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DAZN観戦 2022年J1参入プレーオフ決定戦 京都サンガFCvsロアッソ熊本

2022-11-14 16:00:53 | サッカー視聴記(2022年その他)

<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上 CB 麻田 LSB 荻原
DH 川﨑
IH 福岡 IH 武田
RWG 豊川 CF 山崎 LWG 松田
<熊本スタメン> 3-3-1-3
GK 佐藤優也
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB イヨハ理ヘンリー
RWB 三島 DH 河原 LWB 竹本
IH 平川
RWG 杉山 CF 高橋 LWG 坂本

2回戦の記事 - 熊本 vs 山形(2-2)

J1で入れ替え戦(便宜上こう呼ぶ)という舞台に参加するチームは、残留へのラストチャンスか、ないしは崖っぷちの状態か。
2018年からプレーオフの最後に構える事となったJ1・16位のクラブ。
しかしその試合で残留を果たしたとしても、翌年再び残留争いの渦中に苛まれるのは避けられず。
2018年の磐田(翌年18位で降格)・2019年の湘南(翌年18位もレギュレーション上降格無しで助かる)と、運命に逆らう事が出来ず仕舞いとなっており。
そういう意味では、この場に立つ事自体が既に泥沼の状態であり後者の意味合いが強く、避けなければならなかった事態といえるでしょう。(ただし今季は閉幕が早いので、必然と言われる編成の遅れになり辛いのが幸い)

さて今季その戦いを強いられるに至ったのは京都であり、最終節(磐田戦)をスコアレスドローで終えたため這い上がれず。
しかも17位・清水がシーソーゲームを演じたため、試合の最中にそのスコアの入れ替わりにより何度も瞬間的な17位転落を味わうという、常時緊迫感を強いられる事となり。
そんな心理的状態で点を取るのは困難故に仕方無いと言うべきか、ないしは自力で決められないのだからこの場(プレーオフ)に立たされるのはある意味当然と言うべきか迷う所でしょうか。(勝てばガンバを抜いて15位になれていた)
逆に熊本にとっては、個の力で圧倒されかねない清水やガンバが対戦相手であったら勝利は至難の業ともいえたこの試合。

それでも、トランジションの速さとデュエルの強さは決して上位クラブと見劣りしない京都が相手。
熊本は立ち上がりから普段通りのサッカー、つまり最終ラインからの組み立てを重視しての攻撃を貫かんとしますが、その京都の強度に難儀する事となります。
3トップがしっかりと熊本の3バックに相対するプレッシングで、左右のセンターバックを経由してサイドから前進するというスタイルを、その素早い寄せで潰されるに至り。
前半3分には熊本・イヨハのパスの送り先で川崎がボール奪取、そこから左サイドへ繋いで荻原がシュート(ブロック)と、持ち味のショートカウンターで脅威を与える京都。

熊本の最終ラインはプレスを警戒したためか、アンカーの河原を経由しての攻撃もままならず。
ここで42節・横浜FC戦(3-4)のように、河原が最終ラインへと降りる可変を採る手もあったでしょうが、この日は殆どそれをせず。
その代わりに主に三島がほぼ常時中央に絞り、ドイスボランチのような形を取り中継点を務める事となりました。
相手の変節を余所に、攻撃では得意手であるスローインからの変化で揺さぶらんとする京都。

そんな苦しい立ち上がりを強いられた熊本は、12分にこぼれ球に対し坂本のダイレクトでの縦パスから、そこからダイレクトパスの連続で右サイドの杉山に渡し。
その杉山は切り込みから中央へ横パスを送り、竹本がダイレクトでシュートを放つもふかしてしまいモノに出来ず。
しかし京都の姿勢に対し慣れを示した事で、以降は裏狙いを交えながら、攻撃機会で優位に立っていきます。

それでも襲い掛かる京都の攻撃、22分に右サイドのスローインからの繋ぎで、奥を取った白井が熊本・イヨハを股抜きしてのカットインからクロス。
この低いボールに対しファーサイドで松田が合わせにいくも、熊本・三島に間一髪でクリアされ撃てず。
24分には再びプレスを嵌めて右サイドで白井がボールカット、そのまま奥を突いてマイナスのクロスを入れ、クリアボールを拾った川﨑のミドルシュート。(枠外)
熊本はそんなプレッシャーからか、30分に反則を与えた平川がボールを蹴り出してしまい、遅延行為により早くも警告を受ける事に。
流石にJ1クラブが相手となれば、今までのようにはいかず。
その後ストロングポイントの一つである、「杉山に良い形でボールを受けさせる」事に努めて攻め上がります。

