ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第20節 アルビレックス新潟vs徳島ヴォルティス

2020-09-22 19:07:27 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の新潟の記事はこちら(16節・長崎戦)
※前回の徳島の記事はこちら(18節・栃木戦)

夏の移籍で大幅に動いた新潟、とは前回までに書いた通り。
しかし過剰な戦力となってしまい、そのシワ寄せは必ず何処かに来るものです。

そんな訳で人材豊富なボランチにメスを入れ、中島・福田の加入で脇に留め置かれた感のある秋山を育成型レンタルでJ3の沼津へ放出。
補強選手に若手が押し出される形となり、外部から見れば「結果を出す事(昇格)に舵を踏み切った」という絵図に映るのは必至。
上位3クラブ(北九州・長崎・徳島)が一歩抜き出ている現状のJ2リーグ、ここから巻き返すのは容易では無く、成果主義を採った故のプレッシャーが襲い掛からないかと不安をかられます。
そしてこの日はその上位の一つである徳島との対戦、ここで勝てれば昇格争いに加われるチャンスが広がりますが、反対に負けてしまったら……。

そういった状況で挑んだこの試合、中島・福田に荻原・鄭大世(チョンテセ)と獲得した4選手を同時にスタメンに並べる決断を採ったアルベルト・プッチ・オルトネダ監督。
自身の志向するサッカーを植え付けると同時に、結果も求められる立場となってしまった感がありますが、その心境やいかに。

久々に1週間近く空いたものの、ここから3度目の5連戦がスタート。
そのため試合中でもペース配分をしつつ立ち回る徳島、この日も立ち上がりからスローペース。
様子見に徹した結果、新潟が序盤から攻め込む展開を描きます。
徳島がプレスを掛けないため、ボールも繋がり、いつものビルドアップよりも素早く前線へボールを送る攻撃。

しかしシュートを放てずに時間を浪費していくと、10分頃から徐々に普段通りのサッカーへ移っていきます。
すなわちボランチの一人が最終ラインに落ち、「丁の字型」でビルドアップしていくスタイル。
そしてここから徳島のペースも上がっていく(ここまでは新潟が6割以上のポゼッションだった)という、両チーム普段着のサッカーへとシフトした様相に。
前半13分、右サイドを細かくパスで繋いでいく徳島の攻撃で、右ウイングバック・藤田征也が奥に進入してのクロス。
これがブロックされてコーナーキックとなると、キッカーは小西が務めて低いクロス、中央で垣田が跳び込んでヘディングシュート。(GK小島キャッチ)
その直後(14分)に新潟も、ロングボールを鄭が収め、受け取った本間がドリブルからシュート(枠外)を放ってやり返し。

それでもペースが上がってきた徳島が徐々にゲームを支配していき、22分には敵陣深めでのボールカットからチャンス。
右サイドから渡井がボールを入れると、垣田がGKの上を抜くような柔らかいシュートを放ちますが、ゴール上に外れてモノに出来ず。

基本フォーメーションは3-4-2-1の徳島ですが、守備時は4-4-2でブロックを作る可変式。
攻撃でも両サイドバックが居るようなポジショニングとなる事が多いため、4バックとの見方も数多あります。
対する新潟は4-4-2の基本スタイル(中盤はドイスボランチ+両サイドハーフ)ですが、右SHの中島が本職はボランチなためか、一見3ボランチかという錯覚も。
そんな思い込みの下、残りの本間が中央寄りでプレー、時には逆の右サイドまで張り出してプレーする事もしばしば。
こちらも可変して、疑似的な4-3-1-2という感じでゲームを作っていっているように見受けられました。
そして底を固める事により、SBが高い位置を取って攻撃に拘わる事が出来る。

飲水タイム明けの25分、ロングボールの跳ね返しを福田が拾いパスワーク、そこに本間も加わったのち島田が左へサイドチェンジ。
これを左SBの荻原が受けてクロスを上げ、エリア内で収めた鄭が反転シュート(GK上福元キャッチ)を放ったシーンは、そんな新潟の狙い通りの攻撃のようでした。

その後は両者攻撃を展開するも、シュートに結び付けるという点では徳島が上回り。
32分に西谷がカットインからエリア内でシュート(GK小島キャッチ)、38分には内田の手前からのクロスに渡井が走り込んでヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と好機を作っていくも、ゴールは奪えず。
結局前半はスコアレスのまま終了となります。

後半の立ち上がりは、両チーム左SB(徳島は左センターバック)の競演で幕開け。
後半1分、新潟・荻原が左ハーフレーンをドリブル、そのままエリア手前からシュートを放つも枠外に。
その後2分に徳島・田向がドリブルで中央へ向かったのち右へロングパス。
しかしこれは藤田征に繋がらなかったばかりか、自身は足を痛めて続行不能となってしまい交代の憂き目に。(福岡が出場)

