goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2025年J1リーグ第9節 鹿島アントラーズvs京都サンガFC

2025-04-09 18:06:36 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

鹿島ベンチメンバー=梶川(GK) キムテヒョン 津久井 三竿 舩橋 小池 溝口 田川 師岡

京都ベンチメンバー=圍(GK) 福田 永田 宮本 ジョアン・ペドロ 米本 松田 マルコ・トゥーリオ ムリロ・コスタ


名門中の名門である鹿島。
その経歴は今更説明不要なものの、ここ数年は人気・成績両面でトップ集団からは後れを取っているという印象が拭えず。
2019年以降タイトルとは無縁で、「陸の孤島」と揶揄されるホーム(県立鹿島サッカースタジアム)の立地も重くのしかかりがちに。

川崎・神戸といった別クラブのタイトル獲得量産や、広島のような新スタジアムの完成などの要素で、ここ数年で勢力図は塗り替えられ。
今季は滑り出し上々で目下首位に居るだけに、そうした状況に立ち向かい、かつ勝ち抜く事が求められる一年になりそうです。
この日ホームに迎えた相手は京都。

その京都、前半1分の最初のチャンスを右コーナーキックに繋げたものの、そこから展開されたのは鹿島のカウンター。
しかもクリアボールを須貝がキックミスという形で鹿島ボールになったもので、柴崎のスルーパスを受けた濃野の前進を戻ってきたアピアタウィアが何とか防ぎ。
続く3分にも、(川﨑の)対角線のロングパスを受けた奥川が右奥を伺う好機を作った京都、ここから奥へ切り込むと見せかけカットインの姿勢からアーリークロス。
しかしこれも、跳ね返りを福岡が1タッチで縦パスと、早くエリア内へボールを送る姿勢が仇となってクリアボールが鹿島のカウンターに繋がります。(柴崎のパスを受けた松村がドリブル、鈴木優とのパス交換を経て左ポケット奥からクロス)
アウェイ感の強い環境下で厳しい状況に追い込まれているような入りを描き。

ウイングにもターゲットになれる選手を置いているのが京都の特徴。
そしてサイドを幅広く使ったロングボールと、一貫した立ち回りを見せたものの、7分にそれを合わせにいった原がクリアした濃野に対し反則。
すると警告対象にまで発展、早々に橋頭保の一角が警告付きと、こちらも苦しい状態となり。

精神的に優位に立った鹿島、入りのカウンター攻勢は終わり、主体的な攻めのターンへと突入。
10分には京都のお株を奪うような、対角線のロングパス(左→右)を通したのちの右スローインからの繋ぎで敵陣で長いポゼッション。(右奥で細かく繋ぎ、クロスをニアで柴崎が受けるもその後パスミス)
続く11分にはGKから地上での繋ぎで、巧みに京都のプレスを剥がしたのち柴崎がドリブルで自陣から一気にエリア内へ。
そしてシュートにまで持ち込んだ柴崎。(アピアタウィアがブロック)

この日の鹿島のビルドアップは、4対4の同数にGKを加える事で数的優位と取り。
前線が前に張ってきちんとピン止めしているのか、京都はそれ以上の人数を掛ける事はままならなず、持ち前の前線の圧力を発揮出来ません。
エリアスの二度追いに頼る絵図が目立ち、ボールゲインは夢のまた夢という状況を強いられ。
16分の鹿島のボール保持、京都はGK早川にロングフィードを蹴らせたものの、跳ね返りを拾わんとした柴崎を福岡が倒してしまい。
これをセアラが拾った事でアドバンテージ、そのまま右へスルーパスを通されて荒木がクロス(クリアでCKに)とまたも好機を許したうえに、先程のチャージで福岡にも警告。

京都が苦境なのは明らかで、ここから左CK→右奥でのスローインと鹿島の攻めが続き。
投げられたボールから素早いクロスを選択し、跳ね返りを収めた柴崎が浮き球のままコントロールしてエリア内へ。
このパスを受けた鈴木優も巧みにキープから横パスを出し、最後はセアラが1タッチシュートで仕上げネットを揺らします。
柴崎・鈴木優の技に翻弄されては、最も警戒すべき得点力を誇るセアラへの道が開いてしまうのも道理というものであり。