37分に(左サイドでのパスワークを経て)右サイドで受けた杉山、細かいタッチでカットインを狙うもディフェンスに遭い実らず。
しかしその直後の38分、前に出た菅田のボール奪取から中央でパスを受けた杉山。
そのまま持ち上がってミドルシュートを放ちGK上福元がセーブと、得意のミドルレンジでの一撃で脅かします。

これで上げ潮ムードが生まれたかに見えましたが、直後にそれを全てひっくり返される事に。
39分の京都、GK上福元の山崎をターゲットとするロングフィードからの攻めで、敵陣で空中戦を制して拾った松田がそのままエリア内を突く浮き球パス。
これを遮断しにいった熊本・三島がクリア出来ず、こぼれた所に走り込んだ豊川がシュートを放つと、GK佐藤優の脇を抜いてゴール右へと突き刺さるボール。
逃げる立場であった京都が先制と、優位さを一層固める事に成功しました。

その通りに以降熊本の攻撃の流れは途切れ、強度を保って前半の残り時間を過ごす京都。
45分には再びGK上福元が山崎に向けてロングフィード、跳ね返りを拾った武田がシュート(枠外)と単純明快な攻撃で熊本ゴールを脅かし。
熊本はアディショナルタイムにポゼッションを高めて攻め上がるも、最後は左→右のサイドチェンジのパスを杉山が受けられず、前半終了の笛が鳴り。
このシーン然り、アウェイしかも初の舞台(サンガスタジアムby KYOCERA)の影響かフィードの精度が今一つに感じられました。

共にハーフタイムの交代無く賽が投げられた後半、泣いても笑っても残り45分。
そのキックオフから京都は、バックパスを受けた井上が熊本のプレッシングをフェイントで剥がしたのちにロングフィード。
上位カテゴリらしい振る舞いののち、獲得した左サイドのスローインからの攻めで、山崎のフリックはクリアされるも川﨑が左ハーフレーンで拾って好機に。
最初のシュートこそコース上に居た福岡に当たって跳ね返りましたが、すかさず拾い直してエリア内から再度シュート、これをGK佐藤優が際どいセーブで何とか防ぎ。
しかし得た右コーナーキックでも、キッカー松田のクロスを中央で井上がヘディングシュート、ゴール右を襲うも熊本・杉山がブロックと際どい凌ぎを強いられる熊本。
立ち上がりで決定機を連発し、反撃の流れを渡しません。

何とか追加点は防いだ熊本は、やはり杉山の居る右サイドから仕掛けるも、しっかりと対策されて好機を生み出せず。
後半10分には三島のスルーパスに走り込むも、京都ディフェンスは荻原のみならずCBの麻田も出て来て2人で対応し奪いきるなど、その対策の足跡が見受けられました。
ストロングポイントを封じられ、ビハインド故の焦りも加わり思うように攻められない状況に。
そして12分という早い段階でターレスの投入に踏み切り、坂本と交代したうえで杉山が左サイドに回ります。

杉山に代わって右サイドに張るターレス、14分には京都CKからのカウンターで単騎突撃、一旦京都・白井拾われるも奪い返すという圧を見せ付け。(その後デュエル合戦となり奪われる)
15分には再び敵陣で奪われるも右サイドですかさずパスカットするなど、単なる突破力だけでは無い存在感を発揮します。

16分に京都サイドも動き、豊川→金子へと交代。
金子が右インサイドハーフに入り、押し出された福岡が右ウイングに回ります。
右サイドをテコ入れしたその采配の通りに、直後に右サイドのスローインからのパスワークを経て、金子のエリア内右を突くパスを白井が走り込んで受け。
そして熊本・イヨハに倒され、あわやPKかというシーンが生まれるも反則の笛は鳴らず。
しかしクリアボールを井上が拾って二次攻撃を仕掛け、クロスの跳ね返りを武田がダイレクトでミドルシュート、しかしゴール上へと惜しくも外れてしまいます。