その後は攻め合うものの膠着状態となり、そんな中で11分にCKから荻原がミドルシュートを放った(GK上福元キャッチ)新潟。
浦和時代からの持ち味である積極性を、新潟に還元しようと動き回る萩原。

そんな流れの中、新潟は14分に選手交代。
中島→ロメロ・フランクへと交代し、攻撃へと舵を切ります。
投入直後はロメロの推進力で何度かチャンスを作った新潟。
しかし18分に徳島サイドも動き、内田・藤田征→ドゥシャン・岸本と2枚替え。
右サイドの選手を2人入れ替えて来ました。
その狙いは跳梁する荻原の裏を突くという判り易いもので、以降右サイドで岸本を使う攻撃を多用する徳島。

23分にCKの二次攻撃から新井がボレーシュート(GK上福元キャッチ)という新潟の攻撃を最後に飲水タイムに突入したため、上記の徳島の狙いがぼかされた感がありました。
しかし当の荻原は神経質になっていたようで、27分にはGK小島へのバックパスがミスとなり、垣田に掻っ攫われるという大ピンチを招いてしまいます。
ここは垣田のトラップが大きかったためシュートまで持って行けずと命拾い。

新潟はロメロの投入以降、3ボランチという形を作れなくなったため荻原の弱点を突かれ易くなっていた感があり。
以降は果敢な攻撃参加影を潜めた荻原、それに伴い徳島が攻勢に。
31分には垣田がエリア内からシュート(GK小島キャッチ)、33分には小西が遠目からミドルシュート(GK小島キャッチ)と攻めかかります。

流れを変えたい新潟、直後に島田・渡邊→高木・矢村と2枚替えを敢行します。
これでロメロがボランチにシフト(本間が左SH→右SH)という形になったものの、ロメロが積極的に前に出るため、福田の1ボランチともとれる形。
以降人数を掛けて攻め込む事が出来るようになるものの、不安定な形となってしまった故に殴り合いの展開で終盤戦を迎えます。

それとほぼ同時に、徳島は垣田→河田へと交代。(37分)
2年前まで新潟に在籍していた河田、このオープンな展開でジョーカーとして起用され、その期待通りに躍動を見せます。

42分、岩尾が右サイドへ展開してから攻撃を作ると、岸本のスルーパスにボランチの小西が走り込み。
押し込む姿勢を見せる小西から数度の切り返しののちクロスが上がると、ニアサイドで河田が合わせてヘディングシュート。
ジャストミートしたものの、右ゴールポストを直撃してしまい得点ならず。
この後ドゥシャンのカットから再び右サイド奥に切り込み、仕掛けたのは普段左サイドに位置する西谷。
細かいステップでのキープからエリア内右に進入し、シュートを放つもGK小島がセーブ。
ポジションを崩してでも、という攻撃を続け、何としても先制点を狙う姿勢を見せる徳島。

そして45分、小西の右サイドへのロングパス、受けた岸本が対面の新潟・荻原と対峙しつつつつカットイン。
エリア内に入った所で荻原の隙を突き低いクロスを入れると、先程と同様に河田がヘディングシュート。
今度は擦らすシュートを放ち、GK小島のセーブも及ばずゴール左へ突き刺さりついに均衡を破る事に成功します。
再三右サイドを突くという徳島の執念が実った試合終了間際。

まだアディショナルタイム(5分)が残っており、望みを捨てずに攻め上がる新潟。
ここからCKを2本取り、また新井のロングスローも交えるなどセットプレーに活路を見出して徳島ゴールに迫ります。
AT2本目(試合通じて7本目)の右からのCK、高木のファーサイドへのクロスを鄭がヘディングシュートに持っていきますが、ゴール左へと外れて同点ならず。
これが最後のチャンスとなり、奮闘及ばず0-1で徳島が勝利となりました。

古巣相手に決勝点を決めた河田。
新潟シンガポールでキャリアをスタートさせ、その後新潟へ加入、2年在籍ののち前年に徳島に移籍という経歴。
生え抜き扱いするかどうか分かれますが、それを踏まえても新潟は若干見切るのが早かったような気がします。
ただどちらが主導の移籍なのかは不明なのでここでどうこう言うのはフェアでは無い。

何となく移籍した秋山の将来が不安になってきましたが、果たして来季はどのクラブで迎えるのか。
そんな要らない事を考えてしまいました。(ちなみに今日沼津で初ゴールを決めたの事)

コメント
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