早くもリードを得た鹿島に対し、京都は激しく寄せる意識を高めるものの、再開して間も無い19分に今度はアピアタウィアが(松村に対し)反則・警告。
これで合計3枚目と、傷口が広がっていきます。

量産される京都の反則もあり、鹿島は遠目からのフリーキックでも放り込みを選択する事が多かったこの日。
ここからは少々余談ですが、アクチュアリープレイングタイム(以下APT)を増やすための「世界基準の判定」を持ち込むに至った今年のJリーグ。
しかし判定を巡っての不満の噴出により、本末転倒な感が強まっている昨今。
むしろ直接的にAPTを増やすにはロングスローや放り込みの数を減らしたり、CKでの間合いの時間を減らす努力の方が不可欠と思いますが、それは各クラブのスタイルとも要相談となり。
結局はコントロールし難い要素だと、有力クラブである鹿島でも放り込み重視という姿勢を見て、そんな事を考えさせられました。

試合の方は、やはり前線に張る人数の多い鹿島に対し、GK早川の足下の技術もありプレスを抑制せざるを得ない京都という展開が続き。
28分、京都は焦りからか敵陣でボール保持の体勢も、左から原のアーリークロスを選択。
これが跳ね返されるとまたも鹿島のカウンター、という具合に着実に構築されつつある負けパターン。
荒木が右ハーフレーンをドリブルで持ち運び、並走するセアラへラストパスが送られた末に、放たれるセアラのシュート。
GK太田が距離を詰めてセーブ、尚もゴール方向へ向かうボールに鈴木優が詰めにいくも、アピアタウィアが掻き出し。
それも束の間さらに荒木がミドルシュート、これも佐藤響がブロックと連撃を何とか凌ぎます。

しかしそれも一瞬の安堵でしか無く、続く29分に関川のクリアを収めた鈴木優に対し腕でチャージした須貝が反則と、ラフプレー紛いでしか止められないディフェンス。
これで得た左サイドからのFKを、キッカー荒木中央へクロス→濃野を越えて植田折り返し→セアラシュートと完璧に生かし切った鹿島。
またもセアラの1タッチゴール(得点ランキング独走の今季8点目)で、リードを広げるに至りました。

猛烈な追い上げが必要となった京都。
自身もボール保持による最後方からの崩しを図らざるを得ず、その能力が決して高くないだけあって更なる苦境に立たされた感があり。
GK~DF間で持っている際、鈴木義が巧に鹿島FWの間を取るポジショニングでどうにかしようという姿勢は失点前から見せており。
それでも、最後方から前への可変というやや変則のスタイルでは、洗練されたハイプレスに対し安定させるのは難しく。
結局、2失点後は福岡が降りる形が基本となりました。

しかしその形からも然したる好機は生まれず。
37分、最終ラインで裁いた福岡が一列前に出て、左からの横パスをセアラの背後で受けたのが起点となり前進。
縦パス→エリアスフリック→原でアタッキングサード進入に成功し、右からのクロスの跳ね返りを繋いだ末に、起点の福岡がミドルシュート(関川がブロック)とフィニッシュに繋げたのが唯一のものとなりました。
攻撃機会が1度だけとあらば、当然鹿島の攻撃に翻弄されるという時間が長くなり。

2ゴールに加え、セアラが腕を痛めて倒れ込むシーン(42分)も生まれた事で+5分となったアディショナルタイム。
突入後も押し込み続ける鹿島、CKでの二次攻撃から、クリアボールを繋いで柴崎が突撃という状況に持ち込むとエリアスが引っ掛けてしまいまたも反則。
今度はエリアから至近距離、つまり絶好の直接FKを与えてしまいます。
壁に8人を使い、必死の防戦体制を取った京都。
鹿島はキッカーに荒木を選択し、満を持して放たれたシュートはそれを直撃。
足下に転がってきたボールを再度シュートした荒木ですが、前に出たエリアスがブロックと防ぎきります。

