぶチアゴですが、そのままミドルシュートを放つ(ゴール右へ外れる)という具合に、無理目なフィニッシュを目立たせるなどその存在感は功罪半ばする格好に。
リトリートの色を強める横浜FCに対し、その前線五角形の中を(児玉や杉本が)利用して何とか崩さんとしますが、ユーリを始めとした素早いプレッシャーの前にそれはままならず。
11分に横浜FCのCKからカウンターの好機が訪れますが、エウシーニョが左ハーフレーンをドリブルで運び、切り返しからスルーパスを狙い。
しかし走り込むチアゴの手前でカットされるなど、その精度も助っ人頼みの節が強く実りません。

徐々に勢いを失う徳島を尻目に、逆にボール保持の時間を増やす横浜FC。
時間を使いながら、相手の隙を突きあわよくば追加点という一挙両得の立ち回り。
14分敵陣でパスを繋ぎ続け、山根のミドルパスを高橋利が収め、戻しを経て井上が中央からミドルシュート。(ゴール上へ外れる)
こうした振る舞いにより、徳島は前述のカウンター狙いも厳しくなりつつあり。

手詰まり感が強くなった所で、22分に交代カードを切る増田監督。
西野・永木→橋本・高田颯へと2枚替え。
当初は3-4-2-1への変更と思われ、その通りに守備時は5バックを保っていましたが、暫くして青木を左サイドバック・橋本を左サイドハーフとした4-4-2へとシフト。
アンカーの永木が退き、両シャドーだった児玉・杉本がそのままボランチに降りる格好の布陣変更となりました。
一方横浜FCベンチも同時に、中野・室井→中村・村田へと2枚替え。(山根が左ウイングバックへ回る)

両サイドハーフが積極的に仕掛ける事でペースを掴みに掛かる徳島。
28分には右から高田颯がドリブルと見せかけ、ヒールパスでの戻しから逆へと展開した末に、左から橋本のクロス。
これがクリアされて左CKとなり、キッカー・チアゴのクロスからファーサイドで森がヘディングシュートを放つも、ゴール上へ際どく外れて同点ならず。

布陣変更から光明を見出したかに見えた徳島ですが、その直後にチアゴ→渡へと交代。
これにより再度3-3-2-2(3-1-4-2)へと戻し、児玉がアンカー・高田颯が右シャドーに。
これが綺麗に逆に作用してしまい、以降殆ど攻撃機会が無くなり。
横浜FCが攻撃しながら、時計を進めていく流れへと突入します。

そして横浜FCが最後のカードを切ったのが36分。
井上・高橋利→和田・櫻川へと2枚替えすると、ここで徳島サイドが動き。
といっても交代では無く、橋本と高田颯の位置を入れ替えるというポジションチェンジで打開を図りました。

左ワイドで高田颯が仕掛けるという体制に移り、突破口を開かんとする徳島。
37分に高田颯がミドルレンジでカットインに入った所を小川に倒され反則、FKとなりましたが素早くリスタートを選択。
今度はエリア内へカットインする高田颯、防がれて後方から作り直し、左手前から橋本が低いクロス。
渡の足下でのフリックを経て中央のブラウンノアに収まり、一旦こぼされるも渡の折り返しで再度受けたブラウンノアが反転してシュート。
ンドカのブロックで跳ね返るも、カイケのポストプレイからフリーの橋本がシュートと絶好機に繋げ。
しかしこのフィニッシュは大きくふかしてしまい、折角作り上げた好機も仕留められません。

その後40分に横浜FCが好機、GK市川のロングフィードによる空中戦を制し、櫻川がミドルシュートを放つもGKスアレスがセーブ。
これによるCKからもユーリがヘディングシュート(枠外)と脅かした所で、最後の交代を使う徳島ベンチ。
杉本・ブラウンノア→杉森・石尾へ2枚替えし、FWを下げてDFを投入した事で、予想通りカイケがFWに上がるという策に全てを賭ける事となりました。

放り込み・サイド突破・アーリークロスなど、考えられる全てのプレーを使い、何とか同点を目指す徳島。
ATに再度橋本にシュートチャンスが訪れ、左からの高田颯のカットインを経てペナルティアークで受け、横浜FCのブロックをかわした末にシュート。
エリア内の密集の間を縫ったものの、ゴール右へと外れて名誉挽回とはいきませんでした。

襲い掛かる徳島の猛攻も凌ぎ続けた横浜FC。(その最中にGK市川がゴールキックの際の遅延行為で警告)
最後までゴールは割らせずと、自慢の堅守はこの日も健在であり。
0-1のまま試合終了の時を迎え、4連勝を達成する事となりました。
なお、徳島のGKスアレスに試合終了後警告が出たようですが詳細は判らず。(挨拶の前に、エアバトルを演じていた福森とカイケが揉めていたようではあったが)

全体としては、采配面で徳島・増田監督の決死の喰らい付きが印象に残る事となったでしょうか。
何度も布陣変更・ポジションチェンジが行われたその様は、自分を育ててくれたクラブに対する意思表示の表れのようでもあり。
かくして結果はともかく、揺れに揺れた前半戦を締めくくるに相応しい試合となった感はあり、後は何処に目標を選定するかが問われる所です。

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