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DAZN観戦 2024年J2リーグ第12節 水戸ホーリーホックvs藤枝MYFC

2024-04-29 16:01:44 | サッカー視聴記(J2)

※前回の水戸の記事はこちら(9節・群馬戦、0-0)
※前回の藤枝の記事はこちら(4節・岡山戦、0-1)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(山口戦、2-1)退場(警告2度)となった前田椋が出場停止。
  • 井上がJ3・宮崎へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。

<藤枝スタメン>

  • 川島が累積警告により出場停止。
  • その川島は前節(徳島戦、0-1)負傷交代し、詳細が発表され全治4週間との事。
  • 負傷離脱していたアンデルソンが復帰し、今季初のベンチ入り。

2年目となるJ2生活で、その壁にぶつかる形となっている藤枝。
順位もさる事ながら、ここまでわずか4得点と「超攻撃」を名乗るにはとても物足りない数字となっており。
前回観た時はかなり前ですが、放送席(解説=南雄太氏)によるとそれ以降も攻撃のスタッツ自体は素晴らしい数字を残しており、後は決定力といった内容の事。
果たして得点により立ちはだかる壁をぶち破る事が出来るか……と、思わず聞き飽きるようなワーズを並べてしまう状況ですがどうなるか。

川島の出場停止and負傷により、必然的に最終ラインを弄るという苦境に塗れ。
その中で目を惹く名前は今季初スタメンのウエンデルで、体型的(190㎝・87kg)にもフィジカルに特化した感じのいかにも助っ人といった存在。
そんな選手をどう使うかという所でしたが、やはりその長所を生かすような立ち回り。
即ち攻撃時に彼を高目に上げ、ゴールキックなり疑似カウンターなりでのロングフィードのターゲットとする手法を目立たせ。

慌ただしい時間帯である立ち上がりを、そんな流れでやり過ごそうとした藤枝ですが、その間に襲い掛かる水戸の攻撃。
前半3分の水戸、こちらも寺沼をターゲットにしたミドルパスからセカンドボールを繋いでの攻めで、新井晴の左からのクロスがクリアされるも尚も繋ぎ。
そして長尾がミドルシュートを放たんとした所を西矢にチャージされ、反則・警告となるとともに、良い位置(ほぼ中央から)での直接フリーキックを得ます。
これをキッカーの位置に居た黒川が軽く蹴り出し、長尾がシュートと変化を付けたものの、結局は壁を直撃と実らず。

水戸の攻撃に対し、藤枝は守備でもハイプレスにはいかずと、全体的に様子見の意識が高かったでしょうか。
0-0で前半をやり過ごしたい、といった影のプランが伺えたものの、それは果たす事が出来ず。
迎えた14分、最終ラインからのロングパスを、こちらもウエンデル同様システマティックに高い位置を取る右サイドバック・村田が受けて奥からクロス。
クリアされるも尚も拾い、黒川のスルーパスから再度クロスを上げる村田、ファーサイドで安藤がヘディングシュートを放ち。
これが左ゴールポストに当たるも、跳ね返りを詰めた大崎がゴールネットを揺らし、先制点が生まれます。
ここまでビルドアップで殆ど阻害を受けなかった水戸、その流れでゴールに辿り着く事に成功しました。

これで追う立場を強いられた藤枝、降りてパスを受ける梶川を主体に、スルーパスで裏を突かんとする意識を高めますがさしたる成果は上げられず。
頼りたい榎本の突破力も、19分に小笠原の対角線のロングパスを受けたのちワイドで切り込まんとした所、村田のディフェンスに阻まれるという具合に封じられ活かせません。
逆にリードした事で気を良くした水戸の、村田・黒川が主体となっての右サイドアタックが冴え渡り。
先制点のシーン然り、右肩上がりの最終ラインから、残っていた大崎が「偽SB」として振る舞い急所を突いて来るのも脅威だったでしょうか。

やりたい形は見えているので、後はそれを噛み合わせたい藤枝。
26分、GK北村の右へのフィードから攻撃を組み立て、新井泰から今度は逆の左へフィード。
受けたウエンデルから、榎本との二段構えでの前進で左奥を突く攻撃でクロスに辿り着き。(ウエンデルクロス→ファーで平尾落とすも撃てず)
高い位置取りのウエンデルを巧く活かせた事で徐々に好循環が生まれ。
28分には榎本が出足良く中盤でパスカットし、ここから一気に奥まで切り込んだ事でコーナーキックに持ち込むと、CK攻勢へと突入。
クリアされた後も二次攻撃と、長らく押し込んだものの結局モノに出来ず。