京都は粘ったものの、2点差という結果は変えられず前半が終了。
前年の天皇杯・神戸戦を彷彿とさせる、力量差を痛感せざるを得ない展開を受けてハーフタイムで2枚替え。
アピアタウィア・福岡→宮本・ペドロに交代と、最終ラインと中盤にそれぞれテコ入れを敢行する事となりました。

アンカー福岡が退いた事で川﨑がその位置を務め、ペドロが空いたインサイドハーフに入った中盤三角形。
しかし投入されたペドロ、後半2分に柴崎に対する反則で早くも警告を貰う有様と、根本的に変わっていないかのような絵図を作ってしまい。
その後も、スコアラーのセアラが何度もシュートチャンスを迎えるなど、鹿島ペースが継続されたかのような立ち上がりに。(ただしスローインのボールに入れ替わって遠目からシュート(7分・枠外)など、その姿に若干の焦りが感じられ)

宮本の投入、かつ鹿島がプレスのペースを落とした事で最後方での繋ぎは良化した京都。
それが活きたのが8分、地上でサイドを移しながのパスワークで敵陣進入ののち、平戸が斜めの縦パスを中央に打ち込みペースアップ。
原のポストプレイをさらに川﨑が1タッチで前へ送ると、エリア内中央でエリアスがシュートと決定機に繋がりましたが、ふかしてしまい決められません。

一つ風穴を開けた事で、積極性を取り戻したい京都は12分さらに佐藤響→福田へ交代と矢継ぎ早に動くベンチ。(須貝が左サイドバックに回る)
その直後の13分、エリアからすぐ手前という位置でペドロがボールカット、そのままエリア内に切り込むショートカウンター。
これを植田が倒してしまうも反則の笛は鳴らずと、モノに出来ませんでしたがハイプレスの勢いも出始め。

そんな良い流れが生まれ始めた京都に対し、鹿島はスタメンを引っ張った事で次第に息切れという格好に。
守備陣形の間延びも目立ち、迎えた16分の京都のビルドアップは、右への展開から(福田の)スルーパスで一気に右ポケットと直線的な前進。
しかしこれが最大の武器となり、走り込んだ原のマイナスのクロスに対し、ブロックするも掠めただけとなりニアのエリアスに渡る好機に。
そして横パスを経て放たれる平戸のシュート、植田がブロックするも右へこぼれるボール、そこに奥川が反応してのシュートでネットを揺らします。
前半に比べちょっとずつ遅れ始めた、鹿島の守備を破り1点を返しました。

尚も17分からCK攻勢に入るなど、京都のターンは続き。
対する鹿島は19分に(福田への)アフターチャージで松村が反則・警告と、前半の京都を彷彿とさせる苦境に立たされます。
すかさずベンチが動き、柴崎・荒木・松村→三竿・小池・師岡へ交代。
一挙3枚替えを敢行し、破綻を防ぎに掛かった鬼木達監督。

それでもペースは変えられず、京都は1点目のような、ダイレクトにサイド奥を突く姿勢を貫き。
そこには多少見られていた、緻密なビルドアップといった感は無いものの、疲弊してきた鹿島ディフェンスの前では大きな要素となります。
25分には京都の自陣でのボール保持に対し構える姿勢の鹿島、そこにあろう事か、構える鈴木優が戻ってきた主審(上田益也氏)に激突されるという珍事も生まれ。
その隙を突くかのように、降りてキープする原が右サイドへロングパス、これを福田がエリア内へ落としと素早く運ぶもフィニッシュには繋がりません。

この直後、京都はさらに奥川→トゥーリオへと交代。
アタッカーの駒を増やし、かつそれを活かす姿勢を強めに掛かります。
その象徴が27分、GK太田が低い弾道でロングフィードを送り、エリアスのポストプレイで落とされたボールでトゥーリオが一気にロングシュートを狙い。
自陣から放たれたこのシュートが、ゴール左へ際どく外れるあわやという場面を創出する事に。
そんな姿勢に圧されたか、続く28分には鹿島陣内で浮き球の応酬になり、関川がヒールでのクリアを図るもキックミスで原に収まるというらしくないプレー。
そして原がすかさずミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、運気は京都にあるのが一目瞭然な展開。
ベンチも終始前掛かりで、33分に早くも最後のカードを使用し平戸→コスタ。
これでトゥーリオが中央に回った事で、4-4-2気味の布陣ながら、サイドハーフ(右=コスタ・左=原)も前掛かりな4トップと言いたくなる陣容に。

