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DAZN観戦 2020年J2リーグ第19節 京都サンガFCvsFC琉球

2020-09-17 17:12:17 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の京都の記事はこちら(16節・大宮戦)
※前回の琉球の記事はこちら(9節・岡山戦)

再びの無観客試合という措置が(ホームで)採られた琉球。
それが明けた前節・大宮戦は、鬱憤を晴らすかのように5-0の大勝試合を演じました。
成績的にも4連敗と低迷していただけに、この日に勢いを持ち越し、反撃の狼煙を上げる事が出来るか。

5連戦の最終日で、琉球も5戦全てスタメンの選手が6人と多め。
GKダニー・カルバハルの他、上里・阿部・風間宏矢・沼田・小泉がその内訳で、李栄直(リヨンジ)の出場停止が無かったらもう一人増えていたでしょう。
FW阿部、トップ下の小泉、ボランチの上里というセンターラインは欠かせず。
さらにそれを強化せんと(実質的には風間宏希の長期離脱の穴埋めか)、ガンバから市丸をレンタルで獲得し、上里とドイスボランチを組ませています。

京都のホームで行われたこの試合、京都はホームゲームでは今季無敗(5勝2分)と、新スタジアム(サンガスタジアムbyKYOCERA)を完全に味方に付けているチーム。
苦戦が予想されましたが、試合が始まると実際その通り、いや予想をはるかに超えて京都が主導権を握る展開を描きます。

以前はストライカーのピーター・ウタカを軸にして、サイド突破やパスワークは付属的という感じの攻撃が目立っていた京都。
それがここ最近は、様々な攻め手を使って得点チャンスを産出する攻撃に変化しつつあります。

ビルドアップは3バックがワイドに開き、両サイドのセンターバック(右・森脇、左・上夷)も積極的に攻撃参加。
アンカーに位置する庄司は、最終ラインに降りたり降りなかったりという変化を付け、それに伴いシャドー2人(曽根田・福岡)がビルドアップの出口を務めるように降りて来る。
こうした下地に加え、右ウイングバック・飯田が突破力を見せ付けたり、ベテランの森脇が持ち味であるロングフィード・サイドチェンジを駆使したり。
非常に流動的な、言い方を変えれば健康的になったかのように姿を変えていた京都。

前半の飲水タイムまで、琉球の攻撃機会(自分で集計)は4度のみで、シュートは無し。
逆に京都は(セットプレーを抜いて)12度で、シュート6本と、完全に優劣がハッキリした絵図となりました。
20分過ぎからは琉球ゴールを脅かす攻撃の連続で、21分には敵陣深めでの森脇のサイドチェンジを受けた黒木が、エリア手前左からミドルシュートを放つもGKカルバハルがセーブ。
直後の右コーナーキックでも、キッカー黒木のファーサイドへのクロスを、ヨルディ・バイスが落とし、ウタカがボレーシュートを放つも琉球・福井がブロックで防ぎ再度逆サイドからCKへ。
そこでも庄司のニアサイドへのクロスを森脇が頭でフリック、逆サイドで野田が受けてシュート(ブロック)と、フィニッシュに結び付け続けました。

完全な京都の試合でしたが、それでも得点出来ず。
飲水タイム明けもウタカにシュートチャンスが連続でやって来ますが、ともにモノに出来ず(いずれも26分)。
29分にはウタカがドリブルで上がり、今度はパスを選択するも合わずにカットされるなど、チームの出来と反比例するかのように不振に見えたこの日のウタカ。

ウタカの逸機が切欠となったか、30分頃から琉球サイドに針が振れる展開に。
劣勢を挽回したい心理状況の中でも焦らず、しっかりとボールを繋ぐスタイルは不変で、上里・市丸の2人のボランチからパスを散らしていく攻撃。
それでもシュートは32分の、田中の遠目からのシュートのみ(ブロック)。
35分にはエリア左すぐ脇からの直接フリーキック、キッカー上里のクロスがクリアされた後、田中が繋いだボールを河合がボレーシュートにいったもののミートせず右サイドに流れてしまいました。

その後琉球のターンが終わり、一進一退の様相に突入するも、目立ったのは京都の攻撃の方。
37分、様々な手を打ちサイドを変えて攻撃するも一旦戻され、バイスが受けると自身が攻め上がり。
曽根田とのワンツー・ウタカとのワンツーを経て果敢にシュートを放ちますが、ブロックされて実らず。
41分にはウタカに決定機が訪れ、森脇のロングパスがクリアされるも、逆方向にこぼれたボールを野田が拾ってそのままエリア内右へ進入してクロス。
このグラウンダーのボールを、中央でウタカが合わせたもののあろう事か右ゴールポストを直撃。
跳ね返りをさらに頭で詰め、ゴールに突き刺したウタカですが、その際手に当たったとの判定でハンド・ノーゴールに。
納得出来ずに執拗に審判に抗議したウタカでしたが、得たのは異議による警告だけに終わりました。
ウタカとバイスの二大柱が奮起を見せた終盤でしたが、結局スコアレスのまま前半終了。