しかしその中で、寺沼がウエンデルとの空中戦で痛み、頭部から出血する事態が発生してしまい。
治療を経てピッチ外から復帰した寺沼ですが、そのフィジカルが徹底チェックに遭う存在なのは相変わらずで、負傷により冴えを無くしてしまった感があり。
32分にはロングボールを受けにいくも、小笠原に(腕で)抑え込まれてカットされると逆に藤枝の攻撃に、左サイドでの繋ぎを経て西矢が一気に右ポケットへロングパス。
受けた大曽根からのクロスに跳んだのはウエンデル、合わずにクリアされるも小笠原がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、大分藤枝へと傾いて来た流れ。
それに伴い、38分に新井泰が長井と交錯して反則となると、先程の負傷の事もあり寺沼がヒートアップして一触即発の状態を招くなど苛立ちを隠せなくなる水戸サイド。

次第にハイプレスの意識を高める藤枝により、GK春名のロングフィードで回避を余儀なくされるなど、水戸は攻撃自体でも流れを掴めない状態に。
その間に得点したい藤枝ですが、やはり決定力不足の暗雲を完全には振り払えず。
アディショナルタイム、西矢がエリア内へのロングパス一本で裏を突いた所、走り込んだ矢村がダイレクトで合わせボレーシュートを放ちますが枠を捉えられず。
チームが好調ならば、こうしたフィニッシュもゴールか、それに準ずる結果(GKのセーブとか)を叩き出す事も可能でしょうがそこまでの流れは無く。

結局1-0のまま前半が終わり。
ハーフタイムでの交代はともに無く、迎えた後半はリードしている水戸が先にペースを掴み。

後半2分、左サイドで持った新井晴がパス&ゴーで裏へのミドルパスを奥で受けてカットイン。
そしてポケット奥からグラウンダーのクロスを入れ、安藤が中央で合わせたもののゴール右へ僅かに外れ。

この決定機逸に加え、4分にはGK春名がフィードを長井にぶち当ててしまうというミスから藤枝の好機に。(スルーパスに走り込んで榎本が左奥からクロスも繋がらず)
これで流れを失ってしまった水戸、6分には反則(長井のアフターチャージ)で藤枝の右サイドからのFKとなり、攻め立てる藤枝。
一旦途切れるも中盤で西矢が奪い返し、左サイドでの繋ぎを経て新井泰がアーリークロスを送ると、裏抜けのように走り込んでファーで合わせたのは大曽根。
前半終盤のような、鮮やかな裏を取ってのフィニッシュをついにゴールに繋げて同点に追い付きます。

尚もミスの流れを引き摺る水戸に対し、押せ押せの状態に入る藤枝。
守備ではハイプレスで流れを作らせず、流動的な攻めで敵陣でサッカーを展開と、やはり前半は様子見・体力温存の意味合いが強かった感があり。

特に広範囲で動き回りパスを引き出す梶川が効いている印象で、彼の動きにより他選手の位置取りも変わるという流動性を齎し。
9分には右サイドでの繋ぎで、大曽根の裏へのミドルパスを受けたのは本来逆サイドの榎本で、入れ替わりでポケット奥を突きに掛かる(クリアされCKに)という具合。

11分には最終ラインからのビルドアップ、間で受けた西矢の左へのパスを受けたウエンデル、そのままドリブルで一気に敵陣へ。
左ハーフレーンから切り込まんとしましたが、村田と交錯する形で阻まれてしまい(反則無し)この攻撃は実らず。
初スタメンで攻撃に厚みを齎す異色の存在となり得た彼ですが、13分にお役御免となり。
併せて2枚替え、復帰したてのアンデルソンの投入に踏みきった須藤大輔監督。(ウエンデル・平尾→山原・アンデルソン、中川創が左センターバックに回り山原が中央に)

藤枝の独壇場という展開を何とか断ち切りたい水戸。
しかし直後の14分にも、村田が上がっての攻撃を遮断され、そのスペースを突かれる攻撃を許す(梶川のスルーパスから矢村がクロス)など一向に変えられず。
それを「采配で強引に変える」思惑からか、15分にこちらも動き長尾・黒川→高岸・落合へと2枚替え。