この時点では2点目を奪い試合を決める意識が旺盛だった京都。
しかし20分に左サイドでタッチラインを割った際に、荻原が足を攣らせる仕草を見せ。(一度倒れるもすぐに起き上がる)
ここでベンチは交代の準備を始めたものの、22分の熊本の攻撃。
右サイドでパスを受けるターレスに対し例によって2人で対応しようとするも、今度は三島も右へ開いて1対2にはさせず。
そして奥を突いたターレスに対し、追走した荻原がクリアするも、限界に達してカメラマン席の前で激しく倒れ込んでしまう荻原。
熊本の右CKとなるもピッチ外で倒れたためブレイクも挟まれず、熟考出来なかったためかここで交代の選択は採れず(それともまだ準備出来ていなかったのか?)に、数的不利のままセットプレー守備を強いられる京都。

そしてこのCK、キッカー河原のクロスをニアサイドでフリーになったイヨハが合わせ。
フリック気味に放たれたヘディングシュートが左ゴールポスト内側を叩いてゴールに入り、同点に追い付いた熊本。
シュートこそ紙一重というコースでしたが、京都は結果的に隙を見せた事で振り出しに戻されてしまいました。
それでも京都優位な状況は変わらず。

同点になった事でカード変更(得点源のピーター・ウタカを投入するため)を強いられ、その後のキックオフでも交代は行われず、数的不利の状況を何とかやり過ごして25分に交代カードを切った京都。
荻原→佐藤響のほか計3人を入れ替え(山崎・松田→ウタカ・本多へと交代)ると共に、フォーメーションも3バックへと移します。
<後半26分からの京都> 3-4-2-1
GK 上福元
RCB 井上 CCB 麻田 LCB 本多
RWB 白井 DH 川﨑 DH 武田 LWB 佐藤響
IH 福岡 IH 金子
FW ウタカ
あくまでアドバンテージがあり、逆転を防ぎにいく姿勢を重視した事で、ウタカはカウンターというよりはボールの収め所のウェイトが大きくなる状況となりました。

その後熊本サイドも29分に三島が足を攣らせ、それに伴いこちらも3枚替えを敢行。
黒木・三島・高橋→阿部・藤田・粟飯原へと交代、いずれも同ポジション同士と、これまでの戦いを崩さず。
しかしターレスを軸とした右サイドへの攻撃に偏重し、それもロングパス・ミドルパスでターレスに預けるというものとなり、緻密さを失いつつあった熊本の攻撃。
布陣を変えて1トップ2シャドーとなった京都の前線3人も、依然としてプレッシングで熊本のビルドアップを阻む姿勢は変わらず。
結局同点になったのちは殆どフィニッシュシーンを作れない熊本、そのまま最終盤を迎える事となります。

40分頃から、攻撃機会を得ても無理にゴールに向かう事無く、コーナー付近でのキープの姿勢を取る京都。
同点のまま逃げ切りを狙う意識が大きくなった事は明白であり。
43分に熊本は最後のカードを切り杉山→土信田へと交代、2ターゲット(+イヨハ?)となり放り込みへと針が振れる攻撃。(44分に京都も福岡→宮吉へと交代)

そしてそのまま試合はATに突入。
左サイドからイヨハがエリア内へ斜めの縦パスを打ち込み、中央の土信田に通った事で好機となり、藤田へのスイッチを京都ディフェンスが掻き出して左CKに。
残り少ない時間で当然GK佐藤優も前線に上がり、過去ドラマティックな場面を演出してきた舞台は整います。
キッカー河原がニアサイドにクロスを入れて合わせにいく佐藤優、潰されてこぼれた所を拾った平川がシュート。
これを顔面でブロックしたのは京都・ウタカで、跳ね返りをさらに平川がシュート。
今度は京都のブロックを掻い潜るも、あろう事か右ゴールポストを直撃して跳ね返り、寸での所で逃してしまいます。

どれかが違っていたら……という思いにふける間も無く、望みを捨てずに攻め込む熊本。
しかし京都サイドも、熊本の右サイドからのクロスを食い付いてブロックで防ぎ続けてやらせず。
そしてGK佐藤優から攻め直そうとした所で、目安時間の4分が経過した事で試合終了の笛が吹かれました。
非常に悔やまれる思いを残しつつ、J1への道は閉ざされてしまった熊本。

京都が残留となった事でJ1→J2の降格は2クラブとなり、その顔ぶれは磐田・清水。
一方下のJ3では、この試合の裏側でこの日もしっかりとリーグ戦が行われており、その結果あと1試合を残すのみに。
既に昇格・優勝を決めたいわきとともに、藤枝が2位の座を守りほぼ昇格を手中とするなど、来季のJ2の顔ぶれも決まりつつある季節。
果たして今季以上のドラマは生まれるのか、期待感を持って(例年より)長いオフシーズンを過ごしたい所です。


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