後半立ち上がりも、最初に琉球が攻撃したのみで京都のペースに突入します。
後半8分のCKからの二次攻撃、長いパス回しを経てウタカが左サイドでボールを持つと、曽根田・野田のポストプレイを経て前進してシュート。
しかしブロックに阻まれ、果敢にゴールを狙うもどうしても果たせないこの日のウタカ。
その間隙を突かんと、琉球は10分に上里がミドルシュートを狙うも、ゴール上に外れてモノに出来ず。

嫌な予感が流れ始める展開を救ったのは、ウタカの相棒ともいうべき2トップの片割れ・野田でした。
16分に左サイド奥からのスローイン、野田が受けたもののその後パスワークを経て右サイドへ渡り、飯田がドリブルで奥へ進入。
そしてクロスが上がると、ファーサイドで野田がヘディングシュートをゴール左隅へと突き刺し、先制ゴール。
怒涛の攻撃をやっと結果に結び付け、歓喜に沸く(といっても騒げない現状ですが)スタジアム。

その後も京都ペースは続き、18分には相棒に続かんとウタカがドリブルでエリア内に持ち込みますが、GKカルバハルに抑えられて撃てず。
何かに取り憑かれたかの如く、決定機を仕留められないこの日のウタカ。
そんな彼を尻目に試合は続き、流れを変えたい琉球は20分、小泉→上原慎也に交代します。

阿部・上原慎の2トップにシフトし、以降長身の上原の存在で阿部もパスワークに加わるようになります。
しかしそれだけでは守りを固める京都には通じず、ボールは握れるようになったもののシュートまではいけないという、ビハインドのチームお馴染みの光景に。

この日は双方ともに交代が遅く、京都は好循環をそのままにしたいという思惑からでしょう。
琉球2度目の交代は31分で、風間宏矢・田中→山口・上原牧人へと2枚替え。
上原牧は特別指定選手であり、これが5試合目の出場(この日は右サイドバック)。
風間宏希・小野など故障者続出という事情なのか、それとも富所を最後まで使わなかった辺り、手駒を増やしたいという思惑だったのか。

それはともかくとして、33分には早速交代で入った山口がエリア手前右からシュート(ブロックされGK若原キャッチ)。
反撃の匂いが生まれたかに見えましたが、結局その後はペースダウン。
40分には京都、バイスのドリブルからウタカがラストパスを受けてエリア内に入ったものの、シュートはやはり李にブロックされてゴールならず。

京都ベンチが最初に動いたのは42分とかなり遅めとなり(曽根田→川崎)、以降は殊勲者の野田が足を攣らせて43分に交代(谷内田が出場)、アディショナルタイムに2枚替え(飯田・ウタカ→金久保・安藤)とカードを切っていき逃げ切り。
シュート数で圧倒(26対6)していたため物足りない結果でしたが、ウノゼロで無事勝利に辿り着きました。

スコアこそ平凡でしたが、印象的だった京都のサッカーの変貌ぶり。
その要因は恐らく、完全ターンオーバーで臨んだ試合が契機になったのだと思われます。(13節・新潟戦と16節・大宮戦)
ウタカやバイスといった大黒柱を欠いた試合、勝利には辿り着かなかった(13節・1-1、16節・0-1)ものの内容的には悪くなく。
むしろ普段のレギュラー組よりも面白いサッカーを展開していた、として話題になりました。
パスが良く回り、攻め手を増やし、人数を掛けて攻撃を完結・ボールを奪いきるスタイル。

これがウタカ・バイスが居ると逆になり、結果こそ残るものの、真逆の流動性が少ないサッカーに。
バイスがロングボールをサイドに送る事で打開する・ウタカ以外の全員がリトリートして待ち構える、といった攻守の内容となり、それは前年の継続点が何も無くなってしまったかのようでした。

黒木・上夷・谷内田などサブ組の奮起により、遅まきながら軌道修正が図られた、といった所でしょうか。
実際に彼らがレギュラー組に割って入り、森脇や曽根田が復帰した事もあり、ガラリと良い方向へと変わっていった。
今季になって欠けていた(と思われる)組織力の強さも感じられるようになり、ここから前年のような昇格争いを演じられるか注目となりそうです。


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