しかしそれが果たされる事は無く、投入されたアンデルソンのボールキープ力をしっかりチームに還元する藤枝のペースは尚も続きます。
そして18分、藤枝のビルトアップに対しFWがハイプレスを掛けた水戸ですが、山原の右への展開でいなされると大曽根が斜めの縦パスを中央へ。
これを矢村がスルーパス気味のポストプレイで前へ送ると、彼に喰い付いた事で完全にアンデルソンに裏を取られた水戸ディフェンス、右ポケットからダイレクトで放たれたシュートがゴールに突き刺さり。
我慢の展開の果てに乱れた水戸の組織力を突く形で、とうとう逆転した藤枝。

逆に追う立場となってしまった水戸。
直後のキックオフでは、高岸の蹴り出しが前に出て来た矢村にブロックされるなど、どうにも流れが悪いままであり。
そのまま、お互い蹴り合いの様相がしばらく続いたのち、先に動いたのは藤枝ベンチ。
22分に大曽根→シマブクへと交代します。

窮地の水戸は、ここから新井晴の突破力を前面に押し出す事を選択し、早速の23分にスルーパスを左ポケットで受けてカットインシュート(枠外)と脅かし。
するとポジション的にまともに相対する事となったシマブク、25分に彼のドリブルを反則で止めてしまった事で警告を受け。
セットプレー(左ワイドからのFK)となりましたが、ここが勝負所と言わんばかりに2枚替えを敢行する水戸サイド。(大崎・寺沼→甲田・久保)

ここからFK→CK2本とセットプレー攻勢を掛けた水戸、ゴールに向かうクロス→GK北村がパンチングで逃げるという流れを2度繰り返し。
それが途切れると、大崎の抜けた左SBには長井が・さらにボランチには落合が回り、さらに長井が最終ラインに固定化される事で攻撃時は殆ど3バックのような状態に。
村田が右ウイングバック・新井晴が左WBのように振る舞うという、水戸のシステム変更がお披露目されます。
他方、藤枝は警告が付いたシマブクを気に病み、直後から榎本と左右入れ替えというポジションチェンジを敢行するに至り。

それでも最後は新井晴頼みという流れは変わらず、29分に甲田のスルーパスを受けたのち、再びエリア内を突いてのカットインシュートでゴールを狙うもGK北村がセーブ。
ここからCK3本とまたもセットプレー攻勢、いずれもミドルシュートを放って終わるも決められず。
勢いが出て来た水戸ですが、それでも押し迫る時間。(32分に安藤→草野へと交代)

一方藤枝も37分に梶川→河上に交代と、最後の交代は水戸の方が速く動く格好に。(新井泰が一列上がりシャドーに)
しかし水戸の流れを堰き止められずと、それに従うように展開までひっくり返ったようであり。
38分ボランチに降りた落合から組み立てる攻撃、一度はパスカットに遭うも繋ぎ直し。
そして長井縦パス→高岸フリックで(逆を突かれた小笠原のスリップもあり)前に出ていた落合に渡ると、そのまま中央からミドルシュート。
グラウンダーで狙いすましたボールがゴール右隅へと突き刺さり、新井晴の力から一変したかのような、技での得点が齎されます。

同点に追い付いた水戸でしたが、それを喜ぶ時間はあまりにも短く。
ややもすると雑になりがちな終盤の攻防を経て、流れを掴んだのは藤枝の方でした。
41分右深めからのスローイン、投げられたボールをアンデルソンがフリックで浮かせてエリア内を急襲し、矢村が走り込んでボレーシュート。
GK春名にセーブされるも右CKで継続すると、キッカー・シマブクのニアへのクロスを跳ね返せず(フリックにいった小笠原も触れずに)中央のアンデルソンに収まり。
そして放たれたシュートがゴールネットを揺らし、この日2度目の勝ち越し点を挙げたアンデルソン。
負傷からのド派手な快気祝いをチームに齎しました。

同点から一転、というよりは、そこから雑になってしまった事からも浮つきを抑えられなかった感じの水戸。
気を取り直して攻め直すも時間はATに突入、5-4-1のブロックで自陣を固める藤枝に対し取れる手段は少なく。
ひたすら敵陣でボールを繋いで隙を窺いますが、長井がミドルシュートを2本放ったのみで崩せません。

結局最後は藤枝が敵陣でサッカーを繰り広げる絵図となり、時間を使った末に試合終了に。
2-3と、得点力不足を跳ね返す展開で勝利を収めた藤枝。
ここでも、これを良薬として以降攻撃力を取り戻せるか……と月並みな事を述べて締めたいと思います。

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