34分、(セアラが須貝に倒されるも反則無しとなった事で)試合が途切れたため鹿島が自陣からドロップボールで再開。
これに果敢にプレスを掛ける京都、すかさず植田が左に展開して安西→セアラと素早く奥へ運び。
とにかく取り返したい京都と、したたかさを発揮したい鹿島との意思のぶつかり合いという趣ある攻防が描かれます。
左奥を取った鹿島ですが、キープの姿勢も匂わせながらも師岡のバックパスがカットされた事で途切れ。
狡猾な絡め手を使いながらも保持に失敗した鹿島により、一層京都に針が振れる結果を招いたでしょうか。

迎えた35分、地上からの組み立てで宮本が右から斜めの縦パスを通し、中央→左へ素早く展開。
すると原はその姿勢の通りアーリークロスを選択し、今度は鹿島の対応力が落ちていた事もあり、エリアスにピタリと合ってヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、待望の同点弾が生まれました。

既に京都の怒涛の攻めを止める術が無いという鹿島。
キックオフからの繋ぎで、トゥーリオのパスカットで矢印反転を強いられアタッキングサードまで運ばれ。
そして左スローインの連続で攻め上がる京都、奥での繋ぎを経て須貝のクロスが上がると、ニアで跳んだコスタの奥で合わせたのはまたもエリアス。
再度ゴールネットが揺れ、3分間で2得点というエリアスの本領が発揮され逆転に成功します。

一気に窮地に立たされた鹿島、キックオフの前に鈴木優→田川へと交代。
さらに2分後の40分、樋口→キムテヒョンに交代と一気にカードを使いきり。
この交代でキムテヒョンが左CBに入っての3-4-2-1となり、小池がボランチにシフト。

この布陣変更で保持力は高まるも、守りに入った京都に対し一向に隙を伺えず。
フィニッシュシーンを作れないまま、試合はとうとうATへ。
楽勝の気配も見せていた前半の姿は何処にも無く、死線を彷徨いながら活路を見出すという状況の鹿島。

しかし+1分を回った頃、京都の左スローインを濃野が跳ね返して前進に転じ、セアラがデュエルを制してのキープで中央に繋げ。
安西を経由して師岡が中央突破に持ち込むと、スペースを得ていた事で果敢にミドルシュートを選択。
これがゴール左へと突き刺さり、土壇場の同点弾を齎します。

3-3となったものの目安時間はまだまだあり。(当初は+7分)
鹿島の疲労度は最高潮のはずで、勝てるかも……という姿勢で何とか鞭を撃つといった状況。
そしてその「自分の意志とはかけ離れた前向き姿勢」が、残酷な結末に繋がったでしょうか。

GK早川ロングフィード→師岡フリックという手法で素早く左奥を突きに掛かる鹿島の攻撃。
既に繊細な崩しなど無きに等しく、スペースに転がるボールに安西が走り込むも、カバーした宮本が奪うと京都のカウンターに。
宮本ミドルパス→トゥーリオポストプレイ→コスタと経由するなか、前掛かりだった鹿島守備の薄さは語るのも物憂いという有様で、中央で原が持ち運ぶ状況に。
そして左ポケットへ出されたラストパスに、ワントラップを経て放たれたエリアスのシュートがGK早川を弾いてゴールネットに突き刺さります。
相手を希望から絶望へ……という、ハットトリックを達成したエリアス。

再度追い掛ける鹿島ですが、キムテヒョンを上げてのパワープレイに舵を振るしか無い残り時間。
右からの小池のクロスを、諸岡が合わせてのヘディングシュート(GK太田キャッチ)が唯一のフィニッシュとなり。

そして10分も過ぎ(その最中にGK太田が遅延行為で警告)、乱打戦の決着を告げる笛が鳴り響き。
オープンな展開に自らしてしまった感の強い鹿島の敗戦となりましたが、巻き返しを図れるかどうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